パートナーとの思いやり―引っ越しの荷造りから学んだこと
DUAL STORY運営メンバーの影山です!
今回は私が引っ越しで気づいたエピソードをまとめました。
日々の生活の中で、パートナーとお互いに思いやりをもって過ごすことは、とても大切です。しかし、それは簡単なようで難しいもの。特に「見えない家事」と呼ばれるような、明確に見えるわけではないタスクが絡む場合、それがどれほど負担になっているか気づきにくいのが現実です。私自身、その大切さに気づかされたのは、年末に経験した引っ越しの際でした。
「自分は準備ができている」と思っていた
私はもともと物が少ない生活を心がけているため、引っ越しの荷造りも比較的スムーズに進むだろうと考えていました。実際、自分の私物の整理はすぐに終わりました。必要最低限のものしか持たないことが普段からの習慣だったので、荷物の量も少なく、それほど手間がかからなかったのです。
一方で、妻のほうはもう少し時間がかかるだろうと思っていました。服や雑貨など、私よりも多くの物を所有しているからです。そのため、私は自分の準備が整った段階で、妻が進めている荷造りを手伝おうと考えていました。
見落としていた「共有のもの」
しかし、ここで私が無意識に見落としていたことがありました。それは、家族で共有して使う物の荷造りです。家具や家電、キッチン用品、掃除道具――こういったものは私物ではありませんが、生活に欠かせないもので、誰かが片付けなければなりません。この部分がぽっかりと頭の中から抜けていたのです。
いざ共有物の片付けに取り掛かってみると、想像以上に多くの時間と手間がかかることに気づきました。「自分の荷造りは終わっている」と安心していた自分が、実は家全体の準備の半分も終えていなかったのです。これが、普段の生活でよく言われる「見えない家事」の一端なのではないかと、そのとき初めて理解しました。
見えない家事の本質
見えない家事とは、具体的にはどのようなものを指すのでしょうか?それは、洗剤がなくなりそうなタイミングで買い足す、ゴミ袋を交換する、子どもの学校行事の準備をする、といった一見小さなタスクの積み重ねです。これらは明確に「誰がやる」と決められることが少なく、多くの場合、気づいた人が処理することになります。
しかし、「気づく」というプロセス自体が、実は大きな負担です。気づくためには注意深さと先回りする力が必要で、これが自然と偏りがちです。特に、従来の性別役割分担の影響で、女性がこうしたタスクを多く担うケースが多いと言われています。
お互いの気づきを共有する
今回の引っ越しを通じて、私は一つの提案をしたいと思いました。それは、引っ越しを控えている方がいれば、「誰が何をどれだけしたのか」を具体的に見える形にしてみることです。例えば、共有物をいくつパッキングしたか、自分の荷造りにどれだけ時間を割いたかを比較することで、思いがけない偏りに気づけるかもしれません。
そしてその結果、「どちらが多くやった」「どちらが少なかった」といった批判や責任追及をするのではなく、事実として共有することが重要です。この共有が、日々の生活においてお互いに思いやるきっかけとなるからです。
日常生活での思いやりの形
引っ越しは期限が明確にあるタスクだったため、私は「気づくこと」ができました。しかし、日常生活の中ではこのように目に見える形で気づく機会は少ないかもしれません。だからこそ、意識的にパートナーとの話し合いを持つことが必要です。
例えば、定期的に家事分担や生活の負担について話し合う時間を設けてみる。あるいは、日常的に「今日はどんなことをしたの?」と聞き合うだけでも、見えない家事への気づきが生まれるかもしれません。
最後に
見えない家事の偏りに気づき、お互いに思いやりを持つことは、決して簡単なことではありません。しかし、それを意識するだけで関係性は大きく変わるはずです。今回の引っ越しの経験を通じて、私は「思いやりとは、相手の視点で物事を考える力」だと改めて感じました。
パートナーとともに、日々の生活の中で少しずつでも思いやりを育んでいけることを願っています。