[ポアロBBS][しょぺしんぼ]第23話

「しょぺしんぼ」
第23話「スタミナ料理」
 
「ポポ岡君、バボちゃん君、ちょっと相談があるんだが…」
部長のパッッッッション!!がポポ岡ヌーペチ郎とバボちゃん・プープープー・ソレ!・プープープーを呼んだ。
パッッッッション!!部長の弟のミッッッッチョン!!が最近元気がなく、食事ものどを通らない状態なのだという。
パッッッッション!!部長が言う。
「そこでフォッチコ☆フォー!!のメニュー作りを担当している二人ならば、なにか弟に食欲をわかせるような料理を作れるんじゃないかと思ってね」
「まあ、大変ですね。ねえポポ岡さん、やりましょう」
「めんどくさいけど、部長に頭を下げられちゃしょうがないか…」
そしてポポ岡は明日、行きつけの小料理屋ミショ星に、弟を連れてくるよう部長に告げた。
 
翌日。ミショ星にポポ岡、バボちゃん、パッッッッション!!部長、弟のミッッッッチョン!!、謎のカポカポ男爵らが集まった。
「みんな集まったな、それじゃあ始めよう。今日は食欲を刺激するようなRAZZ MA TAZZ料理を御馳走しよう」
ポポ岡そういってミショ星に目くばせをした。
ミショ星が小皿を出しながら言う。
「まずはシンプルにRAZZ MA TAZZの塩焼きです」
「わあ、いい香り~」
バボちゃんが美味しそうにRAZZ MA TAZZを口に運ぶ。
「続いてはRAZZ MA TAZZとアルフィーの肝のあえ物です」
「ほほお、RAZZ MA TAZZのなかにピリリとアルフィーがきいていて、おもしろい味だね」
パッッッッション!!部長が感嘆の声を上がる。
「RAZZ MA TAZZ・キミワコズです。そのままかぶりついてください」
「まあ、口いっぱいにRAZZ MA TAZZが広がっていくわ!!」
「いかにもRAZZ MA TAZZを食べてるっていう気にさせてくれるね」
これもバボちゃんとパッッッッション!!部長には好評だった。
 
しかし、
肝心のミッッッッチョン!!は、まるで食べていなかった。
パッッッッション!!部長が
「どうしたんだミッッッッチョン!!。
 こんなRAZZ MA TAZZ料理そう食える機会があるもんじゃないぞ」
と言っても、暗い顔をして首を横に振るばかり。
「く、駄目なのか…」
ポポ岡が苦しい表情を浮かべたその時、
「ふははははは!相変わらずだな、ヌーペチ郎!!」
はじに座っていた謎のカポカポ男爵が突然大声を上げた。
「はっ、その声は、もしやっ!?」
「そうだよ!パパだよ!!」
謎のカポカポ男爵は、美チャボ倶楽部の主催者でポポ岡の実の父、ショショ原ボッチョモが変装した姿だったのだ。
「料理人たるもの料理をふるまう相手のことを常に気づかわなくてはならない。相手を十分に観察し、その相手にあった料理をふるまう。それが大事なのだ。
 それを貴様は元気がないならRAZZ MA TAZZだ、などという浅はかな一般論で済ませようとした!ゆえにこういうことになったのだ!!」
「くっ、なら貴様はどんな料理をミッッッッチョン!!に
 作るっていうんだ!?」
「ふん、簡単なことだ。これだ」
そう言ってショショ原が取り出したのは植物の葉だった。
「なんだ、それは!?」
「だまって見ておれ。ほれ、お食べ」
ショショ原がその葉をミッッッッチョン!!の鼻先までもっていくと…。
「まあ、食べたわ!!」
バボちゃんが驚きの声をあげた。
「これは、いったいどういうことだ!?」
「だから言ったろう。十分に観察しろ、と。
 よく見ろ。ミッッッッチョン!!はコアラだ!!!!
 コアラだから、このユーカリの葉は食べたんだよ!!」
驚愕の真実に衝撃を受けるポポ岡。
「そんな、まさかコアラだったなんて…」
「フハハ、そう、これが叙述トリックだ!!」
知り合いのサロンゾ・バイバイ教授に教えてもらったばかりの言葉を使い、楽しそうに笑うショショ原ボッチョモ。
そして満足したショショ原は、帰っていった。
 
「そんな、コアラだったなんて…」
いまだショックから立ち直れないポポ岡。
それにバボちゃんが恐るべき疑問を投げかける。
「でもポポ岡さん、ミッッッッチョン!!さんがコアラだったということは、その兄であるパッッッッション!!部長もコアラなんじゃないかしら?」
「そんなバカな…」
ポポ岡がよく目をこらしてパッッッッション!!部長を見てみると…
「うわー!コアラだぁ!!」
コアラだった。
 
上司が有袋類であることが判明したポポ岡とバボちゃん。
はたしてフォッチコ☆フォー!!のメニュー作りはどうなってしまうのか?!
 
                 つじぎり


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