離婚したいという夫の主張と、妻の反論
夫から夫婦関係調整事情説明書が届く
夫から、離婚調停申立書の内容を補完する「夫婦関係調整事情説明書」が届いた。以下、太字が夫の言い分、細字が私の反論である。
以下の文章は私の弁護士宛に送ったもので、実際に裁判所に提出されたものではない。
夫婦関係調整事情説明書とその反論
1 別居に至るまでの事情
(1) 申立人と相手方は、平成XX年 XX月XX日に婚姻した。
(2) 翌年から申立人と相手方は不妊治療を始めたものの、なかなか奏功しない日々が続いた。
しかるに、申立人なりに必死にサポート等をしていたにもかかわらず、相手方は申立人に対して、「苦しんでいるのに励ましてくれない」「苦労を理解しようとしない」「サポートが足りない」「なんで分からないの?馬鹿なの?」など、散々罵るようになった。
お互いの年齢的な問題や、両親からの圧力により、不妊治療をすることになったにもかかわらず、申立人は下記のような非協力的態度をとっている。
医師に、体内受精・体外受精前3~7日間の禁欲を伝えられていたにもかかわらず、禁欲期間中にビデオ個室に行って禁欲を破った挙げ句「試験管ベビーを愛すことはできない」などと言い、不妊治療を妨げるためにわざわざ禁欲を破ったことを告白している。
また、体内受精・体外受精の成功率を高めるために、治療日に申立人も一緒に通院し、院内で採取した精子を提出するよう病院から求められていたが、一緒に通院することは(必要な検査のとき以外)なかった。
精子提出の際も相手方が奉仕しないと提出せず、通院・出勤前から労力を強いられた。
その後も 1 年間ほど、申立人も必死にサポートをしながら不妊治療を続けたが、 結果は伴わず、経済的負担が大きくなり不妊治療を断念した。
不妊治療を断念した理由は、経済的理由以外にない。
不妊治療を断念にするにあたっても、相手方は、「申立人が 100%悪い」「私は悪くない」などと理不尽で身勝手なことを申立人に述べていた。
不妊治療が必要になった理由は、診察の結果、相手方の身体的異常は認められず、申立人側に
■精液量が極端に少ない(日本人の平均量の1/10程度)
■精液内に自然妊娠が不可能なほど精子数が極端に少ない(一般的に一回の射精で射出される2~4mlの精液中に精子は約3億個あると言われる中、申立人は5,000個ほど)
■精子の奇形が50%以上
■精子の直進性が異常に低い
……などの診断結果があったためである。
不妊の原因は申立人の方にあったにも関わらず、申立人は実家にその事実を伝えておらず、申立人の実家に帰省するたびに、申立人の家族より治療の成果が上がらないのは相手方の問題であるとして、嫌がらせを受けた。そのときも庇い立てなどしてくれることはなかった。以下、申立人の実家からの嫌がらせの例を挙げる。
■帰省したら義母にテーブルの上にある“妹の卵子をもらって出産成功”という新聞記事を読むよう言われ「あなた、妹さんに子ども3人いたわよね?あなたも妹さんに卵子もらったらどう?」と言われた。
■申立人の姪に子どもが生まれたことを受け、義母に「子どもができないんだから、姪っ子に子どもを産んでもらって、その子を育てれば良いじゃない」と言われた。
■帰省時に申立人の実家へ持参した手土産を「うちでは手土産は食べないから、近所にいつも世話になっている友達がいるから、それを持って、長男とその嫁として挨拶に行ってほしい」と近所の人のところに持って行かされた。
義母と申立人と挨拶に行ったら、その近所の人に義母が「この子たち、子ども作らないのよ」と言い出し、近所の人に、子どもを作らないことがいかに悪であるか説かれ、不妊治療中であることを告げると、子どもができない原因は私であると決めつけて1時間半に及んで義母と、その近所の人から説教を受ける。その間、申立人のフォローは一切なかった。
■義姉に「私には子どもも孫もいるので、不妊はうちの家系の問題ではない」と断罪された。
申立人の身体的な事情を責めたことはなく、これらの出来事について「あのようなシチュエーションでは私を庇ってほしい、不妊治療の原因は申立人側にあると義実家に伝えてほしい」旨申立人と何度も話し合ったがそのたびに激昂され、最終的に「母親は変えられないけど、嫁は変えられるんだよ!」と怒鳴られて、家出されるに至った。
それ以降、現在に至るまでの約7年間、申立人と相手方との間で、性行為は一切なくなった。
なお、後述するが相手方の言葉遣いや暴言もひどく、相手方は申立人に対して「結婚は、無料セックスの特典があるとか思ってるんじゃない?」などと、妻として信じがたい発言をすることもあった。
不妊治療でおきた様々な事象により、申立人を信頼できなくなっただけでなく、相手方に無断で仕事を辞めてくる、支出入額を秘匿する、夫婦は運命共同体なのでお互いを助け合いながら高めていこうと話したときに「お前の口から“家族”とか“夫婦”という言葉が出ることすら腹が立つ」と言う、新規事業を興す過程で手伝おうとしたところ「自分より経験年数の少ないお前が手伝うとは何様のつもりだ」などと言われ、申立人に対して性的魅力を感じなくなっていった。
(3) 平成29年 11 月頃以降は、夫婦としての生活実態はほぼなくなり、むしろ以下の ように相手方の不貞行為を疑わせるような出来事が多くみられるようになった。
ア 平成 29 年 11 月頃以降、相手方は、頻繁に飲みに出かけることが多くなり、旅行に行ったり、不自然に朝から外出したり夜中に帰宅することも多くなった。その年末年始にはほぼ顔を合わせなかった。
平成29年以降、年末~1/2(暦によっては1/4まで)は無休で仕事している。年末年始の仕事を納めたあとは実家に帰省しており、帰省前には毎年必ず申立人に一緒に(相手方の)実家に来るか尋ねているが、毎回「行かない」と即答されている。
こうした夫婦生活に嫌気がさした申立人は、平成 30年1月6日頃に相手方に離婚の話を振ったところ、相手方も状況を察して、口頭で離婚をすることに合意した。
なお、間もなく申立人は離婚届にサインして相手方に渡したが、結局相手方が 提出しなかったようである。
夫婦たるもの、大小に関わらず口論はあるもので、これもその1つに過ぎない。
イ その後も、相手方の外出や深夜帰りは頻繁に続き、外泊も多々続いた。外出する際の相手方の服装などからも、もともと他の男性の影が疑われたが、令和元年6月28日頃に、相手方が男性の腕をつかんで相合傘で帰宅してくるのを申立人は目撃し、申立人のなかで上記疑惑は確信に変わった。
以降、相手方の上記外出等は令和2年9月頃まで続き、申立人の相手方に対する想いは冷めていった。
申立人が、相手方に断りなく仕事をやめ、新規事業を興したあとしばらく、相手方は休日に在宅して申立人のサポートをしていた。しかし「自分より能力のないやつが手伝うとは馬鹿にしているのか」など言われた挙げ句、相手方が在宅していると集中できないと言うようになり、仕方なく家に居ないよう努力するようになった。
しばらくすると、今度は相手方が在宅していないことが癇に障るようになったようで、申立人自らオフィスを借りて外出するようになり、すれ違いが深まっていった。ちなみに、申立人の元婚約者も、付き合い始めてしばらくしてから申立人に放置されたことが理由で婚約破棄に至っている。
なお、相合い傘については、そのような事実はない。
(4) 相手方との婚姻以降、申立人が相手方と口論することはしばしばあったが、その原因は概ね、相手方の言葉遣いが汚いことや、何かにつけて申立人を責める相手方の対応・性格にあった。その例を挙げると枚挙にいとまがないが、概ね以下のようなものが挙げられる。
ア 上述した「結婚は無料セックスの特典」などという言葉のほか、テレビを見ている際、必ずと言っていいほど画面の人物に「ハゲ」「ババア」「絶対整形してる」 を繰り返す。
なお、申立人にはそれがストレスで、その発言を注意すると、そのことがきっかけで相手方と口論に発展することがしょっちゅうあった。あげくに相手方は申立人に向かって「ハゲ」と言うことが何度もあった。
テレビを観ながら思ったことを言うのは独り言のようなものであり、誰もが普通にやることではないか。それを離婚の理由として挙げてくること自体、確たる離婚理由がないということにほかならない。申立人が働かないことによる金銭的困窮が離婚の発端であり(※)、離婚理由のすり替えである。
また、申立人に対してそのような発言をしたことはない。
※令和4年5月1日(日)
申立人から「借金が500〜600万円あり、自己破産を考えているが、今住んでいる物件が資産になることと、配偶者に収入があると自己破産できないので離婚してほしい。この物件も売却するのでできるだけ早く出て行ってほしい」と言われたのが、離婚問題の発端である。
イ 相手方の身支度が遅くなったことが原因で、知人との待合せに遅刻したにもかかわらず、相手方は知人に対して、「申立人の支度が遅くて遅れた」などと平気で嘘を言い、申立人のせいにする。
言っていない。
ウ 令和3年3月頃に、申立人がコロナウィルスのワクチンを接種しようかな、と 言った際、相手方は、「勝手に死ねば?死んだら貰うものは貰うから別にいいよ」 などと平気で発言する。
言っていない。
エ 令和4年5月頃には、申立人の収入が減ったことから、家のローンを少し負担 してほしいと相談した際、相手方は、「私は払わない。建設現場でもなんでも働けばいいでしょ」などと平然と述べ、一切ローンの負担をしようとしない。
結婚当初、申立人は500万円/年程度の年収があり、相手方に「働かなくても良い」と言っていた。辞職後、自分で事業を興してからも収入に問題はないと言い続け、収入額を頑として明かさなかった。また、事業が40歳までに軌道に乗らなかったら再就職すると言っていたが、そのまま事業を継続していたので、収入に問題があるとは思っていなかった。
離婚を切り出された際、多額の借金があることを知ったので、申立人に「自分の好きなことだけするのではなく、(プログラムの)受注の仕事や建設現場でバイトするなど、まずは体制を立て直すために働きつつ、夫婦関係を維持していくという選択肢はないのか」と問うたところ、「好きなこと以外したくない」と拒絶されたことを指していると思われる。
また、今回の離婚を切り出したのは申立人であり、理由は「借金があるので別れてほしい」ということだった。しかし、義母に確認したところ「(申立人は)住宅ローン以外に借金などない」と言っており、事実不明のため、申立人に借入額および借入先を明らかにするよう申し入れし、申立人もその旨了承したが、今に至るまで借入額と借入先を明らかにしていないため、借入れの事実があるか疑わしい。
そのうえで「この家に住み続けたいなら、毎月のローン額(12.5万円)の約半分である7万円を払え」と言われたが、急なことだったので考えさせてほしい旨伝え、調査したところ、実際のローン額が64,363円/月であることが判明し、差額の説明を求めたが、回答を得られていない。
納得できる金額であれば払える旨伝えているが、現在に至るまで金額の説明がまったくないまま、申立人が失踪した。
オ 相手方の暴言等は以上にとどまらず、これ以外にも多々あるが、日ごろから申立人の相手方の言葉や対応、性格等にストレスを抱え、そのうえケンカ(口論) に発展することもしばしばであったため、申立人の相手方に対する愛情はなくな っていった。
夫婦なので、口論などあるのは一般的に珍しいことではないと思うが、口論に発展すると申立人は激昂して無断外泊を繰り返した。平成28年3月12日には壁やドアを殴って穴を開け、送風機を蹴り壊すなど物を壊し(証拠写真あり)、「今は物で済んでいるが、次はお前の番だ」と脅された。以後、相手方は申立人の報復を恐れ、近年は口論になることはなかった。
(5) その後、申立人と相手方が二人で外出等をすることはほぼ皆無となり、連絡も多少は取り合うものの形式的なもので、円満な夫婦生活の実態はおよそ存在しない、いわば仮面夫婦の状態が続いた。
相手方が毎年行っている花見や、時節ごとの実家訪問や墓参り、家族旅行など、折に触れ一緒に行こうと声をかけているが、いずれも申立人の拒絶により成立していない。この7年ほどは申立人の方からの夫婦揃っての外出の申し出は受けていない。
口論になるたび無断外泊を繰り返し、その際どこに居たか明らかにしないだけでなく、申立人が実家に帰省するたびに帰省日より1日多くどこかに宿泊していることや、土日祝日まで朝から晩まで外出しており、申立人が不貞を働いている可能性を払拭できずにいる。
(6) 令和4年5月頃には、申立人が相手方に離婚話をもちかけ、財産分与についても 話をしたが、相手方は財産分与の条件に納得がいかない、として、結果的に離婚は まとまらなかった。なお、財産分与の条件だけに固執している相手方の対応に照らすと、離婚の意思自体はあるように思われる。
申立人は、失踪前に離婚の理由を「借金があるので別れてほしい」と述べている。それに対し、相手方は離婚すると住むところがなくなるので今すぐ離婚は難しい旨伝え、また借入額と借入先を明らかにするよう求めたところで中座している。
(7) 申立人は、相手方との同居は耐えがたく、令和4年6月28日に別居を敢行した。
2 別居後の事情
申立人が家を出てから、相手方と一度電話で話しただけで、それ以降は一切話していない。
以上の事情に照らし、相手方との婚姻を継続することはおよそ不可能であるため、 今般、本調停申立てに及んだ次第である。
以上
さまざまなことがあっても、夫婦として乗り越えてきたと自負しており、このような訴えを興されることに疑問を感じる。事実と異なることを証言されるのは名誉毀損も甚だしく、数々のモラルハラスメントについて提起したい所存である。