本当に何も無い休日

2015年、正社員で働いていた冬、久々の休日。
iPodでキュウソネコカミを聴きながら「自分はなんで生きてるんだろうなぁ」と家の天井見ながら思った事を覚えている。

いま超能力戦士ドリアンを組んでいるやっさん・けつぷりさんと、バンド組んで真剣に活動しないかって話になったのは2014年辺りだった。
それぞれ色々あって、全員人生がうまくいっていない時期だった。誰かがそんな風に言った訳ではないけど、好きな奴らと好きな事して人生リスタート切ろうぜ、ってな感じだった。誘ってくれるなら頑張ろうかなと思っていた。

そんな折、仕事で転勤が決まった。愛知県行き。バンドマン生活が長くなってきた今では大阪⇄名古屋なんてむしろ近いじゃんって思ってしまうのだが、当時の自分からしたら絶望的な距離だった。
正社員だったから転勤にNOとも言えず、だからと言っていきなり仕事を辞めるほどの思い切りも当時の僕にはなかった。直接会っての打ち合わせも練習も出来ないのでバンドの活動開始を遅らせてもらい、転勤にぼくは出発した。

愛知県での暮らしぶりは本当に簡素だった。仕事して、ご飯食べて、寝る。ただそれだけ。知り合いは誰もいない。働く機械だった。
めちゃくちゃブラック企業だったので次の休みは4〜5日だったけど、逆に助かったまである。そのくらい仕事以外やることがなかった。

それでも週1日くらいは休みの日がある。春日井のイオンモールで日用品を買って、自炊する元気もないので惣菜を買い家に帰って食べる。あとは音楽聴くくらいしか本当にすることがなかった。

そんな本当に何も無い休日に、キュウソネコカミの『何も無い休日』を聴き、歌詞がグサグサ心に突き刺さりながら、それでもどこか救われた。
やりたい事も出来ず独り、生きてるのか死んでるのかすらあやふやな、この空虚で悲痛な心情を理解して、文章に書き起こして、メロディにのせて歌って、演奏してくれる存在がいるという事実。
曲最後の「明日から本気出せばいいや」の言葉にむりやり元気をもらってなんとか生きてるのような、そんな状況でした。


時間飛んで、2022年、おなじく冬。
学生時代にライブを見て、社会人時代にiPodから曲を聴いてた存在は事務所の先輩になり、東京の大きなライブハウスでツーマンライブしてきます。

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