台衿付シャツカラー パターンメーキング その1
学生の皆さんは、台衿付シャツカラーの型紙の引き方をどう習ったでしょうか。
下のような形で習った場合、衿のメカニズムは理解出来ないと思われます。
首に沿った衿や、ゆとりのある衿、前下がりが深いデザインなど応用がききません。
今回は、メカニズムにも少し触れ、尚且つ応用が効く型紙の引き方を紹介したいと思います!
1 衿の構造の確認
台衿付シャツカラーは、台衿と羽根衿の2パーツで構成されています。
メカニズムを理解する為のポイントは2つ。
① 羽根衿の出来上がり線(赤線)
② 台衿からの浮き分(台衿端から赤線までの距離)
型紙の作り方に関係なく、縫い上げたものには必ずこの①と②が存在します。結果こうなったではなく、この部分をはじめから考えコントロールしようと思うことが大切です。
絵で書くとこんな感じです。
重要な要素は衿腰の高さになります。これは、台衿巾+浮き分です。そこにかぶり分が足され、表から見える衿巾が決まります。
では、型紙上にここまでの情報を書いてみます。設定は以下にしました。
台衿巾 3.0c
浮き分 0.5c
かぶり分 0.7c
CFの台衿巾や傾き、羽根衿の止まり位置などは任意です。
以下、画像にて解説します。
羽根衿作成の準備をします。
浮き分は折返って0.5cなので全体で1.0cです。赤線の仕上がり線からさらに0.5cを追加します。
切り開く為の展開線を入れます。場所は任意です。
次に仕上がり線(赤線)の長さを決めます。
天巾や前下がり、衿ぐり線の長さにも影響を受けます。衿ぐりが大きいのに衿の仕上がり線を短くし首に沿わせるのはバランスが悪く無理があります。ここに関しては今回は深くは触れませんが、目標の衿に見合った衿ぐり線を引きましょう。衿が先にあって、それに合う衿付け線が後であるとも言えます。
仕上がり線の長さを決めたら展開します。
必ずトワルで確認をします。生地の厚さなども考慮すると衿外周りはほぼ確実に不足します。トワルで切り開く場所とその量を確認します。これはトワルでなければ絶対に分かりません。
ここまでが、その1の引き方です。
これ以外にも、もう少し簡単な引き方や理論的な引き方など色々あります。
最後に
衿に限った話しではないですが、ビジネスとしてのパターンメイキングで考えると短時間で作成することは重要です。予備知識がない初心者の方に教えるにも時間が足りないと判断され、理論よりも結果として形に出来ればOKとする教育現場もあります。なるべくトルソーと向き合い、トワルを何回も組み、沢山の人の引き方を真似する事がスキルアップへの近道です。
最後までお読み頂きありがとうございます!!
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