朗読劇 明日のナージャ観劇旅行
明日のナージャの朗読劇開催が決まり、チケットを申し込み、新幹線も申し込み、仕事を辞め、私は旅に出た。
旅は日帰りだし、仕事は退職届を書いたけれど2週間後には別の業務のための研修が始まる。
10月1日日曜日、前日はなかなか寝付けず、夜遅くに寝たのに、ニチアサ前に目を覚ましてしまった。キングオージャーを見た。11:50発の新幹線で東京へ向かう。
夜は涼しく短い秋に突入した地元と違い、東京は暑い。東京アチアチシティに改名をした方がいいのでは……と思いながら街を歩く。
東京の街を歩いていて聞こえてくる言葉はほとんどforeign languageだ。
朗読劇の会場、浜離宮朝日ホールは東京駅から歩いていけない距離ではないな……と謎のチャレンジ精神をみせてしまい、迷子になりながら徒歩で向かった。ナビが示す道が微妙な道で、銀座とか築地本願寺とか通り過ぎたのになかなかそれっぽい風景が見れなかった。また、履いていた靴が長距離移動に向いておらず、見事両足靴擦れを作った。
朝日新聞東京本社と同じ敷地内にある(?)浜離宮朝日ホール。学生時代は大会の主催が朝日新聞だったので、ここか本社なのか……と思いつつ16時開演の1時間ほど前に会場に着く。
すごい、明日のナージャの朗読劇の会場だ……!
見に来ているお客さんは、明日のナージャが好きなんだろうなと服装やアイテムから伝わってくるのが良かった。
ロビーや会場では明日のナージャの劇伴がかかり、奥慶一氏の手がけた美しく感情を揺れ動かす音楽を聴くことすら嬉しい。
そしていよいよ開演。
アニメ最終話のナージャのセリフから、3年後、ナージャが母親と一緒に暮らし始め、またダンデライオン一座に戻る。
なんと言っても筆舌したいのが、16歳のナージャを演じる小清水亜美さんの演技が、アニメのナージャの声そのものなのだ……。
2003年、16歳でナージャ役で声優デビューをした小清水さんは、今までの間に様々な役を演じてこられたのだけれど、20年経った今もナージャの声を出せるのがすごい、すごい、何もかもがナージャだ。
朗読劇なので、アニメーションの映像はない。あるのは簡単な背景と、照明、アニメと同じ劇伴なのだが、キャストの動きや表情、目線も演技で、キャラクターなのが素晴らしかった。
小清水亜美さんは、ハキハキとして瑞々しい16歳のナージャそのものだった。
斎賀みつきさんも、優しいフランシスそのもので、この声でこのセリフ言われてときめかない方が無理だと思う。斎賀さんのフランシスはキラキラしている。ナージャのことを運命の女性だと言っていた。ハワワ。
そしてキースの斎賀さん、声のトーンでこれはキースだ!!とすぐ分かる演技。たまらない。
キースとナージャのやりとりも見ていて可愛らしい。ナージャのことを運命の女性だと言っていた。ハワワ。
そして言及したいのが、ナージャの回想で登場するアップルフィールド孤児院の院長先生を斎賀さんが演じていたこと。ワッ!斎賀さんのお年を召した女性の演技!レア!すごく良かった。さわやかな王子様と、クールなヒーローと、包容力のある女性、斎賀さんの演技を生で堪能できて最高の時間だった。
一条和矢さん、ダンデライオン一座の団長・ゲオルグそのもの。あの元気のみなぎる声、声からして大黒柱。トークパートでは、落ち着いたダンディーな声だったので、ギャップが良かった。劇中では、アニメで鈴村健一さんが演じたレオナルドを、トークパートでは演じてみたいと自ら名乗り出て、アニメで山本耕史さんが演じたラファエルを一条さんが演じていた。珍しい演技を見れて楽しかった。
宍戸留美さん、おジャ魔女どれみのおんぷちゃん、プリティーリズムレインボーライブの天羽ジュネさま、はなかっぱのももかっぱちゃん、、いつも甘く可愛らしい声の宍戸さんが目の前にいた。4列目の左側端の方の席だったので舞台下手側の宍戸さんがとても近かったし、よく見えた。登場時にすごく柔らかく微笑んでいて好きだなあと思った。
16歳のナージャにおこった事件の裏で糸を引いていたのがローズマリーなのだが、直接ナージャと関わることはなく、朗読劇オリジナルの展開で3年後、19歳のナージャとローズマリーが出会うシーンがすごく良かった。
プリンセスに憧れていたローズマリーは、プレミンジャー公爵家のナージャに成りすまし、作中ナージャを苦しめたのだが、結局貴族のしがらみなんて関係ない、王子様も必要ない新しい時代のプリンセスになるといって、19歳の時点ではアメリカで化粧品の会社を経営していた。ナージャもまた、貴族の世界だけで生きるのではなく、パリで劇場を持ち、バラバラになったアップルフィールド孤児院のみんなとまた暮らしたいという夢のために行動していて、ローズマリーが目指すプリンセス像と同じだった。ローズマリーはナージャのこともプリンセスナージャと呼び、2人は別れる。ナージャのことを運命の相手と呼んでいた。ハワワワワ。最高すぎて手でハートを作るところだった。🫶
孤児院時代はローズマリーがプリンセスで、ナージャが騎士、孤児院を出てからはローズマリーがメイドで、ナージャがプリンセス、そしてローズマリーがナージャで、ナージャがローズマリーになり、19歳でお互いがプリンセスローズマリーとプリンセスナージャになったこと、20年経って2人の関係をこうして知れて、明日のナージャを好きで良かったな、、と心から思った。
朗読劇オリジナルキャラクターを演じた高橋広樹さん。一部サイトには詐欺師役と書かれ、ネタバレをしていたのだけれど、思わず信じてしまいそうになる、物腰の柔らかい紳士を演じて、見事ナージャたちを騙していた。
斎賀さんが双子を演じた時の話で、自分のキャラクターが分身した時の話で話題を共有していて高橋さんならではだなと思った。
トークパートではMCとして和気藹々と回されていて、20年前から明日のナージャに出演していたような空気だった。
トークパートは本当に和やかで、千秋楽の部では好きなシーンやキャラクターのお話だった。
宍戸さんが、ローズマリーの悪行ごと愛していてすごく良かった。ナージャのドレスを破くところで、ハサミを使って破いていた気がしたけれど、見返したら手だった、繊維に沿って破いていたという宍戸さんの気づきが良かった。
小清水さんはクリスチャン(イギリスとエジプトで出会う青年)に言及していて、結婚するならクリスチャンみたいな人がいいとお話ししていたのも良かった。
朗読劇が終わった後の音楽が、折笠冨美子さん演じるシルヴィーの歌でとても良かった。シルヴィーは劇中も一座から離れていると描写されていて少し寂しかったので。また、パンフレットを見ると、関弘美プロデューサーの話では、シルヴィーはその後一座に戻ってくるとのことだったので、明日のナージャのお話はこうして続いているんだ……と実感できて嬉しかった。明日のナージャは大河ドラマとのことなので、やっぱりどんな形になっても続きの物語を見届けたいし、それが声優の皆さんが演じてくれるのならこの上ない幸せだ。
明日のナージャを好きになって、私は多分9年くらい。その後グッズが発売されたり、Blu-rayが出たり、その都度嬉しい気持ちになったけれど、20周年を記念したイベントが開催されて本当に嬉しい。明日のナージャを好きで良かった。これからも好きだなと思う。
会場の浜離宮朝日ホールまでの道のり。
16歳のナージャに出会えて本当に嬉しかった。
帰りの新幹線に乗り、外の空気がだんだん冷たくなってくる。
駅のホームの涼しい空気で、戻ってきたなと嬉しくなる。楽しい旅でした。
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