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プロセカ映画雑記:それは一つの夢だった

プロセカ映画ネタバレ解禁ということで、感想を書きます☺️

歌声合成ソフトとしてこの世に生まれたバーチャルシンガー・初音ミクの物語は、数多の楽曲と電子の実体を得て、2012年の大感謝祭ライブで一つの結末を迎えました。その魂をいかに伝承していくか、が次のテーマになったと思っています。

2020年にサービスを開始したゲーム「プロジェクトセカイ」、通称「プロセカ」は、それを体現するものの一つなのですが、今回の映画はその4年あまりの軌跡をぎゅっと凝縮したもので、今までプロセカに触れてこなかった人にはその空気感を知るのによいきっかけとなるのでは?と思います。観てもらえばわかりますが、プロセカの登場キャラクターたち、みんな試行錯誤しながら夢に向かって頑張ってるんですよ!

プロセカをプレイする子どもや大人は、彼らの姿を見て自分の振る舞いを思いついたり考え直したりします。それはニコニコ動画やYouTubeで活動している人たちの姿を、誰でもわかるように寓話化したのがプロセカのストーリーであるからでした。しかし、彼らが成功の道へと進んでいくに従って、取り残される人々もまた現れることになります。今回の映画ではそこにスポットを当てるもので、バツミクちゃん…「閉ざされた窓のセカイの初音ミク」は取り残された人々の世界を司る存在として、奮闘することになるのでした。

制作スタッフの方も苦労して構成のバランスをとったと思うのですが、我々ミク廃は初音ミクが名曲の数々を楽しげに(時には悲しげに)歌っている姿を見たくていろいろなイベントに参加しています。ミクさんが歌って踊って「大好きだよ」と言うのを聞き、仲間たちと喜びを分かち合うのを人生の最後の楽園と信じている人たち、その人を満足させることができればこの映画は100点なのです。その意味で、はじめての初音ミクの映画であった今作は、私にとって喜ばしいものでした。

一方で、プロセカをプレイしている人ならわかる小ネタもあちこちに仕込まれており、ニーゴ推しの私はずっとニヤニヤ笑いが止まりませんでした。あと私が特に感動したのはLeo/needのメンバーの描写の細かさです。教室のセカイに現れて楽器をセットアップする姿、皆がタイミングを合わせて音楽を奏ではじめる姿、フェンスから夕日を眺めて誓い合う姿…ライブはモモジャンがすごいと思っていますが映画はレオニですね。路上でギターを披露する一歌ちゃんも素敵でした。

もし、プロセカも初音ミクも知らない人がこの映画を見たら、登場人物はやたら多いし、初音ミクが何人も出てくるし、いきなり出てきた無名の人たちが苦しんだり悩んだりして、セカイに変なウネウネニョロニョロが攻め込んできてわけがわからない。歌は良いしライブシーンに力が入っているように見えるけれども、これじゃ映画の体をなしていないのでは…と思ったとしても仕方がないと思います。

でも、この映画は素晴らしい曲を何十曲も奏で、最後はミクさんが気持ちよさそうに高らかに「ハローセカイ」を歌っている。そんな姿が日本中の映画館で繰り広げられている光景を、私はずっと前から夢見ていたのでした。
だから私はその戸惑う人達に、帰ったら初音ミクの歌を聞いてみてください、と伝えたいです。

初音ミクはそのために生まれてきたんですからね!

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