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カザフスタン渡航記

はじめに

 ことの発端は9月中旬ごろ、カザフスタンへの短期留学という大学のプログラムの応募をtwitterで見つけてしまったことだった。食費と宿泊費はタダ、渡航費も500USDの支援が得られ、カザフスタンにいけるというのを知りこれを逃したらカザフスタンなんて行く機会がないだろうと思い応募を決意した。応募数のほどはわからないが、"3人"を選考するということで半ばあきらめもあったが、なぜか選考を通りカザフスタンへの短期留学という中々ない大学のプログラムに参加することができることとなった。
 カザフスタンへの留学ということで未知な部分がとても多く、参加する旨を友達などの伝えても"なんで?"や"なんのために?"といった反応や、"大丈夫?","危険じゃない?"という反応が多かった。また、準備に向けてインターネットを漁ってもめぼしい情報は少なく、コロナ禍の影響もあってか新しい情報はほとんど得られない状況であった。今回、実際にカザフスタンを訪れてみてとても魅力に溢れ、訪れたことのない人が持つイメージとは大きく異なるということが分かった。また、アスタナの都市は日本人によって設計され、ナザルバエフ大学の学長も日本人が務めるなど日本との関係も深く、これから訪れようとする人の少しでも参考になればと思い、カザフスタンでの経験や感想を記録として残すこととした。
※写真掲載の許可をとっていないためこのnoteには個人が大きく写っているような写真は載せていません。(みんなでとった楽しい写真がほんとはいっぱいあります!)プログラムの内容や写真が見たい方はナザルバエフ大学のinstagramなどをチェックしてみると色々見つかるかと思います。

基本情報

移動について

今回訪れたのはカザフスタンの首都アスタナ。アスタナにあるヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港への渡航にはJEJU航空とAir Astanaという航空会社を使用した。JEJU航空で成田空港から仁川国際空港へ、Air Astana で 仁川国際空港からアルマトイ国際空港、アルマトイ国際空港からヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港へと計2回の乗り換えを経てたどり着いた。渡航費の総額は往復で170000円ほどかかった。。仁川国際空港では異なる航空会社をまたぐ乗り換えであったため、一度入国し荷物を受け取り、再度出国する必要があった。コロナ禍が明けきっていないため、韓国への入国にはK-ETAが必ず必要であった。Air Astanaはカザフスタンの航空会社であるが詳細については後述出来たらと思う。過去には成田からアスタナへの直行便があったこともあったみたいなので復活を望む。

首都について

カザフスタンは一度の首都移転、2度の首都の改名を行っており、インターネットの情報を見ていると戸惑うことが多かったため、ここで簡単にまとめておく。
まず、カザフスタンの首都は、1997年にアルマトイからアスタナへと遷都されました。(参照) アルマトイは京都、アスタナが東京、というイメージを持つとその違いがわかりやすいです。
次に、首都の名前は、もともとアスタナでした。しかし、2019年に前大統領"ヌルスルタン・ナザルバエフ"に敬意を評し、アスタナからヌルスルタンへと改名されました。その後、2022年9月、ちょうど行く準備をしているさなか首都名が"ヌルスルタン"から"アスタナ"へと戻りました。
"アスタナ"というのはカザフ語で"首都"という意味らしく、多くのカザフスタンの学生は"アスタナ"の方がいいと行っていたので、"ヌルスルタン"という首都名はあまり評判が良くなかったのではないかと思います。

通貨について

カザフスタンで用いられる通貨はカザフスタンテンゲ(KZT) であり、だいたい3テンゲが一円くらい。円から直接交換することはできないので現金を手に入れるためには米ドルかユーロに変えてから、それらを持って現地の銀行に行って変えて貰う必要がある。ただし、アスタナは非常にキャッシュレス化が進んでおり、現地の人の中ではQRコード決済が主流であり、ほぼすべての店でクレジットカードが使用できる。ただし、クレジットカードでの支払いはほとんどがタッチ決済が前提となっており、タッチ決済が搭載されていないクレジットカードしか持っていない人は一つ以上は持っていくかApple Payなどにカードを登録しておくのが無難。
物価は、日本とそこまで変わらずカザフスタンで買ったら安いということはほとんど無かった。現地の人によるとインフレがひどいらしくその影響が大きいのだと思われる。

言語について

ソ連であった過去があった背景から、ロシア語が最もポピュラーな言語となっており、その次にカザフ語が話されているようです。一時期カザフ語が廃れそうになったみたいですが、カザフ語の話者人口を増やすため学校ではカザフ語の授業が行われているとのことでした。英語を話せる人は多くはなく、大きなショッピングモールでもGoogle翻訳でロシア語に翻訳したりジェスチャーで意思疎通を図っていました。

通信環境について

海外旅行の際に問題となる、インターネット通信ですが私はこちらのプリペイドsimをamazomで購入して使用しました。他には、wifiのレンタルやe-sim、現地での調達などの方法でインターネット通信をすることができるようになります。最もオススメなのはe-simで、通信できることが確実で一番安かったようです。安上がりにしたい方や、忘れてしまった方は、空港の自動販売機などでプリペイドsimが購入できるので探してみると良いと思います。
ただ、通信速度に関しては中心地でも3G回線にしかつながらないことがほとんどなのであまり期待することはできません。

その他

時差は3時間。日本のパスポートであれば30日以下の滞在はビザを必要としません。また、コロナに関しても特別な規制は撤廃されているようでした。地元の人でマスクをしている人は殆どいません。コンセントはCタイプで電圧が220Vなので電化製品を使用するためには変換プラグを持っていく必要があります。飲酒は21歳からなので20歳の人は注意しましょう。

1日目

日本を出発したのは、土曜日の15:20。久しぶりの海外への渡航ということで朝のうちに家を出発し、昼前には成田空港に着きました。成田空港第3ターミナルは初めてでしたが、こじんまりとしていてキレイな感じでした。搭乗手続き開始までの時間を持て余したので、第2ターミナルにあるクレジットカードのラウンジに行き休憩していました。
13:00頃になってもう一度第3ターミナルに行き、今回一緒に日本から参加する2人と待ち合わせしました。準備のためにLINEでのやり取りは行ってきましたが、全員初対面であったので少し不安もありましたがとても優しそうな方で、一緒に搭乗手続き、出国手続きをすませ、搭乗ゲート前で待つことになりました。現地の通貨に変えるためUSDを用意する必要があったので、ここで200USDだけ日本円から両替しましたが、30000円以上かかって円安の恐ろしさを覚えました…
15:20分、搭乗の時間となり仁川国際空港へと約3時間ほどのフライト。韓国と日本の時差はなく、仁川国際空港には日本語も併記されていたため迷うことはありませんでした。ただ、一度出国してしまうため、トランジットの休憩場所を使うことができないことに気づいておらず、急遽"雲西"という街まで電車で移動し、ホテルを取ることになりました。焦りましたが、スマホとお金があればどうにかなるということがよくわかりました。

本来の目的地ではないものの、韓国に来る機会も多いわけではないので、夕食は3人で近くの韓国料理店に入って、貝の鍋のようなものをいただきました。2人前を頼みましたが3人でやっと食べ切れるくらいの量で驚きましたが、味はとても良く美味しかったです。この日は次の日のフライトに備えて、すぐに就寝しました。

貝の鍋、このボリュームで2人前。もう一品頼もうとしていたものが売り切れて無かったら絶対に3人では食べきることができない量でした。

2日目

前日、セブンイレブンで購入しておいたヨーグルトを胃に流し込み、8:30頃には仁川国際空港へと向かいました。少し迷いましたが、無事Air Astanaの手続き場所を発見。想像よりもカザフスタン行へのお客さんは多く、早めに空港へ向かったつもりがあまり時間に余裕は無かったですが、無事Air Astanaのフライトチケットを手にして出国手続きへと向かいました。
日本を出国した時には、なにも問題なかったため気軽に保安検査に望みましたが、なんと筆箱にハサミが入っており没収されてしまいました。特に大切なものではなかったのですが、少しドキドキしてしまいました。日本を出国するときには言われなかったのでもしかして日本の検査は意外と適当なのかな?などと思いながら保安検査を終え、すこし散策したあと搭乗ゲートへと向かいました。

時間となりとうとう初めてのAirAstanaでのフライト。結論から言うと想像よりも快適な空の旅となりました。座席には、枕があり、簡単なアメニティがはいった袋が置いてあるなど最初から丁寧なサービスであると感じました。実際、機内食も美味しく、見れる映画に英語字幕がつなかいこと以外は特に文句が無かったと思います。

Air Astanaの機内の様子

約6時間のフライトを終え、無事カザフスタン、アルマトイ国際空港へ到着。着陸する直前に、今までに感じたことの無いようなよくわからない高揚感が訪れ、今回の短期留学にワクワクしていることを改めて感じました。ただ、アルマトイ国際空港は"めっちゃ現代的”といった感じではなく、国際空港にしては少し物足りなく、ヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港がこれより小さいのではないかと思い一抹の不安も感じました。

入国手続きでは、"ソウル"といっているのをずっと"スール"のように聞き取っていて気がつくのに少し時間がかかりましたが無事入国できました。

アルマトイ国際空港の様子

無事アルマトイ国際空港についたものの、まだ目的地ではありません。国内線に向かってヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港へと向かいます。国内線とはいえ2時間位のフライトと国土の広さが感じられます。長くないフライトで国内線だったたので特にサービスはないだろうと思っていましたが、簡単な機内食もいただくことができ、改めてAir Astanaのイメージが良くなりました。

家を出てから2日間の移動をへてとうとう目的地、ヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港へと到着。しょぼいのではないかという不安が馬鹿げていたと思えるほど近代的でしっかりとした空港でした。荷物もパッケージロストすることなく無事到着し、ゲートを出ると、主催側のボランティアの方が私達を待ってくれていました。これで無事5日間のプログラムに望めると安堵し、私達の泊まるホテルへと向かいました。

なんと到着したのは、プログラムの主催地、ナザルバエフ大学の中。ゲスト用のホテルが大学内にあるという日本では想像もつかないような設備。しかも、ホテルがきれいで広い。完全に発展途上国だとなめていた私の想像を遥かに超えるほど発展しており、驚きを隠せませんでした。

大学内のホテル①
大学内のホテル②

プログラムが始まるのは次の日からでしたが、簡単なwelcome partyを開いてくださり、すでに到着している国の方々と一緒に夕食を食べながら自己紹介や簡単なゲームを行いました。What is your major? という質問が飛び交い、自分の専門をもつというのが高校と大学の大きな違いなのだと肌で感じながら専門を完全には決められていない自分の歯がゆさを覚えました。(とりあえずComputer Scienceと答えていました。)
あと、アジアの人の名前、語源とかめっちゃカッコいいひと多いけど、難しすぎ〜

3日目

プログラム初日ということもあり、まだ互いに緊張が解けていない中で初対面の人と朝食、はじめは日本人3人でいたのですが途中でお二方が一度部屋に戻ってしまいました。私も戻ろうかと思いましたが、せっかくなので香港から来た学生3人に(頑張って)話しかけ交流することができました!その後、時間がまだあったので現地学生のボランティアの方が大学内を案内してくれることになりました。(話しかけてみてよかった!)

ナザルバエフ大学内

アスタナが新しく作られた都市であるとともに、ナザルバエフ大学も新しく建てられた大学であるため、とても現代的で美しい&大きなキャンパスでした。

簡単にキャンパスを見たあとは、プログラムのオープニングセレモニーとカザフスタンの文化紹介・体験会というプログラムでした。オープニングセレモニー前のコーヒーブレイクでは日本人ということでカザフスタンで学長と日本語で話すことができるという面白い経験をすることができた。大学の生徒はまだカザフスタン出身の人がほとんどで留学に来てくれる人を増やしたいとおっしゃっていた。個人的には、これだけお金のかかった素晴らしい学習環境であればここ数年の間で中央アジアなどから多くの生徒が集まってくるのではないかと思う。
オープニングが終わったあとは昼食を挟んで、カザフスタンの文化を多く紹介していただいた。伝統的な楽器による演奏や、衣服、食事などさまざまな文化を教えていただいた。やはり、文化的背景には遊牧民族であったことが大きく関わっていることが分かった。

一通りの一日のプログラム内容を終えたあとは夕食を済まして、大学の目の前にある大型ショッピングモール"MEGA"に行き、カザフスタンのスーパーマーケットなどを始め簡単にどのようなお店があるかを見て回った。

MEGA SILKWAY 大学の目の前にあるのは羨ましい

普通にZARAのような有名ファッションブランドも多く入っており、室内スケート場もあるほど大きなショッピングモール。この日はあまり多くの時間はなく、全てを見切ることはできなかったが、スターバックスもあったのでカザフスタンのタンブラーを一つ買ってホテルへと戻った。
ホテルは2人の相部屋であったがベッドが2部屋に分かれていたこともあってプライバシーは保たれていたので快適だった。

4日目

プログラム2日目は、ブラバイというカザフスタン北部までの小旅行、移動に約4時間ほどかかりましたが、バスの中でもとても楽しい時間をすごすことができ最高でした。バスの中でカザフスタンのことについていろいろ聞いてみたところ、カザフスタンでは医療費はタダみたい。

雲ひとつない空を照らす朝日。気温は低いが、その分空気が澄んでいるように感じられる。

ブラバイに到着したのは12時頃、アスタナでさえも夜中は氷点下となるのに、更に北部、しかも標高も高いところに位置するためダウン・コートを着ていても寒いと感じるほどでした。それもそのはず、周りには当たり前のように雪が積もっていました。
いくつかの場所を訪れましたが、その中でも一番キレイだったのが、山の中にある大きな湖。雄大な自然に触れているという実感を肌で感じ取ることができました。

ブラバイの湖。冬になると表面が凍ってしまうそう。可能ならいつかきちんと防寒対策して湖の上に張った氷の上を歩いたり釣りをしたりしてみたい。

自然を訪れたあとは、ブラバイにある5つ星ホテルで昼食をいただきました。Rixos Borovoe というホテル。

ビュッフェスタイルで、カザフスタンの伝統的な料理もいくつかいただくことができました。日本でも食べる人はいると思いますが、カザフスタンでは馬の肉は普通に食べられているみたいでした。カザフスタンのご飯は日本人でも美味しくいただくことができる味付けが多かったですが、一度飲んでみてと言われて飲んだ馬の乳はどうしても獣臭さが強く、私にはすっぱすぎて好きにはなれませんでした。
昼食を食べたあとは、外で雪だるまや雪合戦などをしたりして一通り楽しんだあと、バスにてアスタナに戻った。バス内では、クイズやゲームをして参加者のみんなと楽しみながら仲良くなることができてとても良い次官となりました。

5日目

この日のプログラムは、午前中に大学での講義を受けた後、キャンパスツアーとして大学内の紹介していただきました。
まず、大学の講義は、私の興味のあるAIに関するものが多く、しっかりと技術的な細かいところにも触れていたり、画像認識の実演、カザフ語の翻訳の取り組みなど面白く興味をそそる事例が数多くあり参考になりました。英語での質問のうまくないながらにチャレンジすることができ、良い経験となりました。創薬xMLの文脈で 

こちらが紹介されており、興味を持ったのですが日本語情報が少なかったので調べてみたところこちら

の英語論文が出てきました。時間がある時に読んでみようと思います。

午後は、キャンパスツアー!!とにかく、大きい、キレイ、うちの大学に欲しいという感想でした(笑)大学の敷地内に寮があるだけでなく、教授に至っては一戸建てのかっこいい家が敷地内に用意されていました。このままじゃ日本の教授たちが条件いいところに行ってしまうので日本の研究環境も頑張って欲しいと強く思いました。

Sky Walk 冬になっても外に出ずに移動できるように建物間が繋がっている
50mの温水プール ジムやプールは月に1ドルくらいで利用できるそう。寮が大学内にあることを考えたら最高な気がする。
体育館。壁にボルダリングする場所があるのが海外っぽくて好き。この体育館の他に、もう一つの体育館、フェンシング場、ダンスフロア等がある。
大学内にある学生寮。とてもおしゃれで好きだったので私が住んでるところもこういう感じにしてほしい。

この他にも図書室に自習室だけでなくリラックスルームがあったり、卓球のコートがあったりといいな、と思う所がいくつもありました。

6日目

プログラム4日目はシティツアー!!アスタナの都市をバスで巡りました。カザフスタンと聞いて想像できないほど新しい建物の数々、ただ製作途中のビルや線路のようなものも散見されるなど街自体が発展している途中であることが伺えてとても興味深かったです。

まず向かったのは2017年に行われたEXPOの際に作られた建物。ショッピングモールの裏側にあって、中には再生可能エネルギーについての展示などがあります。この日はみんなで集合写真をとって終わりましたが、最終日に個人的にEXPOの中に入って景色を楽しんだり、展示を見たりすることができました。

次に向かったのは(たぶん)中央アジア最大のモスク。2022年(8月ごろ?)に完成したばかりの本当に新しいモスクで日本語情報は殆ど得られなかった。

この日は雪が降っていた。この写真だけでは大きさがわかりにくいが本当に大きかった
モスク内部の様子 こどもを連れてきている人が多く小さなときからこうった形で文化に触れていくのだと知った 自分は特に宗教をもたないがそれでもこの空間は居心地がよく神聖な感じがした モスクという建築やそれに対するイメージや行動などが合わさってこの神聖な空間が作り出されているのだろうか

本当に大きくて、キレイでした。海外でモスクに入るという経験自体始めてで、すこし身構えましたがそんな必要はなく、いっぱい子供もいることに驚きました。このモスクはイスラムの伝統とカザフスタンの伝統がうまく融合していました。カザフスタンの伝統的な模様はカザフスタンの国旗やAir Astanaのロゴにも含まれておりカザフスタンを象徴するものであることが伺えます。

カザフスタンの国旗
左側に伝統的な模様が見受けられます。
air astanaのロゴ

次に向かったのはアスタナ中心地にあるタワー。様々な省庁が集まる中心地。

金の部分が展望台になっている。この付近にはヒルトンといった高級ホテルも多くある

展望台のなかには、銀が使われた台座があって右手の手形が取られていた。これは前大統領ヌルスルタン・ナザルバエフのもので、手を置くと音楽とともに光が照らされるという称賛されてる気分を味わうことができる。(ただ、一般の人がやっても作動していなかった気がするので特別に動かしてもらっていたのかも。)中からの景色も結構キレイでした!

展望台の中にあった記念碑 
よく見るとAssociation of Shinto shrines の文字が

展望台から簡単に街の説明を受け、次の目的地へと移動するなか、また大きなモスクを発見。アスタナ市内だけでいくつもモスクがあるみたいでした。

アスタナ 中心地に存在するモスク

それらを見ながら到着した次の目的地、カザフスタン国立博物館。これも中央アジア最大級の博物館とても大きな博物館でした。入り口には、国旗の中にいる金色の大きな鳥と背景の水色が国旗を思わせるオブジェがあり、中に進むとカザフスタンの歴史に関する展示を多く見ることができます。遊牧民族であった歴史や、昔ながらの住居、楽器など多くの展示があり歴史が好きな人はとても楽しめるのではないかと思います。最後には、ミュージアムショップに立ち寄りすこしだけお土産を購入。数が大きいので一瞬値段が高いと感じることが多かったですが、一円=3テンゲなので2000テンゲでも1000円以下、日本のお土産屋さんに比べると比較的安いことが多いと感じました。基本的な服や、食品の値段は変わりませんが、お土産に関してはお土産だから高いみたいなことはあまりなかったように思います。

アスタナのシティツアーもこれで終了となり、ナザルバエフ大学までバスで戻っているとき、韓国から来ていた参加者とそれぞれの国のことについて話していました。韓国からの参加者の多くは日本に来たことがあって、日本との関係の深さを感じるとともに、様々な異なる点もあり面白い話を聞くことができました。特に、印象的だったのが韓国の大学生や若者の中で"car poor"が問題となっているという話でした。"car poor"というのは、見栄のために高級車を買って、高級車は持っているけどそのせいで貧乏になっているという人を指す言葉で、最近の若い人、特の男性の多くがなるようになってしまうことが問題となっているということでした。どのような背景があってそのようなことになっているかはわかりませんが非常に興味深いなと思いました。

ナザルバエフ大学へ着き、夕食を済ましてから私達はまたまたMEGAへとショッピングへ。今回は少し時間があったので、本屋さんや、裁縫のお店などを見て回り最後に食品を買って帰りました。帰ってから、何人かでホテルの一室に集まって歓談することになっていたのでノンアルコールビールを購入して帰りました。(21歳超えたらまた、みんなとお酒飲みに行きたい!)

7日目

早いものでプログラム最終日となりました。午前中は、「都市開発と文化保全」、「支払い方法と情報」に関するトピックで、ロールプレイをしながら都市開発と文化の保全に関するグループディスカッションを行ったり、中国でAlibabaが成功している理由と先進国において同じ方法がなぜ難しいのかなど、興味深いお話を伺ったりしました。

講義を終え、とうとうプログラムのクロージングセレモニーの時間となりました。各文化の交流のために可能なら伝統的な衣装を持ってきて欲しいと言われていたのですが、私は重量の関係と一人暮らしで家に無かったせいで持ってこられなかったので、一人が浴衣を持ってこられていて助かりました。

クロージングセレモニーのあとはそれぞれの国の文化紹介の時間で、UAEの方は自分の国や大学について、スライドを用いて紹介していました。UAEの大学の校長からナザルバエフ大学の校長への記念碑を持ってきており、学校や国を代表して来ているのだなと強く思いました。韓国の方はハングルの詩の紹介、タイの方はタイのダンスをみんなで踊ったりなど、とても楽しく多くの文化に触れることができました。香港の生徒は香港スタイルのミルクティーを作ってくれたのですが、量が足りず残念ながら飲むことができませんでした。

日本の文化紹介は"けん玉""阿波おどり""ソーラン節"を3人それぞれが一つづつ紹介しました。私はソーラン節をみんなの前で踊りました。恥ずかしさは日本に捨ててきていたので大丈夫だったのですが、如何せん前に踊ったのが小学2,3年生の頃とかだったので、前日に確認したものの曖昧な部分があったのが残念でした。ただ、結構オーバーにやったのもあって盛り上がって、良かったなどと言ってもらえたので良かったです。

クロージングセレモニーが終わり、文化交流が終わりこれでこのプログラムも完全に終了…するわけもなく、みんなでアフターパーティーとして地元のレストランへGO! 美味しいご飯を食べ、飲める人はお酒を飲み、12時くらいまで歌って踊って楽しみました。こういう海外テンションのノリ、自分は得意じゃないかなとか勝手に思っていましたが、結構楽しめました。ただ、みんな何故か踊るのがめっちゃ上手い。日本でこういうノリになることはまずないだろうなぁ…

シチューみたいな感じ
おっきなハンバーガー
大っきいステーキ 
自分もこれを頼めばよかったと少しだけ後悔している

8日目

プログラムも終了し、この日の21:30のフライトでカザフスタンとお別れとなる。昨日は夜中まで騒いでいたので朝早くから起きている人は少なかった。朝ごはんも今日は用意されていないので数人で大学内をお散歩しながら、大学内のカフェで朝ごはんを食べることにした。

カザフスタンでの最後の朝日 
水たまりが完全に凍るほど寒い中、最終日であることおもい感慨にふける
コーヒーとクロワッサン
クロワッサンが大きくて美味しい。個人的にとても気に入ったのはコーヒーの蓋。蓋を締めるためのものがくっついている。他の珈琲屋さんでも同様だったのでカザフスタンでは一般的なのかな

朝ごはんを食べて、まだフライトまで結構時間があるので、MEGAでおみやげ探しをすることにした。一通りMEGAをめぐりいくつかのお土産を購入したのでいくつか紹介したいと思う。
まず、1つ目は一番お土産として有名なカザフスタンの国旗の装丁のチョコレート。これだけは、インターネットで有名なお土産を調べれば出てくる。現地の人に聞いてもお土産としてよく買っていくそうだ。海外のチョコレートは日本人の口に合わないことも多いがこれは結構美味しかった。大きい板チョコでだいたい550テンゲくらい。スーパーには売っていなかったが、空港のお土産屋さんにはこれの小さいバージョンがいっぱい入ったものもあった。また、装丁が国旗ではなくなるが普通のチョコレートの他にもビターチョコやナッツ入り、ドライフルーツ入といった様々な種類があるのでチョコレートが好きな人はお土産としてぜひいっぱい買っていきたい。私も類にもれず大量に購入した。
次に、カザフスタン産のはちみつ。普通イメージするはちみつとは異なって柔らかいものではなく、固体となっているものが多いのが特徴。日本に帰国してから、パンに塗って頂いたがとても美味しかったのでおすすめである。家族や仲のいい友達などに喜ばれるだろう。
3つ目に紹介するのは、カザフスタンの伝統を取り入れた現代的なデザインのお店"adili" すべて、made in kazakhstan の製品でとてもかわいいスカーフや小物、服などを売っている。私が母へのお土産用に購入したスカーフは、21000テンゲ程と結構高いと感じるかもしれないが、100% silk の製品で、とてもクオリティの高いものだったので良いおみやげになること間違いなしである。一応女性モノが多いお店ではあるが、小物やお財布などもあるためMEGAに行ったらぜひ寄りたいお店である。

adiliで購入したスカーフを入れてもらった箱
プレゼント用であることを伝えるとこのようなかわいい箱に丁寧に入れてもらえる
伝統的な柄がうまくモダンなデザインの中に取り入られていることが箱からも伺える

そして、最後に紹介するのは、MEGAの地下一階にある革製品のお店。こちらのカザフスタンの伝統的な柄が取り入れられた本格的な革製品が数多く取り揃えられている。財布からかばんまで多種多様な製品があるためどれを買うかを非常に迷ったが父用に小さいペンケースを購入した。このお店もクオリティに対して高すぎることが無いのでぜひ、一度立ち寄ってほしいお店である。

昼時となり、最終日の昼ごはんは何を食べようか迷ったが、MEGAの中にあった現地のハンバーガー屋さんでハンバーガーセットを頂いた。

BAHANDHI というお店
Google Mapではカザフスタンにしか表示されなかったので現地のお店だと思われる
時間がかかったが頼んでから焼いてくれてるみたいでとても美味しかったです
ドリンクはコーラのペットボトルをそのまま渡されました

お昼を済ませ、午後はEXPOの中に行きました。そとからは何度か見てきましたが中に入れるということだったので行ってみることにしました。ここに限りませんが、カザフスタンの観光地に入るときには手荷物をX線でチェックされることが多かったです。安全対策だと思いますが、けっこう徹底しているのが感じられます。1500テンゲを払ってチケットを買い、EXPOの中へ。中には再生可能エネルギーなどについての展示や、宇宙に関する展示、アスタナの街を見渡せる展望台があり、結構楽しむことができました。宇宙に関していえばカザフスタンはロシアの発射基地があるので関わりが深いんでしょうね。

EXPO 夜には表面に映像が流れ、とてもキレイ

そうこうしている間に、とうとうカザフスタンを離れる時間に。カザフスタンでできた友達と離れるのはとても悲しく、最後まで名残惜しさが残りました。
楽しかったあっというまの一週間を終え、無事日本に帰るという最後のミッションを達成するのみ。21:30のフライトでアルマトイ国際空港に向かい、深夜01:20のフライトで仁川国際空港へと向かいました。

9日目

01:20のフライトということで日をまたぐ乗り換えというハードスケジュールでしたが、韓国の参加者をアルマトイ国際空港での乗り換え時に発見!なんと、席も二個となりでした。 実は、行きのフライトも同じで、互いにもしかしたら参加者かもと思っていたようです。
仁川国際空港についたのは、10:00 まだ、日本についていないはずなのに、完全に帰ってきたような安心感に包まれました。最後のフライトは、14:50からと少し時間があったので、一緒に帰ってきた韓国の友達に韓国のスタバに連れて行ってもらって少し歓談をしました。韓国のスタバのケーキが大きくて日本のものと少し違って美味しかったです。

スターバックスのケーキ
日本のものよりも大きめで、少し凝ったものが多い印象
スターバックスは国ごとに少しずつ違いがあったり、その国のおみやげになるものがあったりするので海外旅行に行った際には一度立ち寄るようにしたい

韓国の友達とも分かれて、あとは日本に帰るのみ。帰りのフライトでは、初めて非常口横を案内されました。チケットを受け取るときに非常時に協力することを誓約しなければならないのと、足元に荷物を置けないという負担はありますが、他の席に比べて前が広くなっており足を伸ばせるので次もチャンスが有れば非常口席でも良いなと思いました。
日本に着陸する直前、ちょうど夕暮れ時で飛行機から富士山が見え、日本に迎えられているような気になり、帰ってきたのだなとつよく感じました。

飛行機から撮った富士山

日本へは、3回のワクチン接種があれば問題なく入国できました。MySOSというアプリで先に質問事項に答えておくとスムーズに入国できるようですが、特にしていなくてもその場で質問に答えれば良いので不安に思う必要は無いです。一つ面白かったのは、一緒にカザフスタンに行った方が私の前に税関に向かったのですが、カザフスタンに行ってましたと伝えたところ税関の人が驚いていたことです。流石に税関の人もカザフスタン帰りの大学生は珍しかったみたい。17時頃、無事成田空港に着き、3人で色々話しながら都会の喧騒へと戻りました。

さいごに

カザフスタンに実際に行ってきた記録をこういった形で残しておくことで誰かの役に立ったり、読んで面白いと感じてもらえたらと思っています。私自身カザフスタンという国についてほとんど知らない状態でしたが、実際に行くことで多くのことを知ることができ、普通にヨーロッパやアメリカに行くのとは違った感覚を味わうことができた一週間でした。はじめの動機は"面白そう"という不純な動機でしたが、アジア中に友達ができ、多くののとこを学べた最高の留学になりました。旅行会社をまたぐ海外での乗り換えとか、知らない海外の航空会社でチケット取るということを経験できたことで海外というものがとても身近になったのも自分としては良かったと思っています。また、行く前にはカザフスタンに行くのはこれが最後だろうと勝手に思っていましたが、まだ行けていないアルマトイにはいつか行きたいなと思っています。この記事を通して、カザフスタンのイメージが変わったという人が一人でも多くいたらいいなと思います。


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