帰省ではなく「失踪」と知る。
夫が居なくなり、音信不通になって丸1日が経過した。夫が一人で帰省する際は、たいがい2〜3日で帰ってくるのだが、今回はまったく帰宅日について連絡がない。痺れを切らした私は、義母に電話をかけてみることにした。
「せがれなら、今日の昼ごろ帰ってくるって言ってたよ」
ウチを出て、丸1日、どこをほっつき歩いてるんだかわからないけど(浮気か?)、とりあえず本当に帰省するようだ。
義母に「夫が借金をして、返済しきれず自己破産したいから離婚して欲しいと言ってきた。急に実家に帰ると言い残して音信不通になった」と伝えたところ、夫が帰省したらその旨尋ねてみると約束してくれた。
しかし、昼を過ぎ、夕方になっても電話がない。20:01に実家に電話すると、義母が出て「せがれは義姉の家にごはんを食べに行って、まだ戻ってきていない」という。夜分遅いので、翌朝、改めて電話する旨伝えて電話を切った。
翌朝、実家に電話をすると義母が出て「せがれは居ない」と、なにやら言いづらそうに私に告げた。……いや、居るでしょ、絶対。
帰宅日がわからないと困ると、義母の情に訴えると、彼女はしどろもどろになりながら「せがれは電話に出たくないと言っている」と言いだした。夫が電話に出たくないというなら、私を避けている理由や借金のことなど、聞いてみてほしいと義母にお願いした。
昼過ぎに義母に電話したら「住宅ローン以外に借金などしていない。月の半分は実家、もう半分を東京……と行ったり来たりする仕事に新たについた」と言っていたという。
……そんな話、初めて聞いた。
その後、なんとか夫に電話を代わってもらうも「もう顔も見たくない。一緒に住みたくもない」と言われる。罵倒したい気持ちを必死でこらえて、今住んでいるマンションのローンの支払いなど、現実的にこれからどうするのか話し合いたい旨申し出てみたものの「今は話したくない」と取り付く島もないまま電話を切られた。
そして1週間後
夫が居なくなって1週間後、再び義母に電話したところ、夫は実家に2泊した後、東京へ戻ったという。
……いや、ウチには戻ってきていない。
そして「せがれは年の半分は実家、半分は東京という仕事をする」とうれしそうに話した(先日は「月の半分」って言ってなかったっけ?)。常々、地元に戻ってきて欲しいと望んでいた義母からすれば、願ったり叶ったりなんだろう。さらに、夫は就職したわけではなく、友人と会社を興し、東京では月6万円の家賃の事務所を借りて生活すると言っていたという。
さらに「あなたは男性の多い職場で働いているから、そこで知り合った人と良い仲になったんじゃないかとせがれと話していたのだ」と続けた。
怒りのあまり、頭の中でパチパチと火花が弾ける音がした。義母は時々、ひどく失礼なことを平然と言うのだが、今回は構えてなかったので、直撃を喰らってしまった。
何かを言い返そうとした瞬間、突然電話が切れて、かけ直しても電波が通じなくなり、とうとう義母とも音信不通になってしまった。