いい匂い、新しい感覚との遭遇。ガンガーに浮かぶマリーゴールド。
世界は匂いに満ちていて、
インドのバスや電車はこれまた独特の匂いが漂っている。
旅の移動は主に長距離バスで移動するのですが、
最近では窓の開かない空調車両が多く密閉性も抜群!
こうなったらそれが芳しい匂いでも、
芳しからず匂いでも堪能するしかない。
こんな場面で人間の身体の構造に感謝。
人はそれしきの匂いでは死なない。
匂いとはその土地の生活スタイルや食文化から身体に染みつくもの。
環境によって淘汰され嗜好されるようになった香料。
たとえそれが臭いと感じても匂いを嗅ぐことは旅の醍醐味、
・・と思うようにしていた。
一生懸命日々を送っている生活の匂い、
そこで彼らと同じものを食べ続けているうちに同じ匂いが身体に染みついていく。
異文化体験が刺激的で楽しいのは、
その土地その季節の独特の匂いがあってこそのものなのではないだろうかと思う。
インド、バラナシでも人の匂い、生活の匂いは独特で、
ネパールから国境を跨ぎインドに来てスパイス料理にうんざりし、
一度は身体が受け付けなくなった後、
いつのまにかまたスパイスが恋しくなり、
そしてスパイスの匂いが身体に染みついて来たと感じたとき、
ようやくここはインドなのだと実感した。
「今、自分は旅をしている」という感覚は、
時に熱く、時に薄く、
そのコントラストやグラデーションが面白味のひとつであると思う。