自分の「基準=スタンダード」をつくる。日本中のフェスやイベントを巡るPOP UP整体師
「Explore Your Life.」を掲げるDUNLOP REFINED。
公式noteでは、人生を旅するように自らの道を拓き、闊歩する人物を紹介していく。
今回登場するのは、POP UP整体師のISE STANDARD。各地のイベントに呼ばれ続ける人気整体師の足跡を辿る。
全国を旅する異色の整体師
ショートパンツにTシャツ、キャップ、サングラス……白衣を着た従来の整体師像とは一線を画すカジュアルでラフな出で立ち。施術用のマッサージベッドを入れたバックを担ぎ、日本各地の音楽フェスやアウトドアイベントなどでマッサージのPOP UPを行っているのがISE STANDARD(以下、ISE氏)だ。
普段は大阪市内の整骨院に勤めているが、週末はPOP UPの予定で埋まり、現地の人と深夜まで杯を交わす。しかし、そんな多忙な日々も苦にしない。
「『毎週あちこち行ってしんどいでしょ』って言われるけれど、僕、移動するのが好きなんで。イベント後は、そこにいる人と飲みに行くこともしばしば。その場、そのメンバーで集まることって、一生に一度かもしれない。だから、『その日しかない夜』を楽しみたくて、どんどん夜が深くなっていく。そして、朝は知らない土地を味わいたくて、頑張って早起きして走ることもよくあります」
そのエネルギーと人柄に惹かれ、全国にファンも多い。
歩む道を導く、バスケと音楽
まずは、そんなISE氏の足跡を辿る。
「人生で大きかったのは中学生になってバスケを始めたこと。思春期の頃って自分の『好きなものを好き』って言うのって抵抗あるじゃないですか。でも、バスケに関しては『俺はこのスポーツを大好きだ、愛している』と言えるほどハマったんです」
もうひとつ、バスケと同時期にのめり込んだのが音楽だった。
「当時、90年代を代表するパンクバンドHi-STANDARDを聴いて、かなりガツンと来て。バスケの試合前や学校の帰り道でCDウォークマンで曲を聴きながら毎日を過ごしていましたね」
バスケと音楽は、その後ISE氏が選んでいく道にも影響を与えていく。
「工業高校を出て就職を考えるときも、いかにバスケができて、音楽ライブに行ける職場に就けるかを考えていました。そして、地元の三重県から大阪に出て、大手電機メーカーに就職。残業がほとんどないエレベーターやエスカレーターの点検員として働きました。
僕が大阪に出てきた頃は、まだインターネットも発達していなくて、スマホもSNSもなかった時代。当時住んでいた駅に自転車で出かけていって、駅前に溜まっている同世代の若者に声をかけて『この辺でバスケやっている人知りませんか?』と聞いて回っていましたね。
『大学のサークルなら知ってますよ』とか言われたら、紹介してもらって、教えてもらった携帯番号に電話をかける、みたいな。そんな感じで次々と大学のサークルや地域のクラブチームに参加するようになりました」
日中は点検員として勤務し、終業後にバスケ、週末は好きなアーティストやバンドの音楽ライブ。数年間そんな日々を過ごす中で、ふと人生を見つめ直すように。
「いつかは三重県の田舎に帰りたいという気持ちがあって。そう考えると、当時の電機メーカーでは難しいなと。あと、自分がやることの意味や価値をもっと実感できる仕事に就きたいとも思うようになってきたんです。
そのときに、整体師の先輩から『お前、この仕事めっちゃ合っていると思うで』って言われて。実際、バスケでケガをして、病院や整骨院に通うようになったときも、なんでケガしたのか、どうしたら良くなるのか、といったことをずっと学生時代から本で調べたり、学んだりしていたんですよね」
そして、会社員を辞めて、専門学校に入学。その後、柔道整復師の資格を取得して、整体師の道に足を踏み入れた。
「ちょうど同時期にバスケットボールのフリースタイルチーム『大阪籠球会』も結成していて。そうした活動もあるから、就職先も融通が利くところを選んでいきました。実際、今勤めている整骨院も、かなり自由に活動させてくれる。
僕がPOP UPを始めるようになってからは、地方で知り合った人が大阪に遊びに来たときに整骨院に寄ってくれることも多くて。シフトから抜けている時間もあるけれど、その分人を呼んでくる営業マンのようなかたちで、いい関係性を築けていると思います」
自分の「基準=スタンダード」を見つけられるように
2020年の10月10日、POP UPのマッサージ屋「ISE STANDARD」を開業。その屋号に込めた思いをISE氏は語る。
「大好きなHi-STANDARDからインスパイアされていることがひとつ。そして、もうひとつは、その人なりのいい『基準=スタンダード』を見つけるきっかけになりたいという思いがあって。人それぞれ、身体も、年齢も、習慣も違う。だから『これさえやっておけばOK』なんてものは存在しない。その人なりの健康の『基準』を大切にしてもらいたいと思っているんです」
「たとえば、毎晩めちゃくちゃお酒を飲んで、ジャンキーなものをガンガン食べてしまう人には、『しばらく整体には来んでいいから、まずは1週間だけお酒を抜いて、質素な食事をして、しっかり風呂に浸かって寝てみてほしい』と伝える。そうしたら、少しは身体もマシになるじゃないですか。そうやって、その人の『基準』に寄り添って、よりよいスタンダードをつくるきっかけになれたらと考えているんです」
今や全国各地の人気フェスやイベントに引っ張りだことなっているISE氏。その活動は、コロナ禍という逆境の中で加速した。
「ISE STANDARDの立ち上げ前後は、まだ日本各地で自粛ムードが残っていた時期。『まだコロナ禍だから』と、リスクを考えてイベントを取りやめにする判断はもちろん尊重されるべきだけれど、その中でも『どうしてもやりたい』という熱量を持って、最大限リスクに配慮した上でなんとか実現しようと動いていた人たちがいました。そうした人たちのイベントに呼んでもらってPOP UPを開催していったんです。
すると、結果的にバイブスが合う人たちとつながるんですよね。『やりたい』で留まるんじゃなくて『やる』みたいな人たち。そうした熱量って機を逃すと絶対に冷めてしまうから、誘われたら僕もすぐに『やる』と応える。そうしたつながりが広がっていって、コロナ後もイベントに呼んでもらうようになりました」
「やりたい」ではなくて「やる」。結果はどうなるかわからないけれど動く……そんな熱を共有できる人たちの場が、ISE氏のフィールドになる。
「最近、僕の大好きなHi-STANDARDの横山健さんが、SNSで『今日、アメ村でライブやります。チケットはライブハウスで販売します』って当日に告知していたんです。つまり、そこにわざわざそこに行く人しかチケットを買えない、ライブを見られない。すると集まった人らは、フェスで流すような有名な曲じゃなくて、マイナーな曲をがんがんリクエストする。そして、横山健さんも、それに応えていく。めちゃくちゃ純度が高くて、熱を帯びた場が生まれていたんですよね。健さんも『今年で一番楽しい!』って言っていました。
「それに僕も感化されて、3日後に京都の鴨川でマッサージベッドを持って行って、ゲリラでマッサージしました。誰が来るかもわからないし、もっと有意義な休日の使い方もできたはず。でも、あのヒリヒリ感がたまらない。自分の中に熱が生まれたら、すぐにアクションしたいんです」
整体の“王道”ではなく、誰も踏んだことのない道を歩む
整体の業界では、自分の店を開業して会員を増やす、そしてゆくゆくはスタッフを雇いオーナーとなる……そうしたキャリアが、ある意味“王道”だろう。しかし、ISE氏は、そうした道を選ばない。
「僕は、どこまでいってもプレイヤーでいたい。イベントやフェスに整体師を派遣するようなビジネスもつくろうと思えばつくれるかもしれない。でも、僕がそこに行きたいから行くし、会いたいから会うし、やりたいからやっている。僕らのような職種が関わったことのないジャンルのイベントや、整体師が誰もやったことのないような場所で、POP UPができたらいいですね。たとえば、海外でPOP UPをやりたいという思いもあります」
実際に、現在イタリアでのPOP UPの打診も来ているという。海外進出という思いも漠然とした「やりたい」ではなく現実的な「やる」へと手繰り寄せている。
最後に、ISE氏にシューズのこだわり、そしてDUNLOP REFINEDのアイテムについて語ってもらった。
「好きなシューズは、アウトドア系の山道でもタフに歩けるようなスニーカー。その中でも、相手との関係性からシューズを紹介してもらえることが多いんですよね。POP UPで仲良くなった人がシューズショップのスタッフさんだったり、アウトドアブランドの本社の人だったりして。その後、展示会に呼んでもらって『これよかったら履いてください』と言ってもらって『いいんですか!』みたいなこともよくあります」
「僕は足のサイズが29cmなので、なかなかちょうどいいサイズを見つけるのに苦労することもあるんですけど、DUNLOP REFINEDのDA7008はサイズ展開も幅広くて助かります」
そこに熱はあるか。そんな「基準=スタンダード」を、ISE氏自身も大切に抱きながら、己の道を踏みしめているのだろう。
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(Profile)
ISE STANDARD
整体師
柔道整復師として整骨院に勤務しながら様々な場所やイベントでのケアで全国を飛び回る。身体と心の【健康】をテーマに活動
SNS:https://www.instagram.com/ise_standard?igsh=Nm41ZmJpZXBqcnA4
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