書き間違いについてのお詫び、その後の展開(エッセイ)
夏が始まる少し前、こんな記事を書いた。
https://note.com/dustpan58/n/n32345518f583
記事の内容としては、ヤノマミ族というアマゾンの奥地に住む部族を取材したドキュメンタリーおすすめする記事だ。ヤノマミ族は、我々とは全く違う死生観を持っており、生まれたての赤ん坊を生かすか殺すかを母親が決められる。ドキュメンタリー内では、赤ん坊を殺す事にした母親がその遺体を燃やす場面も映っており、かなり衝撃的だ。しかし、自分も全く異なる価値観を持つ人間とどう接していくのか、という問いを突きつけてくるこのドキュメンタリーは、今でもおすすめだ。是非見て欲しい。
…。
記事の中で、ヤノマミ族の事、ヤマノミ族って書いてたね。
恥ずかしい。恥ずかしすぎる。何が「一度自分の価値観を整理するために見ておきたい作品だ」なんだろう。おすすめするドキュメンタリーのメインとなる部族の名前間違ってる事、ある?穴があったら入りたいとはこの事だ。
さて、ここまでなら個人的に恥をかいたというだけの話。実はこのドキュメンタリー、学校の課題テーマだったのだ。このドキュメンタリーを見て、何々について書きなさいみたいな、よくあるやつ。夏休み前が期限で、提出して、気が付いたのは夏休み。今更どうこうできる状態ではない。
待て。まずい。非常にまずい。この流れだと、課題とヤマノミで通してる可能性がある。もうゼロだろ。ヤマノミの時点で評価ゼロだろ。しかもこの教科、必修である。この授業の単位を取得しなければ、留年である。嫌だよ。ヤマノミ留年は嫌だよ。「昔、毎回きちんと課題を出してたけど、ヤノマミ族をヤマノミ族と書いて留年した子がいてねえ。君たちは気をつけなさいよ。」とか言われるの、冗談じゃない。マジでキツい。親とかにも説明できない。「ヤノマミをヤマノミと書いてしまいまして…。」とか言えない。それで100万追加で貰えない。キツすぎる。
うだうだ言っていてもしょうがない。提出済みの課題レポートを確認する。結果は…。ヤマノミ族。実を言うと地球はもうダメです。突然こんな事言ってごめんね。
それからの夏休みは地獄だった。死刑囚の気持ちがよく分かった。不安が全身を包む恐怖。足先から始まった震えが、全身に伝染する。寒くもないのに、歯がカチカチと鳴ってしまう。眠れず、嫌な想像だけが頭を駆け巡る。
しかしそんな日々も終わりを告げた。成績発表の日が来たのだ。結果は、合格。教授の大いなる慈悲に救われたのだ。
ありがとう、M教授。あなたのおかげで今日も元気です。後期もよろしくお願いします。みんなは書き間違いには、注意しようね!
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