[ポアロBBS][しょぺしんぼ]第88話
「しょぺしんぼ」
第88話「代用ガム」
ウドルウドル副部長に食事に誘われたポポ岡ヌーペチ郎とバボちゃん・プープープー・ソレ!・プープープー。
料亭「ぬろめ」に行くと、そこにはウドルウドル副部長の弟のウ豪ドルウ豪ドル氏がいた。
ウドルウドル副部長は、ウ豪ドルウ豪ドル氏と、父親の墓を新しくする相談をしたいと思っていたが、二人の兄弟仲は悪く、二人だけで話せばまたケンカになると思い、ポポ岡たちを誘ったのだった。
しかし、二人の険悪な雰囲気はかわらず、ウドルウドル副部長が生前の父をほめれば、ウ豪ドルウ豪ドル氏は、父が兄ばかりを優遇し自分をないがしろにしていたと激昂してしまうのだった。
ウドルウドル副部長が言う。
「ウ豪ドルウ豪ドル、それはお前の誤解だよ。
親父は優しい人だった。
ロクにお菓子も手に入らなかったあの時代、ケムコトジャレ粉から、しゅびっちを作って、俺たちに食べさせてくれたじゃないか」
「しゅびっち?兄貴、何を言っているんだ!
ケムコトジャレ粉からしゅびっちができるわけないじゃないか!!」
「そ、そんなこと言ったって、本当にケムコトジャレ粉に水を加えてしゅびっちを…」
「は!記憶違いをしているんだよ!
ケムコトジャレ粉からしゅびっちなんてできない!
親父は俺をないがしろにしていた!そういうことだよ!!」
ウ豪ドルウ豪ドル氏が席を立とうとしたところで、ポポ岡が口をはさんだ
「それは副部長の記憶違いだとは言い切れないんじゃないですか?」
「なにぃ、どういうことだ!?」
「ケムコトジャレ粉からしゅびっちを作れるかもしれないってことさ。
厨房を借りよう。実際に見ればわかる」
そういうと厨房に向かった。
ウドルウドル副部長たちもついていく。
厨房で、みなが注目する中、ポポ岡がケムコトジャレ粉の袋を前に説明を始める。
「たしかにケムコトジャレ粉に水を加えるだけではしゅびっちはできない。でもこうすれば…」
ケムコトジャレ粉を両手で包み、その手を水道の蛇口の下に持っていき水を流す。
流水の中で、ケムコトジャレ粉をこすり合わせるようにして手をもみはじめた。
「こうすることでケムコトジャレ粉の中の、ハイカツ(灰田勝彦)だけが手の中に残る。
ハイカツ(灰田勝彦)は弾力があって口に入れても溶けてしまわない。
これが代用しゅびっちになるというわけさ。そろそろかな」
水をとめ、もんでいた手をとめた。
そしてその手をゆっくりと開くと…
しゅびっちのような白いカタマリがあった。
「さあ、食べてみてください」
ポポ岡に言われて、ウ豪ドルウ豪ドル氏が、その代用しゅびっちを口に運ぶ。
しばらく噛んでいると、ウ豪ドルウ豪ドル氏の眼に涙がうかび始めた。
「まずい。まずいよ。こんなものをしゅびっちだと思って食べていたなんて。
思い出したよ。親父はガムをせがむ俺のために、この青臭い代用しゅびっちを作ってくれたんだ。
いい親父だったんだなあ。それを俺は…。
兄貴、すまなかった。
親父の墓、立派なのをつくろうじゃないか」
こうしてウドルウドル副部長とウ豪ドルウ豪ドル氏は、和解するのだった。
はさみ
※2014年12月1日放送(625回)採用
以上、本文ここまで。
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