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宿物件の下見報告 (徳島宿プロジェクト)
四国上陸の玄関口でもある鳴門市は地続きのようで、実はたくさんの島が繋がって構成されている。
今回下見に行ったのは、淡路島と大鳴門橋とつながる大毛島(おおげじま)の南端で、小鳴門海峡に面した物件。静かな小さな漁師町、着くやいなや野良猫たちが出迎えてくれた。
鍵を開けてもらい中へ。思っていたよりも少し狭い感じもしたけど、上下水道も浄化槽も完備。小さいながらキッチン設備もあり、ガスもOK。トイレにはウォシュレットを装備した真新しい便器もついていた。以前にわかめの乾燥作業所として使われていたこともあるらしく、電気容量も十分、動力電源も来ているようだ。
鉄骨とトタン剥き出しのスケルトン状態なので、人が暮らすとなると結構な改装が必要にもなるが、逆に何もないので自由な設計ができるというメリットも。築年数も浅く、外観ともにとても綺麗、嫌な匂いもなく、とてもいい印象を持った。ひさしのある外スペースの心地良いこと。ここはアウトドアリビングだな(笑)。
駐車場に置かれていたコンテナも、見せてもらうと電気も来てるし、換気扇も完備。窓をつけてやるだけで、流木作品を作る工房に使えそうだし、改装次第では宿の一室としても使えそう。
一番の問題であった、宿としての使用も基本的にクリアできそうとのこと。立ち会って下さった不動産屋さんの方もすぐ近所に家があり、古くからお住まい、しかもこの物件自体この不動産屋の持ち物ということで、色々と融通を効かせてもらえそうで助かる。春には対岸に桜が咲いて綺麗だとか、寒い朝は海峡に朝靄が出てとても幻想的になるとか、魅力的なお話もたくさん聞かせてもらうことができた
とてもフレンドリーな方で、私の望みもすぐに理解していただけたし、頼れる存在だと感じたのが何よりの収穫。明るい希望を持てる下見となった。
不動産屋さんと別れて、あたりを散歩しているとたくさんの猫に出会った。
造船所跡や何かの作業所跡など、面白い風景がいっぱい。裏山には江戸時代水軍の拠点となった城跡もあるらしい。ちょっとした砂浜の海岸や、趣のある路地もたくさんあり、散歩しているだけでも楽しい。
静かな中に、海鳥の声や海峡を行く船のエンジン音が時折混じり、ここが海であることを思い出せてくれる。ほんとのんびりとできる環境、時がとてもゆっくりと流れている気がした。
改装費の問題はあるけれど、立地・環境、基本設備、宿の許可など懸案事項のほとんどは解決できそう。まだ契約も何もしていないのに頭の中に改装案が次々と溢れ出てきて、冷静さを取り戻さないとやばいかも・・・(笑)。
次回、この物件の所有者でもある不動産屋の社長さんと、詳細な契約条件などについて打ち合わせする約束をした。改装費が嵩むだけに家賃を少しでも抑えたいし、一度改装すると退出する場合の現場復帰は難しい。この社長もお遍路宿をやりたいといった夢をお持ちのようで、お互いいい話合いができるといいんだけど・・・。
まだまだ、何も決まったわけではないけれど、いい出会いができたのは確か。慌てず騒がず、徳島滞在中に他に教えてもらった物件の下見も重ね、じっくりと検討することにしよう。
この続きは次回、どうぞお楽しみに・・・!