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きみが好きだよ

『妻』       大木 実


何ということなく
妻のかたわらに佇(た)つ
煮物をしている妻をみている
そのうしろ姿に 若かった日の姿が重なる
この妻が僕は好きだ
三十年いっしょに暮らしてきた妻
髪に白いものがみえる妻
口にだして言ったらおかしいだろうか

-きみが好きだよ

青年のように
青年の日のように

詩集『夜半の声』


肉じゃがを作っていたのだが、こんなことを言ってくれる人はいなかった、日曜日の午後。
まぁ、いいか🥸