Maison book girl (ブクガ) 歌詞&Solitude HOTEL からの考察と希望
◆歌詞の用語一覧と解説◆
■ Maison book girlとは ■
Maison book girl (メゾンブックガール、通称:ブクガ)とは、結論から言うと、いずこねこである。これは、サクライケンタ氏が、Maison book girlを始める際に「いずこねこをはじめる」と言っていました。これが、Maison book girlというグループが何をしていたのかを知る上で重要なキーワードです。
また、Maison book girlの名前の原型である「ツイン・ピークス」から引用された仮称「book house girl」を歌詞から読み解くことでも分かります。「book house girl」とは、即ち、『MacBookで視聴するライブ(ハウス)映像「猫と煙と赤いカーテン」の〇〇』です。だから、複数のgirlsではなく、単数のgirlなのです。
そして、Maison book girlのシングルとアルバムは、2010年7月3日5時40分01秒(SH4Fより)のサクライさんと〇〇さんの出会いから、2017年8月31日までが描かれています。その中の楽曲では、2013年11月4日の2ndワンマンライブ『猫と煙と赤いカーテン』の模様が歌われています。
そこには、3つの時間軸の異なるサクライさんの◯◯さんへ向けた視点が入っています。そのため、全ての楽曲の詞に、様々な形で、サクライさんと〇〇さんの2人が登場します。この詞の物語の主人公は、「僕」です。
「僕」とは、いずこねこが解散した2014年8月31日以降から2017年8月31日まで、ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」を繰返し視聴しているサクライケンタです。
その「僕」には、2つの視点があります。1つは、ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「SE」~「rainy irony」を繰り返し視聴している視点です。もう1つは、ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「僕」のいない「jupiter girl」~「e.c.l.s」までと、「僕」がステージに戻ったMC以降を視聴しつつ、そこに、「SE」~「rainy irony」までのことを重ねている視点です。
そして、「僕」以外の2つの視点は、過去と未来のサクライケンタです。
まず、過去のサクライケンタとは、ワンマンライブ『猫と煙と赤いカーテン』にギター奏者としてステージにいた「過去の僕」{苗字前半のサク(サクラ)であり咲く・桜}の視点です。
それから、未来のサクライケンタとは、2017年8月31日以降の「未来の僕」・「私」{自身の苗字後半のライ(アイ)でありlie(嘘)・愛・I}です。異なる3つの視点を重ねながら、Solitude HOTELをフロアから眺めている視点です。
次に、それらの視点から紡がれる歌詞の構成です。歌詞の大部分は、◯◯さんの歌詞の歌い間違いを意味しています。そこに、◯◯さんの映像や、サクライさんの映像とギターの弾き間違いを意味した歌詞があります。そして、細やかに、サクライさん自身の想いが描かれています。
つまり、Maison book girlとは、「サクライさん視点のいずこねこの物語」・「歌う〇〇さんとの関係から紡がれたギターを弾くサクライさんの記憶の物語」を歌うユニットであり、「僕」と『猫と煙と赤いカーテン』のバンド演奏をしなかった4曲の◯◯さんとのアイドルユニットなのです。
ここからは、幾つかの楽曲の歌詞とSHを読み解きながら考察します。
◆Single&Album・Solitude HOTEL・
MVの概要一覧◆
▼Single『white』&『black』
表す時期:2010年7月3日~2011年9月30日
内容:いずこねこ以前の終わりと、◯◯と「僕」との出会い
楽曲:『猫と煙と赤いカーテン』の最初から最後までの重要な要素をなぞった4曲であり、バンド演奏をしなかった4曲「jupiter girl」(宗本花音里→和田輪)・「hair cat dance」(井上唯)・「squall cut」(コショージメグミ)・「e.c.l.s」(矢川葵)及び「fake town」(宗本花音里→和田輪)・「Motel」(井上唯)・「e.c.i.n」(矢川葵)・「rainy irony」(コショージメグミ)に対応するものとなっている。「夢」と「喪失」
▼Album『bath room』
表す時期:2011年10月1日~2013年11月27日
内容:いずこねこの始まりと夢(バンドセットの 2013年11月4日 東京キネマ倶楽部 2ndワンマンライブ『猫と煙と赤いカーテン』)の実現
楽曲:「SE」から「rainy irony」までを中心に『猫と煙と赤いカーテン』の様子と「僕」の思いが描かれる。◯◯と「嘘」と「約束」
▼EP『summer continue』
表す時期:2013年11月28日~2014年3月1日
内容:「last summer EP」の続き 新たな夢に向けて
楽曲:『猫と煙と赤いカーテン』の「white clock」と「e.c.i.n」を中心に「SE」~「rainy irony」までが絡み合いながらライブの様子が描かれる。「煙」と「夜」
▼Single『river (cloudy irony)』
表す時期:2014年3月2日~2014年8月31日
内容:いずこねこの終わりの始まりと、終わりの瞬間 ライブ『猫と煙と赤いカーテン』とライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の作成・リリース、『@JAM EXPO 2014』を重ねて視聴する「僕」の様子。「傷」と「過去」
▼Album『image』
表す時期:2014年9月1日~2014年11月23日
内容:いずこねこの終わりとMaison book girlの始まりの前夜
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「nostalgie el」から「BluE」を中心に視聴しつつ、「fake town」~「rainy irony」の4曲を繰り返しながら「SE」~「rainy irony」を振り返る様子。◯◯と「僕」の「裏切り」と「復讐」
▼Single『412』
表す時期:2014年11月24日
内容:過去の思い出とMaison book girlの始まり
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「SE」~「rainy irony」を振り返りながら、「jupiter girl」から「 e.c.l.s」までを過去のものとし、「nostalgie el」から「BluE」までの3曲を中心に、ダブルアンコールまでを視聴しはじめた様子 「解放」と「朝」
▼Single『cotoeri』
表す時期:2014年11月25日~2014年12月12日
内容:いずこねことの別れとMaison book girlとの出会い
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「e.c.i.n」、「rainy irony」とアンコール「white clock」を元に「jupiter girl」から「 e.c.l.s」までの4曲や過去との別れを告げる様子 「別離」と「2つの過去」
▼Single『elude』
表す時期:2014年12月13日~2014年12月19日
内容:「僕」が知らない間に話が進んでいた『世界の終わりのいずこねこの終わりの始まり』を知ってからの心境とその後
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「僕」のいないアンコールの「white clock」と「e.c.i.n」を中心に「SE」~「rainy irony」を重ねている様子 「悪夢」と「許し」
▼Album『yume』
表す時期:2014年12月20日~2015年3月2日
内容:『世界の終わりのいずこねこの終わりの始まり』のセットリストとライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」を重ねて振り返る様子
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」のアンコール2曲を中心に視聴しながら、「SE」~「rainy irony」を重ねている様子
▼Single『SOUP』
表す時期:2014年3月3日~2015年3月26日
内容:夢と懸離れてゆく現実 鯨、即ち、いずこねこの解体・爆破
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「SE」~「rainy irony」を重ねながら、今まで避けていたダブルアンコールへの導入
▼Single『umbla』
表す時期:2015年3月27日~2015年8月23日
内容:◯◯と重なるギターの影と「過去の僕」の「悲しみ」(てへぺろ)
楽曲:ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「e.c.i.n」を中心に、『Solitude HOTEL B1』や映画『マイカット』を重ねて視聴している様子。
▼Album『海と宇宙の子供たち』
表す時期:2015年8月24日~2016年8月30日
内容:回復と希望
楽曲:『猫と煙と赤いカーテン』のダブルアンコールを中心に、「SE」~「rainy irony」を重ねながら、「僕」が、2015年11月25日の『Solitude HOTEL 1F』、2016年1月16日の「TwoSeries.Vol.5」、2016年2月22日の「飼い主感謝祭」、2016年8月28日「◯◯◯◯◯5周年BOM-BA-YE」を経てからの心情の変化が描かれていく
▼BEST Album『Fiction』
表す時期:2016年8月31日~2017年8月31日
内容:『猫と煙と赤いカーテン』の18曲に準えた『Fiction』の18曲
楽曲:『猫と煙と赤いカーテン』と、2016年11月30日のSingle「river (cloudy irony)」リリース、2016年11月6日の「Solitude Hotel 2F」、2017年4月5日のAlbum「image」リリース、2017年5月9日「Solitude Hotel 3F」などの様子を重ねている
▼Solitude HOTEL
B1 表す時期:2010年7月3日~2011年9月30日
対応楽曲:「 SE」
1F 表す時期:2011年10月1日~2013年11月4日
対応楽曲:「END 」
2F 表す時期:2013年11月5日~2014年3月1日
対応楽曲:「Straight 」
3F 表す時期:2014年3月2日~2014年8月31日
対応楽曲:「 white clock」
4F 表す時期:2014年9月1日~2014年12月12日
対応楽曲:「fake town」(19:02「その薄い唇が永遠を逃がす」後の◯◯のアップから始まる)
4.9F 表す時期:2014年12月13日
対応楽曲:「 fake town」終盤(◯◯のアップ)~「Motel」前の転換
5F 表す時期:2014年12月14日~2014年12月19日
対応楽曲:「Motel 」
6F 表す時期:2014年12月20日~2015年3月7日
対応楽曲:「e.c.i.n」
7F 表す時期:2015年3月8日~2015年11月24日
対応楽曲:「rainy irony 」
∞F 表す時期:2015年11月25日~2016年11月4日
対応楽曲:「SE」~「rainy irony」までの8曲及び
「jupiter girl」「hair cat dance」「squall cut」「e.c.l.s」の0(4)曲
9F 表す時期:2016年11月5日~2017年2月21日
対応楽曲:「rainy irony 」~「 SE」の巻き戻し{「rainy irony 」の詞「8765」(前半)、「4321」(後半)より}
404 表す時期:2017年2月22日~2017年8月31日
対応楽曲:「fake town」~「rainy irony」(4)、「jupiter girl」~「e.c.l.s」(0)、「SE」~「white clock」(4)
▼MV
「bath room」:「SE」
「 snow irony」:「END」
「 lost AGE」:「Straight」
「cloudy irony 」:「white clock」
「karma」:「fake town」
「faithlessness」:「Motel」
「sin morning」:「e.c.i.n」
「rooms」:「rainy irony」
「言選り」:「jupiter girl」
「十六歳」:「hair cat dance」
「レインコートと首の無い鳥」:「squall cut」
「おかえりさよなら」:「e.c.l.s」
「狭い物語」:「nostalgie el」(「MC」)
「夢」:「last cat factory」(「nostalgie el」)
「 鯨工場」:「BluE」(「last cat factory」)
「長い夜が明けて」SH7Fライブ映像Ver.:(「BluE」)
「 int」:全員ステージから捌けた状態
「闇色の朝」:アンコール「white clock」
「海辺にて」:アンコール「e.c.i.n」
「ランドリー」:ダブルアンコール「e.c.i.n」
「悲しみの子供たち」:ダブルアンコール「BluE」
◆ 第一 いずこねこ期『white』&『black』 ~『image』◆
▽「water」
アルバム『yume』までの中で、唯一、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人が出てくる楽曲。
4人が出てきた理由は、4人が音楽家サクライケンタの音楽的物語の世界に存在していないことを、本人たちに自ら語らせるためです。特に重要なのは、矢川さんの「ぼくは白い鳥を見たことがありません」です。本来は、バンド演奏していない4曲とアンコールの2曲は、サクライさんがステージにいないため、サクライさんにステージから観る◯◯さんの記憶がないことを意味しています。そして、サクライさんと〇〇さんの出会った大阪市の出身の矢川さんに「いずこねこを知らない」と語らせることで、効率的に、4人がサクライケンタの音楽的物語の世界にいないことを明示しました。
そして、「ぼくの世界にはぼくだけがいないことに気付く」です。この詩の本来の意味は、『ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の 「jupiter girl」~「e.c.l.s」の4曲とアンコールの「white clock」と「e.c.i.n」にサクライさん自身は映っていない』(これがSHやMVにペストマスクを被った自分を登場させるようになった要因)ということです。しかし、これを個々の4人が言うことで、ダメ押し的に4人それぞれが、サクライケンタの音楽的物語の世界に存在していないことを強調した形になります。これにより、実は、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人が、Maison book girlのメンバーでは無いことを4人自身の口から明かした形になっています。
しかも、これはいずこねこの物語ではないので、サクライさん自身は直接書かず、コショージさんが書いた詩を用いて自身の世界観を堅持しています。音楽家サクライケンタのクオリティコントロールには凄みを感じます。
ちなみに、「bath room」の少女達は、ライブ映像『猫と煙と赤いカーテン』の〇〇であり、4曲(矢川葵が「 e.c.l.s」、コショージメグミが「squall cut」、井上唯が「hair cat dance」、和田輪が「jupiter girl」)の〇〇さんです。つまり、「bath room」は、その4人の〇〇さんといずこねこの物語を繰り返すというプロローグになっています。
▽「snow irony」
「声は変わってしまった」何気ない歌詞ですが、後々、重要な意味を持ちます。まずは、◯◯さんがプラニメとなり、歌声が違うものになってしまったことを意味しています。
また、別の視点から、当然、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪は映像の中の〇〇ではないので、声が違って聴こえて当たり前なのですが、これが後にこの時の衣装の身姿と合わさって、サクライさんがコショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人を「鯨」と比喩するようになったようです。
コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人の声が、映像の中の〇〇さんの声としてではなく、本人達の声としてサクライさんに届いたことが、SH4F以降の物語の構造に影響していきます。
▽アルバム『image』
メジャーより初のアルバム発売、このことがサクライさんの4人への認識を変えていきます。そのため、サクライさんにとって、とても大切なアルバムの様です。ジャケ写にローマ数字のⅩⅩが映っています。これは20年前を意味しており、サクライさんが宅録を始めた頃です。初心に戻るといった思いでしょうか。そこで、1997年頃のコショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人の写真を初回盤にブックレートとしてつけているようです。
また、いずこねの夢の1つであったメジャーからアルバムを出すことが叶ったことを表しています。このサクライさんと◯◯さんの音楽をメジャーからアルバムで出せたことと、2016年2月22日の「飼い主感謝祭」で、サクライさんがアコギを弾き、現実の◯◯さんが歌うという出来事がありました。そして関係が改善したことにより、サクライさんの心境に変化をもたらしたようです。それが「river」へとなっていきます。
そうした変化から、サクライさんは4人と一緒にやっていこうと思ったのでしょう。「water」から考えると大転換です。これが、次のシングルから影響を及ぼし、更に、SH7Fの演出に繋がります。
それと同時に、その頃に、MacBookからいずこねこのデータの移行・削除が完了したようです。つまり、これが「Maison book girlの削除」になります。それが、あのSH404のライブでもあります。
このアルバムは、2014.8.31のいずこねこの最後の@JAM EXPO 2014のライブ後から、2014.11.24のブクガの@JAM the Field vol.6のライブ初披露前までが描かれています。また、『猫と煙と赤いカーテン』の「ending」(ライブ映像の始まりの楽曲「END」)から始まります。そして、「opening」で終わり、2人の関係性が良かった頃を思い出し、それをブクガで繰り返せるように思い廻らせながら、11月24日のライブ初披露を迎えるといったところでしょうか。そのため、時系列がはっきりしており、「opening」から遡る聴き方は、時系列を無視した聴き方になります。それは、ライブ『猫と煙と赤いカーテン』を18曲目、17曲目と逆に視聴するようなもので、普通はそのようなライブはありえません。そのため、「opening」から遡る聴き方は、サクライさんの意図に沿わないのです。
◆ 第二 転換期 『412』~『yume』◆
▽『412』と『cotoeri』
412とは、いずこねこの楽曲「jupiter girl」や「Motel」に出てきており、サクライさんと◯◯さんがいずこねこの楽曲を作り始めたプライベートスタジオのような思い出の場所のようです。新たな始まりを予感させるタイトルです。これは、2016年2月22日の「飼い主感謝祭」で、サクライさんと◯◯さんが、1曲披露したことからも分かるように、二人の関係性が改善されたことに起因しています。
それと、412はHTTPステータスコードで、前提条件の誤り・失敗を表します。これも、2人の関係改善からきています。
そして、ブクガにおいて412とは、「猫と煙と赤いカーテン」の8曲目「jupiter girl」~11曲目「e.c.l.s」の4曲の4、12曲目「nostalgie el」の1曲の1、13曲目「last cat factory」と14曲目「BluE」の2曲の2を意味しています。
それまでブクガの詞では、SE~7曲目「rainy irony」までを中心に描かれていましたが、412からは、12曲目「nostalgie el」以降を中心に、過去を振り返る形でSE~7曲目「rainy irony」の描写がなされていきます。
それと同時に、未来の事として、「MacBookからいずこねこ(Maison book girl)の削除」を始めたことを表現しているのでしょう。
また、「言選り」で、サクライさんは「過去、未来、そして自分との対話」と言っています。これが、楽曲やSHの視点的な構造にもなっています。楽曲やSHには過去・現在・未来の3つの視点があります。過去とは、いずこねこのライブ映像に映っているサクライさんです。現在とは、2014年8月31日以降にライブ映像を繰り返し視聴しているサクライさんの心境です。未来が、2017年8月31日以降のサクライさんの気持ちになります。この複数の視点構造が、楽曲やSHの構造理解を少し難しいものにしています。後、SHに関しては、セットリストや演出の構成をしている時点でのサクライさんの心情も入ってきます。そのためSHには、4つの視点があります。
そして、歌詞の中で「そっと閉じ込めた」といっています。過去との折り合いをつけ未来に向かう。つまり、音楽的にもいずこねこに決着をつけ、これからは、コショージメグミ、矢川葵、井上唯、和田輪の4人と共に歩んでいく、そのようなサクライさんの決意の表れかもしれません。そういった内容がライブの演出面にも表れている楽曲です。
▽「雨の向こう側」と「教室」
アイドルグループMary AngelのMayaの卒業と、Mary Angelに憧れてアイドルになる決心をした〇〇さんとサクライさんの話。
『image』までのポエトリーや歌詞は、「water」を除き、サクライさんによってコショージさん色がかなり消されています。『412』以降は、ワンポイント的にコショージさん色の強い部分を残すようになっていきます。「雨の向こう側」では、Mary Angelの3人を親子で表現している点です。「白の夢」の旧BiSの家族的表現に似ています。
また、この話題は「教室」でもなされています。「教室」では古町という地名がでます。本来、この古町は、大阪市の古町ということになります。少し調べたのですが、大阪市にはなく、大阪の柏原市に古町はあります。大阪市に古市ならありました。大阪市の地名を詳しく知らないので確かな事は言えませんが、このような形で新潟出身のコショージさんの味を残すようになった点も見逃せません。
※サクライケンタが、Mary Angelの楽曲「瞬間 -shine heart-」「小さな花」「waku2@dreamer」「トキメキハイスピード」「music on!!!」「スキナ☆ノート」「Forever Light」の作詞・作曲、「I need back」の作詞、「Angel Wing」の編曲を担当している。
▽「狭い物語」
ライブ中の演出で俗にいう矢川さんが色を取り戻すシーンは、実は、決して喜ぶようなシーンではありません。
あれは、『世界の終わりのいずこねこの終わりの始まり』( 渋谷WWW 2014.12.20)の楽曲とセットリストを重ねながら、「猫と煙と赤いカーテン」のライブ映像を見ている様子であり、サクライさんがステージにはいないアンコールの16曲目の「e.c.i.n」(12/20では5曲目)が終り、様々な思いを抱きながら、最後のダブルアンコールの瞬間を迎えるシーンです。あのシーンで喜ぶということは、ブクガファンが、2021.5.30以降、ライブ映像を視聴しながら終わる直前に「やった! もう少しでブクガが終わる! 万歳!」と喜ぶようなものです。本来は、過去の楽しい記憶と共に、それを失い後悔が去来する瞬間です。とてもやるせない瞬間なのです。
▽SHB1~SH3Fまでの衣装について
B1:2人が出会ってから2011年9月までの時期をイメージした衣装。結成から5ヶ月経ったコショージメグミ・矢川葵・井上唯の3人は、サクライさんとの関係性が深まっている分、サクライさんの黒が靴の色に表れています。それと比べて、加入したばかりの和田輪は、2人が出会った直後を表す全身白です。また、和田輪は出会った頃の◯◯さんの憑代でもあるからでしょう。
1F:白と黒が混じり合った表地と黒のみの裏地の衣装。表は、「猫と煙と赤いカーテン」の1曲目~7曲目の「過去の僕」と◯◯のいるステージを意味し、また、2011年10月の初ライブから2人の関係性が深まった状態を表す。裏は、「猫と煙と赤いカーテン」の8曲目「jupiter girl」~11曲目「e.c.l.s」の「過去の僕」が知らない◯◯の影を意味し、また、2014年の黒の衣装を表す。この身姿からコショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人を「鯨」と比喩する。
2F:曇り色・灰色に少し白をあしらった衣装。「猫と煙と赤いカーテン」の12曲目「nostalgie el」~14曲目「BluE」までを意味する。音楽家サクライケンタの活動・心境を表す色。2014年3月以降、5月の解散発表や7月のプラニメのデビュー発表を経て、2人で組むことが完全に不可能になった色。
3F:「猫と煙と赤いカーテン」の8曲目「jupiter girl」~11曲目「e.c.l.s」の「過去の僕」が知らない◯◯の影を意味する黒の衣装。2014年9月以降、孤独になったサクライケンタを表す黒。
▽Solitude HOTEL 4F
別世界にいるケートス(ダブルアンコール「BluE」の◯◯であり、同時に、ギリシャ神話のポセイドンの使い 死者の魂を来世に運ぶ役割を担った海獣、つまり、鯨であり、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の鯨の4人)に、電子の海へ送った映像の中の〇〇を埋葬すると共に、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・宗本花音里の4人を憑代に、サクライさんの知らない8曲目「jupiter girl」~11曲目「e.c.l.s」の4曲の◯◯を現世に復活させる物語。即ち、「いずこねこ」の終わりと「Maison book girl」の始まりの物語。
ここから、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人が鯨として登場し始めます。但し、このSH4Fで描かれている物語のベースは、2014年8月31日から2014年11月24日までのことです。それと和田輪は、鯨であると共に、映像の中の◯◯である宗本花音里を演じる和田輪という位置付けになります。また、和田輪は、SH6F「yume」まで、鯨であり、◯◯の憑代である宗本花音里を演じる和田輪という立ち位置です。
そして、空っぽな白い箱は、いずこねこ以前の思いの薄れた過去の記憶であり、それを歌っていたいずこねこ。瞳のない4人は、「jupiter girl」・「hair cat dance」・「squall cut」・「e.c.l.s」のライブ映像の◯◯であり、その憑代であるコショージメグミ・矢川葵・井上唯・宗本花音里の4体のシタイ。それらを電子の海に送り、別世界にいる鯨の4人の「言選り」によって埋葬してもらう。
その後、過去では、鯨の4人が、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・宗本花音里のシタイに◯◯の魂(4曲)を宿し、「Maison book girl」としてライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の◯◯(〇〇との音楽)を現実世界に甦らせました。また、未来(「snow irony」以降頃)では、いずこねこを受け継いだコショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の鯨の4人をサクライケンタの音楽の世界に迎え入れます。
更に時間を巻き戻す事により、これまで、サクライさんだけで行っていた「猫と煙と赤いカーテン」の〇〇の再現である「いずこねこ」の物語、つまり、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・宗本花音里を憑代に「Maison book girl」として◯◯(〇〇との音楽)を現実世界に再生した物語を、サクライケンタは、鯨の4人と行っていくことにしました。この段階では、鯨の4人は「Maison book girl」のメンバーではなく、◯◯さんをサクライさんと一緒にプロデュースしていく側ということになります。このことは、SH7Fの首だけの鳥によって語られています。
そのような構造の演出をサクライさんは、「長い夜が明けて」で「4つ目の壁をすり抜けてく」と歌詞にしています。本来、「4つ目の壁」とは、「猫と煙と赤いカーテン」を5つのパートに分け、アンコールとダブルアンコールの間を意味しています。4人が彷徨うシーンはアンコールの2曲にいることを意味しています。このアンコールの2曲は、4曲の4人とサクライさんの記憶には無い時間帯です。誰の記憶にもない時間のため、4人は彷徨ってしまうのです。そこを抜けダブルアンコールへ辿り着ければ、サクライさんがステージ上にいた記憶の時間帯になります。そして、「int」からの始まりにより、ダブルアンコール直前のMCの時間帯に辿り着いたことが伺えます。これにより、サクライさんが、ダブルアンコールを中心に視聴し始めたことが分かります。
また、HTTPステータスコードの404に準えて、ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の◯◯が「第四の壁」を超えてきたと評したのでしょう。『image』と同様に、SH4Fは、サクライさんにとって重要なライブだったようです。それが、今後の様々な表現にも見て取れますし、SH(404)でも表れています。
それと、もう一つ重要な演出があります。それが「14days」です。「シタイ」と比喩されている最後のライブ以降に視聴する「猫と煙と赤いカーテン」の中の◯◯(その憑代となるコショージメグミ)と、「僕」ことサクライケンタ。「14days」は、いずこねこ活動終了後の2週間、9月14日 LIVE labo YOYOGIでのコショージメグミのソロライブまでのサクライさんを詩にしています。あの場面に「14days」の演出を入れた事からも分かるように、サクライさんにとって、いずこねこの活動終了は、重要な分岐点になったようです。このSH4Fの始まり自体が、「ending」から「sin morning」に、「猫と煙と赤いカーテン」の始まりを重ねると共に、いずこねこの活動終了後の翌朝の意味を含ませて始まります。サクライさんにとって「いずこねこをはじめる」とは、2014.8.31から連続した流れとして「はじめる」ことだったようです。
後、衣装も白・黒・灰色と混ざっており、過去の◯◯さんの思い出を総まとめにした色彩になっています。そして、フードを付けることで、今回の物語の内容から祭服のイメージを取り入れているのでしょう。
●追補
※SH4Fのライブ中の時間表示は、それ自体が表す時間とは別の意味がある。例えば、「19:00:00」は19時00分00秒を表すと共に、それとは別に、ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「19分00秒00」のシーンを表している。それは、「fake town」の歌詞「永遠」を意味している。それは、ライブ「猫と煙と赤いカーテン」を映像作品として「永遠」にすることを意味している。つまり、SH4Fとは、ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の制作過程を表した作品である。そして、SH4Fの「sin morning」の「19時02分」の始まりは、ライブ映像「猫と煙と赤いカーテン」の「19分02秒」からの始まりである。これは、「僕」が、「猫と煙と赤いカーテン」を「fake town」の◯◯のアップシーンから視聴、または、ライブ当時のその記憶を思い返していることを意味している。
※スクリーンに4人の瞳が並ぶシーンは、時間と映像から、コショージメグミがサポートギター、和田輪がサポートベース(眼鏡繋がり)、矢川葵が◯◯、井上唯がサクライケンタを表していることが分かる。和田輪の気持ちとは別に、サクライケンタが、和田輪に低音パートを任せた理由がここにあり、和田輪がサポートベース役であったためである。
※「14days」で表示されていた時間は、◯◯のアップシーンが多い。
※4人が彷徨うシーンの冒頭は、「hair cat dance」(井上唯)の時間帯に迷い込んでいることが分かる。また、「48:2」が表す時間帯は「hair cat dance」の歌詞「過去を消して無くしていたの」である。そして、「40:01」は、「rainy irony」後のMCで◯◯がしゃがんでいるシーンであり、アルバム『yume』のジャケットのモチーフとなっている。コショージメグミが蹲り不協和音が鳴り出す「04:5」は、「END」の歌詞「悲しみ リプレイ」のシーンとなっている。
▽Solitude HOTEL 4.9F~6F
電子の海に映像の中の◯◯を埋葬し、「Maison book girl」として◯◯(◯◯との音楽)を現実世界に甦らせたものの、今度は、夢に本物の「いずこねこの◯◯」が現れます。それは悪夢のようです。その夢も鯨に食べてもらいます。何だか分からぬまま面白がって鯨は夢を食べます。お腹の中で食べた夢から音楽が聞こえてきます。鯨は、これを面白がり、真似をして踊り出します。また、これまでのことは、鯨が見ている夢でもあります。
それが、SH4.9Fの後半~SH5FとSH6Fです。それらのことはSH7Fの首だけの鳥によって語られています。それらは、2014年12月20日の渋谷WWWのイベント『世界の終わりのいずこねこの終わりの始まり』に起因しています。
それから、「YUME」の曲中のモールス信号で「コレデ、サイゴ、カモ、シレマセン」といっています。次に「マタ、コノ、ユメ」を4回繰り返します。それと、SH4.9Fの後半とSH5Fがワンセットで計1回、SH6Fが「hiru」「yoru」「yume」の計3回で、合計4回になります。それらから察するに、「YUME」のモールス信号で、SHの「ユメ」物語が4回の繰り返しで終わり、新たなSHの物語が幕開けすることを告げていたようです。それと「4」は、いずこねこの「4つの秘密」や「4つの目」からきています。この「4」は、「アイドル」の4文字であり、「アイドル=夢」を表しているようです。更に鯨が見ている夢とは、バンドセットでしていない「jupiter girl」~「e.c.l.s」の4曲です。
そして、構造としては、「夢を食べた鯨は君の声で揺れてるの。」(『Fiction』の「悲しみの子供たち」より)、つまり、アイドルを取り込んだ鯨の4人が、◯◯さんの声で踊っているという構図になっています。
衣装は、上のレインコートで白い鳥として統一しながら、下の色でそれぞれの時期を分けています。また、「hiru」の衣装では、白い衣装にライブ写真のような物を衣装に付けることで@JAM EXPO 2014の映像の〇〇をイメージしています。「yoru」は、アルバム自体のイメージと、黒を基調に赤を差し色に入れて、黒は「猫と煙と赤いカーテン」のアンコール2曲を意味しています。「過去の僕」の知らいない◯◯の影と、赤は、照明と飼い主のペンライトです。また、いずこねこの2014年12月20日の渋谷WWWのイベント『世界の終わりのいずこねこの終わりの始まり』のライブ衣装のイメージに合わせた感じになっています。
◆ 第三 鯨の登場期 『SOUP』~『Fiction』◆
▽Solitude HOTEL7Fと「鯨工場」
まず、SH7Fの衣装です。紺色を基調としています。これは「lost AGE」だけに出てくるサクライさんにとっての出会いの象徴的な色です。
そして、ライブが始まり、鯨の唄を最初に聴いた「snow irony」までは、これまでの繰り返しになります。
その次の「bath room」で世界は一変します。ここから、サクライさんとコショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人が、出会ってからの物語になります。そのため、後ろに過去の4人、つまり、〇〇の憑代だった頃の4人の映像が流れます。構造的に、4人の◯◯の真似して、鯨の4人がステージで唄い踊っているといったところでしょうか。これが「snow irony」の「声が変わってしまった」を意識したものになっています。ここから、鯨の4人とサクライさんの物語も始まります。
そこから、「鯨工場」で、更に世界は一変します。これは『bath room』のリリースを表しています。これまでは、ずっと、いずこねこだけが世界の中心でした。しかし、この「鯨工場」で初めて鯨の4人も、音楽家サクライケンタの音楽的物語の中心になります。
これまで、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪は、あくまでも〇〇であって、自身としては、サクライケンタの音楽の世界にはいませんでした。しかし、この「鯨工場」で、コショージメグミがコショージメグミとして、矢川葵が矢川葵として、井上唯が井上唯として、和田輪が和田輪として、初めて音楽家サクライケンタの楽曲を唄い踊ったのです。コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人も、サクライケンタの音楽的世界の中心になった瞬間でした。
そして、それを表す歌詞が「僕らの唄」です。基本、「僕ら」とは、サクライさんと〇〇さんです。「鯨工場」の中でも「僕らの声」や「僕らの朝」があります。これらは、サクライさんと〇〇さんのことです。但し、唄と付く時は、サクライさんとコショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪のことになります。これはサクライさんと◯◯さんの2人の「鳥の声」に対して、それと区別するようにコショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪の4人、或いは、4人にサクライさんを含めた5人を「鯨の唄」としているからです。
最後の「長い夜が明けて」は、過去との折り合いをつけはじめ、SH1Fを予感させながら、幕は降ります。
▽Solitude HOTEL∞Fと『海と宙の子供たち』
SH∞Fは、「海辺にて」で『bath room』のリリース後から始まります。そして、「闇色の朝_」がSH1Fです。8曲目の「LandmarK」が「飼い主感謝祭」(2016.2.22)や◯◯◯◯◯5周年BOM-BA-YE(2016.8.28)を経て、現実の◯◯◯◯◯さんとの関係が改善したことを表しています。9曲目の「鯨工場」から13曲目の「river」までが、「夜明けの月と煙 vol.1」や「SH2F」、シングル『river』によるメジャーデビューの時期です。14曲目の曲だけの「water」は、『image』の発表の頃を表現しているようです。最後の「悲しみの子供たち」は、SH3Fになります。
アルバム『海と宙の子供たち』は、2曲目の「海辺にて」で『bath room』の発表・リリース、3曲目の「闇色の朝」がSH1Fの時、4曲目の「悲しみの子供たち」から7曲目の「LandmarK」で、『summer continue』の発表・リリース、2016年のTIFや@JAM EXPOと夏の魔物、「飼い主感謝祭」(2016.2.22)や◯◯◯◯◯5周年BOM-BA-YE(2016.8.28)などでの◯◯◯◯◯への想いが語られ、8曲目の「鯨工場」以降が、SH2F頃からSH3Fまでといった感じです。中でも、2015年4月以降で過去に重なる出来事を織り交ぜて歌詞にしている部分が、これまでの楽曲群とは異なる点です。
SH∞Fや『海と宙の子供たち』もSH7Fと同様に、4人が、物語の役割として中心になるのは終盤です。
▽Maison book girlの問題
アルバム『海と宙の子供たち』、そしてSH7FとSH∞Fは、サクライさんと4人の出会いとその後が描かれはじめます。
しかし、4人が中心になっても、いずこねこが、この世界観の中心であり続け、4人以上にフォーカスが当たっています。結局、「鯨工場」の1曲だけが、4人も中心になっている楽曲です。それでも半分以上は、いずこねこの事が唄われています。『海と宙の子供たち』の他の楽曲は、映像として思い浮かべると遙か遠くの方に4人の存在を感じますが、目の前にいるのはサクライさんと〇〇さんです。
SH7FとSH∞Fも4人が自身として出てくるのは、物語の経緯から終盤です。それまでは、映像の4人の○○を真似している本来の4人という構図です。
サクライケンタの音楽的世界に存在しなかった頃のことを思えば、たとえ1曲でも、その曲の半分近くでも、4人が中心になれたことは、喜ばしいことです。
でも、ふと、思うのです、私は誰のファンなのだろう? 私は和田輪推しです。そして、コショージメグミ・矢川葵・井上唯・和田輪4人のファンです。サクライケンタの音楽のファンです。だからこそ、これまで以上に4人とサクライさんの音楽を理解しようとして、曲を聴き込み、映像作品を見返しました。
その結果、分かったことは「いずこねこ」のことだけでした。Maison book girlのことを知ろうとして、掘った結果、知ったのは、推しの和田輪のことでも、井上唯のことでも、矢川葵のことでも、コショージメグミのことでも、ありません。知ったのは、「いずこねこ」のことだけです。サクライさんのことは、ファンなので知れて良かったと思います。しかし、Maison book girlを知ろうとしたら「いずこねこ」のことだけが分かった、正直、自分でも、何を言っているのか分りません。知りたかったのは、推しの和田輪・井上唯・矢川葵・コショージメグミの4人とサクライケンタのことだったのに。延々、視聴していたのは「いずこねこ」の事だけでした。鯨の、和田輪の、井上唯の、矢川葵の、コショージメグミの、4人のための楽曲は、1曲だけ、しかもその半分未満だけ、それが4人のMaison book girlでした。
「ぼくを見つけて」、「non Fiction」最後の一言の一つです。探しました。探した結果、沢山のサクライさんを見つけ出しました。このことは良かったと思っています。音楽家サクライケンタのことを少しでも深く知れたことはファンとして良い経験でした。しかし、本音を言えば、それと同じくらい4人のことを知りたかった。それが正直な気持ちです。
後、「non Fiction」の最初の矢川葵さんのパート、あれは基本的にはサクライさんのことです。あの一言は、SH(404)の転生演出にも繋がっていると思っています。でも、正直、悲しい台詞です。あれを矢川葵さんに言わせるなんて・・・。大切な一言はいつも矢川葵さん。その点で、サクライさんも矢川さんのことを大切に思っていることは伺えます。でも、矢川葵さん推しは、激怒しても良いんじゃないでしょうか。そんなやるせない一言です。
▽Solitude HOTEL(404)の希望
Solitude HOTEL(404)は、いずこねこの最後のライブの2014年8月31日からブクガの2014年11月24日のライブ初披露までを、または、映像の中の◯◯を憑代の4人を使って現実世界に甦らせた物語のSH4Fから、サクライさんが、Mac bookにあるいずこねこの映像などのデータを削除するまでの物語。
それと同時に、その様な状況を解消するために行われたのが、Solitude HOTEL(404)だと考えています。Solitude HOTEL(404)で行われた演出から、4人は転生することを演出で表現しています。
サクライさんが大切にしている『image』とSH4Fで「ブクガの終わり」と「新グループの始まり」を暗喩し、「last scene」のループで円環つまり転生を意図しています。404も、いずこねの始まり「jupiter girl」(4:04)とHTTPステータスコードの削除でいずこねこの始まりと終わりを表し、それとは別に、4(人でブクガを終わらせ)0(転生して)4(人で新グループを始める)という意味も含ませたと考えています。
また、「bath room:改」では、一部の歌詞で、転生経験者のコショージメグミと和田輪が元の歌詞を唄い、転生未経験者の矢川葵と井上唯が新しい歌詞を唄うという転生を意識した唄い分けをしています。
次に、改がⅩを意味しており、10年前のいずこねのはじまり2011年を表しています。それによって、サクライさんは、4人と初めからやり直すという思いを込めたのでしょう。
そして、「blue light」の歌詞の変更部分で、2020年5月頃(5/24or5/30? 和田輪のツイート等より)に、4人とサクライさんがネットで、楽曲あるいは「river」のことで話したことが示唆されています。その結果、4人は許せないと思ったようです。つまり、SH(404)の演出は、4人が許せないと思うことがあった上でしています。
ある曲の最後、3人が前を向く中、コショージさんだけが振り返ったままでした。あれは、あそこにいたのが誰なのか分かった上で見送っていたのでしょう。サクライさんの思いを分かった上で、過去に自分が演じてきた◯◯に敬意を持ち見送ったのだと思います。
それと、「狭い物語」の演出を本来の楽曲の意図に合わせてファンにそれを感じさせたことからも、以前の何も知らない頃とは、はっきりと違う事が分かります。以前とは違い様々なことを理解した上で、4人は、あのグループ転生の演出をしています。
いずこねこの◯◯のアイドルユニットから、鯨の自分達4人のグループになるために、そのために必要な転生なのです。
また、後日、サクライさんがTwitterに載せた詩です。その詩の3行に、4人とサクライさんはやる気があり、今度は笑顔の4人を失わない様に努力することが綴られています。
だから、4人のファンとしては、落ち着いて、改名後のグループ名が何になるかを予想しながら気長に待つという心持です。今の所、映画
「The Whales of August(八月の鯨)」から何かしら引用されるグループ名になると予想しています。これ以上に新グループに符合する映画もありませんし、サクライさんの趣味とも合っていて絶対に知っていると思っています。後、何かしらの情報が7月8日に一度出ると予測しています。何にせよ色々と時間のかかることですし、それまでに4人の心境も変化するかもしれません。だから、結果どうなったとしても穏やかに受け入れていこうと思っています。
※「dtbb0b2agnmt」について
「猫と煙と赤いカーテン」の6:26、歌詞「部屋の中で」を表している
①テキサス州ランカスター 1805.ポセイドン博士
➁遺伝子と心疾患関連
➂1667 教会年報 8月号 オドリコ・レイナルド・タルイシノ信徒会 オラトリオ長老会 2016-06-07 06:26:31 9-11・5・7 9-11・6・22
▽最後に「Solitude HOTEL」とSH(404)のセトリと
「猫と煙と赤いカーテン」のセトリと「」
SHB1=海辺にて=END
SH1F=レインコートと首の無い鳥=Straight
SH2F=townscape=white clock
SH3F= 言選り_=fake town
SH4F=闇色の朝=Motel
SH4.9F=眠れる森=e.c.i.n
SH5F=長い夜が明けて=rainy irony
SH6F hiru= 狭い物語=jupiter girl=和田輪
SH6F yoru=夢=hair cat dance=井上唯
SH6F yume=blue light=squall cut=コショージメグミ
SH7F=十六歳_=e.c.l.s=矢川葵
SH∞F=snow irony_=nostalgie el
SH9F=Fiction=last cat factory
SH(404)=non Fiction=BluE
=bath room:改=アンコール
=last scene=ダブルアンコール
演出面などで意識されている
◆いずこねの略歴◆
※歌詞の聴き取れなかった所は?とし、また、重複する箇所は除いている。
◆追記:「闇色の朝_」と『SOUP』2021/6/24(木)◆
▽SH1Fを表す「闇色の朝_」の魅力
「闇色の朝」は、SH1Fの当日の様子が歌われています。『Fiction』の「闇色の朝_」は、SH3Fの意味合いが強いのですが、ここでは「闇色の朝_」をSH1F視点で見ていきます。
SH1Fは、収容キャパ1,000人の渋谷WOMBで行われました。それは、いずこねこの最大のワンマン「猫と煙と赤いカーテン」が行われた東京キネマ倶楽部(収容キャパ600人)の倍近くの会場です。
まずは、「遠い砂漠、知らないまま」です。サクライさんが、天井のスポットライトに照らされたステージを後方で見ながら、いずこねこの東京キネマ倶楽部と、ブクガの渋谷WOMBとの距離の違いを感じています。そして、◯◯さんと共に、その光景を見られなかったことに思いを巡らしています。
歌詞の中盤までの流れは、東京キネマ倶楽部のライブを思い出し、続いて、無音が、2014年3月の出来事や、無音の長さでそれ以降のサクライさんの心情を表しています。それから、歌詞の繰り返しで、SH1F当日のリハーサルシーンに比重を寄せて表現しているように感じます。無音を挟んで繰り返すことで、過去への回想の強弱をつけているようです。その回想の強弱が薄れゆく過去と今の表現になっています。この点が、『海と宙の子供たち』の「闇色の朝」との大きな違いです。
そこから、「雨の粒、音を垂らす。虫たちの電車が来る。」は、開演までの曲が流れだし、開場後、整列した観客が入場して開演まで待つ様子です。本来、その表現は、アンコールやダブルアンコール前の飼い主のにゃんコールを意味しています。羽音と静かで独特な曲が、観客の少しざわつきながら色々な心中で開演まで待つ様子を見事に表現しています。
「橋の上見つめた、君の濡れた髪は消えてしまってもいいの。小さな事だから。」 ここで、サクライさんの◯◯さんへの思いが、昔と違っていることが分かります。
終盤は、入場曲が止まり、開演します。最後にライブ当日の心境を「鮮やかに晴れた夜」と清々しく歌いながら終わっていきます。
SH1Fは、鯨の4人が、いずこねこでは叶わなかった決して開くことの無い夢の扉のその先へ行ったライブです。それが、サクライさんの心境に変化をもたらしたようです。こうした4人の積み重ねの結果が、『image』のサクライさんの心境に繋がったのでしょう。
「闇色の朝_」は、今回、聴き込んで、最も印象が変わった曲でした。最初は、ある種の不気味さと晴れやかさが同居する好きにも嫌いにもなれない不思議な印象の曲でした。公式の動画サイトで精神面の言及がされたコメントがあります。確かに、2014年3月以降のことがあるので、それ自体は正しいと思います。
しかし、この楽曲の魅力は、それ以上にライブや開演前のライブ会場の描写を、歌詞と曲で見事に表現している点です。正直、精神状態のことだけで語られてしまうのは勿体ない。
「闇が降る。暖かい雨。」と歌詞で、フロアが暗転し、ステージのスポットライトに照らされながら〇〇が1曲目を歌い始めるライブの瞬間や、照明の落ちている会場に音楽が鳴り始め、緩やかに動く人達のリハーサルの始まりを表わしています。また、ライブが段々と盛り上がっていく様子や、徐々に開場前の慌ただしさが増していく様子を音数やクラップで表現しています。「線をなぞる指先が雨を降らした。」の◯◯のライブパフォーマンスや4人のリハーサル風景の歌詞から、ライブが進むに連れ盛り上がるファンとステージ中の〇〇の、或いは、周囲が慌ただしくなる中、ステージでセトリやフォーメーションなどの最終確認をする4人の、ある種の緊張感とリラックスした雰囲気の入り混じる様子を曲調と共に感じます。その後、歌詞と曲で客入りの様子や開演直後の静かな熱気を表している点も見事です。
最後は、様々なわだかまりを越えて、鯨の4人のライブに向けられた温かな眼差しと共に清々しい思いで終わります。
改めて、音楽家サクライケンタの天才性を見せつけられた気持ちです。サクライケンタが、「闇色の朝_」で魅せた楽曲によるライブや開演までのライブ会場の空気感は本当に素敵です。
▽SH4Fがもたらした『SOUP』
『SOUP』の2曲は、SH4Fやそれを経てからの思いを織り交ぜた楽曲です。
「鯨工場」は、それまでの楽曲と違い、いずこねこから逸脱し始めたものとなっています。「鯨の歌声が夢を崩してく」「僕らの朝は次の唄で明けてゆくの。」、それらの歌詞は、サクライさんがいずこねこで描いた夢よりも、4人が大きな夢を叶えていることを表しています。サクライさんは、4人がいずこねこの世界観を超える存在、いずこねこの世界に留めておけなくなった存在と感じたのではないでしょうか。
また、もう1曲の「長い夜が明けて」からも同じようなことを感じます。「トトの拍手が止んで、夜が無い世界が始まってゆく」、サクライさんは、自身を古代エジプトのトト神に準えて、いずこねこの音楽的世界の終わりを歌詞にしています。それは、いずこねこを準えたMaison book girlの終わりも意味しています。(SH7Fでは、首だけの鳥が「トト達」と言っています。その場合は、サクライさんと4つの時期の◯◯さん、或いは、幼児語の魚を意味しており、ブクガファンを指しているのかもしれません。)
そして、「空の鯨から闇を造る合図の唄」で、サクライさんと4人が一緒になって、4人がより主導的に、ライブを行っている様子や、「救いの唄が響いてる」と、4人によってサクライさんの過去の心の傷が癒されている様子が描かれています。それは、◯◯さんとの関係改善も意味しています。
Maison book girlのはじまりの頃とは違ったサクライさんと4人の関係性が、Maison book girlという2人のユニットのあり方の見直しをサクライさんに強く意識させたように思うのです。その結果が、SH(404)の転生演出だったと考えています。(スクレイピングやBeautiful Soupのことは分かりません。)
▽公式サイト崩壊時の赤い糸
公式サイトが崩れていく過程で、矢川葵さんの顔が黒く塗りつぶされ、そこから赤い線が垂れていました。歌詞から読み解けば、「関係悪化後のサクライさんの楽曲を歌う映像の中の◯◯さん」です。それは、2014年8月31日の@JAM EXPO 2014の横浜アリーナでウェディングドレスのような衣装で行われた「いずこねこ」の最後のライブです。因みに2019.7.15以降のブクガの白いライブ衣装は、そのウェディング衣装を模したものです。
また、別の視点から解釈すれば、2020年11月3日に◯◯◯さんが挙式したことを表す赤い糸だったのかもしれません。◯◯◯さんの結婚が、音楽家サクライケンタの、アイドルであるいずこねこの、いずこねこを準えたMaison book girlの、音楽的世界の終焉を決定的にしたと捉えることもできます。
ただ、SH(404)の「blue light」の歌詞変更で、2020年5月時点(liéの「重力の虹」のYouTubeアップが5/24 「blue light」は11月の曲なので2019年11月の可能性もあり)で、今後の事を5人が話し合っていることから、後付け的な可能性が高いと思います。また、何かしら、5月の段階で、サクライさんが◯◯◯さんの結婚を知っていた可能性もあります。それでも、どちらであったにせよ、その結婚が、今回の結果に影響を与えてはいないと思います。なぜなら、遅くとも2018年にはMacBookからいずこねこ、つまり、Maison book girlの削除・整理が完了しています。それを始めたのは、2017年のようなのでTwitterの一部削除は、それを表しているのでしょう。そして、ある意味、いずこねこの10周年と終わりを告げた5月という節目が、あのSH(404)の結果だったのかもしれません。
後、あの公式サイトの演出で矢川さんを用いたのは、4つの夢(「jupiter girl」~「e.c.l.s」の4曲)の中で、1つの願い(バンドセットで演奏したかった1曲)が、「e.c.l.s」だったからでしょう。サクライさんは、歌割や髪型とアイドル志望の強さから、「e.c.l.s」の◯◯さんを矢川さんに重ねています。
それは、MVにも表れています。「rooms」の鍵を奪うシーンや「faithlessness」の操り人形などです。サクライさんにとって、アイドルとしてのいずこねこは、4人の中で「e.c.l.s」の◯◯の憑代であり、アイドルの象徴たる矢川葵だったのでしょう。それが、あの公式サイトの演出だったと思います。