お気に入りのペン・万年筆は、お気に入りのペンシースに入れれば、壊れないし、気分も上がる。
万年筆を新調し、ペン先の調整までして快適な書き心地になった話を書いたばかりなので、それをどのように持ち歩いているかという話。
<ペンケース? 胸ポケット? どちらもNG!>
ペンケースに他のペンと一緒に入れると、ガチャガチャぶつかって軸に傷がつきそうだな、とは漠然と思ってはいたけれど、胸ポケットに入れるのも良くないと聞いたので、さてどうしたものかと。胸ポケットが良くないのは、満員電車に乗ったときなどに胸を強く押されることがあるからだそうだ。ペリカン社製の万年筆を始め、ペンの軸は、ペンを立てた状態で見て真横から力が入るととても弱く、壊れやすいらしい。だから、本当は、布でくるんだ状態でかばんに入れるのが一番だとか。
<そこで、今まではアクセサリーだと思っていたペンシースが急浮上。>
布でくるむってなんじゃ! と思ったら、世の中にはそのための製品があるのですね。ペン1本だけが入るペンケースのようなもの。これを「ペンシース」と呼ぶのだそうです。大変勉強になりました。今までは、ペンがたくさん入る機能があるわけでもないし、ペンをそれだけで持つよりも太さと重さは増すし、ただのアクセサリーでしょ、ぐらいに思って特に欲しいと思ったこともなかったのだけれど、そういう実用的な必要に駆られるとなると、話は別。せっかく万年筆を新調したのだから、ペンシースを持ち歩くようにしよう!と思うに至ったのでした。
<では、何を買う? やはりレザーか。>
となると、どんなデザインのものがよいか考えることになる。万年筆も大人な感じのM800の限定品にしたし、ここはカッコよくレザーかな、というところまではすぐに決まったが、いろいろな製品があるので迷う迷う。最近は、電子タバコ用のおしゃれなレザーのケースというのもあるようですね。転用する人もいるようで、検索すると、そんなものも引っ掛かりました。色もデザインもいろいろ。スペースが分かれていて相互にぶつからないように工夫しつつ、2本、3本と入れられるものもあるようで。
<決め手は国産とカラーバリエーション>
で、あれこれ見ていくうちに、和気文具さんの製品にたどりつきました。国産で、1つ1つ丁寧に造られているというプロセスに好感を持ったのと、ほとんどの製品が黒、あっても明るい茶色があれば良い方というなか、カラーバリエーションも割と充実していて、おしゃれなグリーン(オリーブ色に近い感じ。)があったのが気に入ったのです。安くはないけれど、万年筆そのものの値段にちょっと上乗せしたと思えばいいか、と思い切って買ってしまいました。
<使い心地は…>
使う前は、使い慣れていないツールが1つ増えることで、開け閉めとか、出す収めるとか、手間が増えて面倒になってしまうかな、それによって万年筆の使用頻度が落ちるということにならないかな、と少し心配もしていたものの、杞憂でした。まず、新しい万年筆を使いたいという欲求が大きいので、使用頻度はむしろ上がるぐらいだし、ペンシースはその形状からほぼ万年筆と一体化しているようなものなので、万年筆を持って行くところにペンシースごと持って行けばよいだけの話で、全然不便ではありません。むしろ、ちょっと気の利いたアイテムが増えて、自己肯定感が上がるかもしれない(笑)、要するに気分が上がるのです。これは良い買い物でした。
<図らずも、また日本の職人芸>
万年筆のペン先調整でも日本の職人芸の底力をまざまざと見せつけられましたが、ペンシースも全く同じ。これだけ満足感が高いのも、質感といい、形状といい、色といい、日本の職人芸に魅せられたから、ということでしょう。そして、何より新たに扱わなければいけない道具が1つ増えたという負担感が全くなく、自然に日常生活に溶け込んできてくれる機能性。これが大きい。良い道具が1つ増えて、気分が上がり、毎日が少し彩り豊かになりました。和気文具さまさまです。
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