弁護士を解任する
なぜ、事前の打ち合わせもなく急に「婚姻費用を払って離婚したらどうか」と言い出したのか。
3回目の調停直後、家庭裁判所のロビーで怒りと動揺でぐしゃぐしゃのまま弁護士を問い詰めた。
弁護士は「判例らしい判例も見つけられなかった。収入が多い方が少ない方に生活費を払うと法律で決まっている。昔は個々人の事情を調査して調停に反映させる調査員のような人がいたが、20年くらい前に制度が変わって、経費削減の煽りもあり調査員制度が廃止になり、個々の事情が反映されず、算定表に則って払うというのが通例になった。これ以上戦っても意味がないから早く終わらせた方がいいと思った」と答えた。
それならそれで、なぜ事前に私に言い含めなかったのか。なぜ任せてくださいなんて言ったのか。裁判所に提出する資料も、私が書いたものを“てにおは”だけ直したほぼコピペ。答弁では口を開かず、ただ居るだけ。
依頼人の援護射撃をするのが仕事なのに、何もしないどころか、私を窮地に追いやるのであれば、安心して背中を預けることなどできない。
信頼関係を著しく損なったと感じた私は、弁護士を解任した。