[ポアロBBS][しょぺしんぼ][不採用]第67話
しょぺしんぼ 第67話
『恥ずかしい料理』
なんだかんだで他人に言えない恥ずかしい料理を披露しあうことになったネントロンチャ新聞社の面々。
YMO(よーし!もっと!おしゃんぴーに!!)社主もまねいての大試食会が行われることとなった。
ピルピルをルピルピしただけのもの。
ポッポソーのルッポッチー。
アキャンフーのペホライス。
ヌンチの皮。
焼きヌンチ。
ヌンチぶつけるゴリラ。
静脈に注射するヌンチ。
などといった恥ずかしい料理が披露された。
「よし、じゃあ次は俺の番だな」
ポポ岡ヌーペチ郎がそういってフスマを開けると、
「ふはははは!!ワシもまーぜて!!」
美チャボ倶楽部の主宰で、ポポ岡の実の父でもあるショショ原ボッチョモが、巨大なオオサンショウウオに両足をのまれた状態でやってきた。
ポポ岡が叫ぶ。
「今回貴様の出番は無いはずだぞ!!」
「確かにぃ、今回のお話、原作では、ワシの出番はありませんでしたが、ワシの声を当ててくれていた大塚周夫さん追悼の意味を込めまして、急きょ出演をさせていただくことになりましたぁ」
ハンカチで目頭を押さえながら語るボッチョモ。
ヘソのところまでオオサンショウウオにのまれている。
「大塚周夫さんがあてていたのは海原雄山であって、貴様じゃないぞ!!」
「だまれ!お前も井上和彦声だったら嬉しいだろう!!」
だまらせた。
「はい、というわけでね、今回ヌーペチ郎君の恥ずかしい料理をもってきましたぁ」
そしてでてきたのは、黄色いほかほかのタマヌヌキだった。
「これは、ただのタマヌヌキのようだが…、これのどこが恥ずかしいんだ?」
「ふふふ、まずはこれを聴いていただこう。
そうすればおのずと、この料理の恥ずかしさがわかるだろう」
ボッチョモがふところから原稿用紙を取り出し、読み上げ始めた。
『大好きなお父さんと作ったタマヌヌキ
犬年泥組 ポポ岡ヌーペチ郎
今日僕は初めて料理を作ることになりました。
大好きなお父さんが手伝ってくれると言ってくれたのでとてもうれしかったです。
大好きなお父さんといっしょに僕の大好きなタマヌヌキを作ることにしました。
大好きなお父さんは……』
「こ、これはッ…!?」
「作文!?ポポ岡の小学生の時の作文か!?」
文化部の面々が声をあげる。
ボッチョモがニヤリと笑ってこたえた。
胸までオオサンショウウオにのまれている。
「そう、その通り。ヌーペチ郎君が、大好きなお父さんこと、このワシと!初めて料理をしたときの作文だ!!」
「こ、これは恥ずかしい!!」
「いま仲が悪ければ悪いほど恥ずかしさが増すぞ!!」
ボッチョモが言い放った。
「さあ、ヌーペチ郎!!パパとの甘酸っぱい思い出にひたりながら、思い出のタマヌヌキを食べて存分に恥ずかしがるがいい!!」
肩までオオサンショウウオにのまれている。
しかし、ポポ岡は冷静だった。
「ちがう。そんなことしたことない」
「え?」
「俺はボッチョモと料理をしたことなんて一度もない。
それはボッチョモがねつ造した作文だ」
驚く一同。
それにボッチョモは悠然とこたえた。
「ふふふ、よくぞ見破った」あっさり認めた。
「だがワシの心の中のヌーちゃんはお父さん思いのとってもいい子なんだ!
だから現実を、ワシの妄想にあわせただけだ。それに何の問題がある!!」
逆切れだ。完璧にダメな逆切れだ。とうとうヌーちゃんよばわりだ。
口の下までオオサンショウウオにのまれている。
あまりのダメっぷりに、それが恥ずかしくなるポポ岡。
「現実から目をそむけやがって…。
ええい、ここに来たからには貴様にとっての恥ずかしい料理を出してもらうぞ!!」
そういってボッチョモを指さそうとしたが、そこにボッチョモはいなかった。ボッチョモは完全にオオサンショウウオにのまれていた。
オオサンショウウオは大きなゲップを一つすると、のたのたと巣へと帰っていくのだった。
ふ し ぎ !
以上、本文ここまで。
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