人生にスパイスを
ときどき無性にスパイスを補給したくなる。
欧風のルーを使ったカレーもいいけれど、やっぱり好きなのはスパイスカレー。
一昔前なら、インド人やネパール人が作るスパイスカレーしかなかったが、最近はスパイス使いの達人といった日本人が伝統の食文化である出汁と組合わせたり、一皿に数種のカレーを盛り付け、目にも美しい独自のスパイスカレーを展開し、一大ブームを巻き起こしている。
そのブームを牽引しているのが、どうやら大阪らしい。
確かに大阪は人もスパイシーだしな(笑)。わざわざ関東の方が大阪にスパイスカレーを求めてやってくるなんて話を聞くほど。大阪に帰っている時は、新しいカレー屋開拓に余念が無く、いろんな店に顔を出すようになった。
徳島市内との2拠点生活をはじめて、徳島にもスパイス補給できるところはないかと探し回ってお気に入りの店を1軒見つけた。見た目はまるで喫茶店のようで、過度な期待もせずに入ったのだが、スパイスレストランの名の通り、絶妙なスパイス使いをされているお店だった。特にここのタイカレーが好きだったな〜。
そして昨年、宿プロジェクト始動とともに鳴門へ。さすがに鳴門には美味しいスパイスカレーのお店を見つけることが出来ず、半ば諦めていたのだが、宿オープンのお披露目会でそんな話をしたところ、古道具を扱っている地元の知人に、面白い店があると教えてもらい行ってみることに。
こちらもとてもスパイスカレー屋には見えない外観。
この店の主人がこれまたなかなかスパイシー、おしゃべり好きで、音楽好きで、はじめて会ったのにまるで幼なじみのように話が弾んだ。聞けば同い年で、元ミュージシャンで、元釣道具屋で釣りの達人とのこと。春菊やゴーヤなど、旬野菜を使ったキーマカレーが絶品で、すっかり常連になった。
やっぱりカレーも人も、スパイスが効いていると俄然面白くなる。宿をやり始めて、お客様も地元の方もいろんな人に出会う中で、先日アップしたラジオじゃ無いけれど、やっぱり面白いのは人と関わることだなとしみじみ感じるようになった。
旅する中で、袖すり合わせる人との出会い、脈々と培われてきたその地方ならではの文化に触れる、そういうもののひとつひとつが、人生のいいスパイスになる。
NOMAyado も、そんな旅人のスパイスになれるといいな・・・。