このコンピ、どんな意味?
ウェブマガジン "Respective Colours" から現在発売中のコンピレーション・アルバム "Compilation ≠ Individualism" に2曲提供しています。このコンピは特にコンセプチュアルなテーマはなく、ジャンルはバラバラ、一般的な意味での「こだわり」でコンパイルされたものではなく、言ってみれば「乗合バス」といった意味での「オムニバス」アルバムと受け取っていただけたら解りやすいかもしれません。主宰の yosh.ash氏 の呼びかけに賛同した様々なアーティストたちが集まっているので、それがコンセプチュアルだと言えなくもないですが、きっとタイトルがすべてを物語っているのでしょう。
Various Artists - "Compilation ≠ Individualism"
Soundcloud Playlist by djR[dubjazz Recordings]
試聴はこちら!→ http://j.mp/compinotindi-sc
このタイトルについての私的解釈
音楽で言う "Compilation" とは「編纂された/選曲されたアルバム」のこと。"Individualism" は「個人主義」とか「自立主義」「個性/独自性」。ネガティブな意味だと「利己主義」とも解釈されますが、「≠」で繋がれているように「不等号/等号否定/ノットイコール」で素直に解釈すると「選曲されたアルバムは独自性ではない」という些か批判めいたタイトルになります。しかし「選曲されたアルバムは利己主義ではない」と解釈すると、とたんに利他的なピースな意味合いも出てきます。攻殻機動隊のTVアニメシリーズ「Stand Alone Complex」にも通ずる思想的な狙いもビンビン感じます。
今回のコンピは様々なアーティストが独自の楽曲を持ち寄った「選曲されてない」アルバム。ジャンルに囚われない独自性のある楽曲が集まることによって、ある意味繋がりの弛緩な(テーマを持たない)社会性を帯びた、実験的なアルバムと云えます。実験的ということは解答をリスナーに託されたアルバムとも云えるでしょう。
いやむしろ、戦後昭和の高度成長期における家族や仲間との密接な繋がりから、社会への無関心、核家族化、個人主義へ。そして異常とも云えるまでの「絆社会」を押し付ける強迫観念的な揺り戻しのなか、「今度はもっとゆるく行こうよ」的な無言のアティテュードを強烈に主張してるアルバムとも感じ取れます。
なんだかモヤッとした話ですよね。こういった実験的なコンセプトのもとで編纂されたアルバムは、過去においても現在においても音楽ファンを喜ばせていますが、それでもある程度的を絞ったカテゴリーに依拠したアルバムが多かったことは体験的に否定できないと感じています。
このコンピの私の解釈を端的に言い表すと、
「パラドキシカルなだなぁ」でした。テーマのないコンピにこだわりまくった楽曲が集まるこだわりのないコンパイルとは、言語の矛盾を突いている。リスナーの皆さんがどう解釈されるのかも大変興味を唆られるところです。
「様々なPiece(作品)が集まるPeace(平和)な何者にも依拠しないアルバム」うーんダジャレ脳、つか上手いこと言おうとしてるな!
ということで、このコンピに参加した私は、どんなアーティストが、どんな楽曲を持ち寄るのか、発売されるまでま~ったく知りませんでした。想像は膨らみますが、それがかえって興味を唆り、心地良い裏切りや、予定調和を捻じ曲げてくれるのではないか、というワクワク感にも似た期待を抱かせます。まるでまったく予備知識のないCDを買った時のようです。販売されている今もまだ全曲を聴けないんですけどね(笑)買わないといけないのかしら??
Soundcloudにアップされている試聴版を5曲、
プレイリストにしてみました。私の参加楽曲は、
単独名義 "knoto" の "shari-powa"、
"Architecture"というユニットの "Tracsics"、の2曲です。
Various Artists - "Compilation ≠ Individualism"
Soundcloud Playlist by djR[dubjazz Recordings]
試聴する!→ http://j.mp/compinotindi-sc
noteでの販売は本日までです!
いまのうち↓こちらでゲットしてくだしあ。
http://j.mp/compinotindi (note.mu)
BASEでの販売は続きます
http://j.mp/compinotindi-base
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拝 DUB
2016.04.23. 4AM.