キティちゃんのポップコーンの歌を舐めてはいけない(エッセイ)
「ハローキティ!焼きたてのポップコーンはいかが!」
この曲が記憶の奥底からこびりついて離れない人も多いと思う。休日に家族で出かけたショッピングモール、遊園地のゲームコーナーの奥、スーパー2階にあるムシキングの隣、この曲はエンドレスで流れていた。
ハローキティ(こういうタイトル)。この曲は多くの人が知ってるけれども、フルで聴いた事がある人は少ないと思う。「わんぱくいじわる怒りん坊も〜優しいキティと一緒なら〜つられて優しいなっちゃうよおぅ!」とポップコーンマシンでは、ここで切れてループするのでこの先を知らない人も多いと思う。
けど、この曲をフルで聞かない人生はあまりにも勿体無い。なぜなら…。
この間奏。どエロいサックスソロがあるんです。どういう事?
林原めぐみが可愛く歌っていた隙間を縫って、セクシーなサックスが優雅に舞う。突然何?カッコ良すぎるのだが?
しかもその後のギターソロも渋くてめちゃくちゃいい。何これ?林原めぐみってアメリカ南部出身とかだっけ?サビとかは甘いキャンディ!って感じだったのに、急にガンボとかジャンバラヤの香りがしてきたな…。
このグルーヴ、普通にめちゃくちゃ気持ちいいのでポップコーンの歌は必ずフルで聴くべきです。突然組み込まれるソロに笑っていいのやら興奮していいのか分からなくなる貴重な体験ができるので。
で、ついでに紹介するこれ。林原めぐみのハローキティの方がポップコーンマシンの暴力によって有名ですが、このバージョンが元祖です。ツイスト・アンド・シャウトが元々トップ・ノーツというグループが出した曲なのを誰も知らないのと同じような現象ですね。話逸れますが、トップ・ノーツ、日本語版wikipediaページすらなかったです。オリジナルツイスト・アンド・シャウトなのに。
オリジナルのハローキティを歌っていてるのは藤本房子さんという方。布亀の救急箱のCMで「みんなお母さんから産まれてきたの?」と歌ってる人、という説明が一番分かりやすいかもしれないですね。
で、このバージョン。カントリーミュージックです。こっちのギターソロもめちゃくちゃカッコいい。ロックバンドとかがカバーするならこっちのバージョンの方がやりやすそう。藤本さんのボーカルも綺麗で、あまりにも頭の悪い感想になってしまいますが、この人歌上手いなぁと思います。
にしても、白人の音楽カントリーミュージックから、ニューオリンズの風が吹くジャズっぽいアレンジに変わったのはなぜ?謎すぎる…。
ここまで来ると次のアレンジが気になりますね。アメリカの白人音楽→黒人音楽と来ているので、次はヒスパニックという事でラテン音楽アレンジなのか?はたまたアジア系移民をモチーフにしたk-popとかみたいなアレンジか?
…公式に選ばれたのは「Tik Tok」でしたね。これもまた時代か。
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