しがらみ社会からの脱却の代償
私たちが若かった平成という時代は、昭和の「しがらみ」を否定して、そこから解放されること、自由に自分だけの人生を楽しむことが一番だという空気が社会を席巻した。
実際それは、行き過ぎた振り子を戻す正しい方向性でもあり、時代の流れでもあった。
でも一方で、
人間はいつまでも若くはなく、加齢していく
人間は生き物である
という、生物としての大前提がいつの間にか忘れ去られてしまった。
人は加齢すれば心身の自由度は下がるから、近しい人たちと助け合わないと生きていけないというのに。
「しがらみ」というものは煩わしいものでもあったけれど、人間として命を全うする上では、必要な部分もあった。
でもそれらを私たちは徹底的に放逐してきてしまった。
平成とは、自由で平和な時代だった。
だが同時に、ふわふわと思考停止していた30年だったのかもしれない、と最近しみじみと考えている。
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