監視オペレータという仕事について
こんにちは。
今回は、未経験から監視オペレータに転職した私の経験からサーバ監視オペレータの仕事の難しさについて記事にします。
そもそも監視オペレータとはなんぞやと思う人もいると思います。ざっくり説明すると監視しているサーバの状態を監視して異常があれば、システムの担当者やSEにエスカレーション(報告)を行う仕事です。
仕事内容として、大きく分けると定例(毎日、週次、月次)作業、依頼作業、アラート検知対応の3つとなります。
3つの仕事いずれも特別なITの知識や技術が必要という職業ではないですし、平常時であれば特に仕事自体も難しいということはありません。IT未経験から転職するには、やりやすい仕事だとは思います。
ただ、きつい面もありますから、万人に向いている職業とは言いづらいです。その点について記事にしていきます。
IT未経験でITに興味はあるがどんな仕事がいいか悩んでいる人は、この記事を参考にしていただければと思います。
監視オペレータの大変なところ
3交替勤務なので時間が不規則(夜勤もあり)
監視オペレータは事業所にもよりますが、基本的には3交代制の勤務体制をとっています。
当然、勤務時間は不規則になります。しかも夜勤であれば1週間夜勤という勤務体制ではなく、シフトで日勤と準夜勤、夜勤が入れ替わります。
1週間のシフト例を取り上げます。と1直(夜勤)2直(日勤)3直(準夜勤)で見ると、以下のようになります。
月 火 水 木 金 土 日
2 2 休 1 1 休 3
この勤務体制が曲者で、例でいうと火の2勤で18:00勤務終了後、水の24:00には出勤します(木の1 勤)から、勤務表上は休みといっても水は休みというかは微妙なところです。
ただ、金は9:00過ぎには仕事が終わりますから、普段の人が働いている時間にゆっくりと休むことができますし、金と土はほぼ休みのような雰囲気です。
日曜日も夕方前の出勤ですから、日曜日も比較的ゆっくりできます。
体が慣れるまで、勤務時間帯の不規則なところが辛いところです。体内リズムも崩れます。不規則な生活を強いられるのは無理という人は厳しいです。
休みの感覚も特殊ですから慣れることも大切です。
障害発生時の説明能力が求められる
監視オペレータは3つの大きな仕事があると書きましたが、その中でも最も大変なことは障害対応時の対応です。
監視オペレータが、手順で対応する障害は本当に簡単なコマンドを打つメッセージくらいです。それ以外の障害については、監視オペレータが、SEやシステム担当者などに障害の内容を伝える必要があります(深夜帯でも担当者に連絡しないといけません)。
この障害を伝えることがなかなか慣れていないときついです。相手は、監視端末のメッセージも見えていない状況ですから、一字一句正確に伝える必要があります。
英語のQと数字の9、英語のO(オー)と数字の0(ゼロ)など紛らわしい文言がありますから、落ち着いて伝える必要があります。メールではなく電話で伝えることが多くなりますから、後々余計なトラブルに発展しないためにも非常に気を遣うところが辛いところではあります。
休憩中も障害発生時には呼び戻しされる
障害発生時の辛いところは他にもあります。1人でオペレーション作業を担当している(1オペ)ときは、監視端末を別の部署の方に見てもらうことになります。
1オペ業務休憩時に障害メッセージを監視端末が検知したときには、休憩から強制的に戻されることとなります。
結果的に休憩が取れないということもあります。特に平日のシステムの稼働日は障害メッセージを検知することも多いので、戻されることが多いです。
なかなか、休憩時も気を落ち着かせることができないことがなんとも辛いところです。
作業手順ミスはオペミス扱いで精神的ダメージあり
監視オペレータは、ITの知識がなくてもオペレータ手順書が用意されているので、それに忠実に従っていれば作業はできます。
とはいえ、手順書が万人にもわかるような内容になっているかというと決してそうでもなくわかりづらい表現や分岐もあります。
わからないことがあるとSEや上司に打ち上げる必要が出ます。しかし、打ち上げて状況を説明しても「なんでそんなこともわからないの?」と言われてしまうこともあります。
ただ、個人で大丈夫だろうと判断して間違いを犯してしまうとオペレーションミス(オペミス)となってしまいます。
オペミスは各部署ごとに日数単位でカウントされているので、自分がオペミスを起こしてしまうと今までチームが積み上げてきた実績が一気に0に戻ってしまいます。
オペミスを起こしてしまった時の気分は、リレーなどのチーム競技で自分の失格でチーム全体が失格になってしまったような気分です。
しかも、ミスの再発防止のためにオペミスを起こしてしまった時の時系列の聞き取りをされて、なぜなぜ分析を作成しないといけません。
当然、精神的にもかなりきついものになります。とはいえ、入社してから退社するまでミス0というのは、無理です。仕事をしていれば、何かしらはあります。
ミスしても冷静に対応して再発させない対応力もオペレータに求められる能力といっていいでしょう。
監視オペレータのメリット
ここまでオペレータ業務の辛いところを記事にしましたが、もちろんメリットもあります。
3交代制なので残業が少ない
監視オペレータは3交代ですから、残業は比較的少ないです。仮に残作業があっても、次の直帯担当者に引き継いでお願いすることができます。
もちろん業務逼迫時やトラブル対応が長引いた時には、残業になることはあります。ただ、よほど大きな障害でなければ1時間程度の残業で済むことが多いです。
残業になることはほとんどなく勤務時間以外のプライベートの時間も十分にあると言っていいでしょう。
3交代勤務に体を慣れさせることができれば、ワークライフバランスという意味ではいい仕事だと思います。
もちろん、会社によっては残業が多いということもあると思いますが、そもそも3交代制で残業が多いというのは労務管理、人員管理ができていないことの裏返しですから、避けた方がいいでしょう。
私が以前していた食品関係の仕事は定時なんてあってないようなものでした。
残業の多さは日本の多いな課題の一つですから、いまだに残業が多い業種も多いと思います。そんな中で残業が少ないというのはそれだけでメリットになるでしょう。
休日日数が多い
勤務体制が不規則な分だけ全体的に休日は多いです。※シフト制ですから人員不足の状態では楽にシフトを組むことができずに全体的に休日は少なくなりますが、それでも月に10日は休日が組めています。
シフト制だと人員がいないからマネージャーが休日返上で出勤しなければいけないという印象を持たれている方も多いかもしれません。実際、私自身も経験しました(タイムカード上は休日。上司も見てみぬふり)。
今は、月12日程度の休日は確保できています。日本の平均的な休日は大型連休を除くと月8~10日くらいでしょうか。
なかなか休暇が取得しづらいという企業が多い中で休日は多いというのは、メリットでしょう。
夜勤帯は精神的には楽(身体的にはきついが)
3交代制の夜勤勤務にもメリットはあります。
日中勤務時間帯は、電話連絡や問い合わせ、依頼作業を受けることが多くなかなか作業が進みません。しかも電話連絡が多いと精神的に疲れます。
障害メッセージを県tにすることも多く、休憩時間を確保することも平日稼働時間帯の日中は難しいです。
一方で、夜勤勤務はシステムの稼働時間外ですから、大きな障害発生時以外は連絡するということもありません。自分のペースで仕事を進めやすいのが夜勤勤務のメリットと言えるでしょう。
比較的作業の負担も少ないですし、気分的には楽だと思います。
ただ、夜勤の生活リズムを整えるのは非常に難しいです。サーカディアンリズムを無視して生活することになりますから、生活リズムを夜勤に合わせことが勤務を長く続けるコツと言えるでしょう。
最後に
以上、IT未経験者が転職して監視オペレータで1年以上勤務する中で感じたことについて記事にしました。
IT未経験から始めるにはいい職種だと思います。ただ、手順を正しくこなす能力や状況を端的に正しく説明する能力は求められます(どの仕事でも必要な能力ですが)。他にもセキュリティ意識は強く求められます。入館証の紛失は論外ですし、パスワード管理やセ個人情報保護の意識は強く求められます。メール宛先を間違えた、BCCに本来入れる人を間違えてCCに入れて誤送信してしまうことも個人情報漏洩のリスクにつながりますし、オペミスとして扱われます。
メリットとデメリットを比較してチャレンジするか決めてみるといいと思います。
最後に業務をこなす上で必須ではありませんが、必要な知識としてIT用語はおさえておいた方がいいでしょう。
トランザクション(Transaction)、プロシージャー(Procedure)、スプール(Spool)、バッファ(Buffer)など独特の用語が業務でも出てくるので、最低限抑えて置く必要があります。
覚えておかなくても作業自体は手順書に従えばできますが、覚えておくことに越したことはないです。
資格としては、ITパスポートで合格できるだけの知識があれば、業務をこなす上での前提知識は十分だと思います。
ITパスポートは独学だけでも合格するだけなら十分できますから、チャレンジしてみるのもいいと思います。私は、参考書+過去問道場の過去問を解いて合格しました(60%台のギリギリの点数でしたが😅)。下記の参考書は非常にわかりやすく書かれているのでおすすめです。
記事は以上になります。
未経験からITの職種に就きたいと考えている人に少しでもこの記事が参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。