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ザ・ミストを見た 感想と解釈

ザがつく方を見ました。
有名なのはザがつきません。
私が見たのは怪物に襲われない方。

パリの街に謎の霧が発生するんだけど、夫婦がシェルター暮らしの娘のために霧の中奮闘する物語…。
グロくないしホラー要素もそんなにないと思う

たぶんネタバレになると思います

評価は結構分かれてたけど、自分は結構好きだった。
星5中4.5くらい?

作品全体で最後の皮肉を表したかったのかなと考えるとそこまで詰めが甘いと言われてる部分も気にならなかった。

まず単純に、霧がたちこめて人気の無くなったパリの街という退廃的な光景にどこか心惹かれた
父マシューが屋上に登った時の雲海のような光景…あまり絶望を感じなかった、どちらかというとワクワクする感じ。
ポストアポカリプス?というジャンルなのかな?
ちょっと近未来なところも好きでした。

怪物が出てくるというフィクションぽさが無いのも逆によかった。霧がだんだんと上がってきてじわじわと近づいてくる死…。
レビューで淡々と進むと言っている人がいたが、いきなりガツン!と襲われるより段々死がやってくる感じで良かった。

最後の個人的な解釈は、娘とその友達がマスクもせずに出ていて父マシューと抱き合っていたところでは既にマシューは死んでいたんだと思う。死んだ後に見た光景なのかなと。その後のマシューがシェルターに入っていた部分で、「毒性の霧のせいで制限された生活」という状況が今までの娘の状況の皮肉ですよ、と表しているんだと思った。
つまり、この映画全体で表したかったことは家族愛とかちょっとした緊迫感よりも、娘の閉じ込められた生活の皮肉なのではないか。そこが一番重きを置かれているのではないか。霧の原因が何か、とかは関係なくただ皮肉のために成した物語であるんだな、と思った。(それでも、妻の最後のメッセージを考えると(家族)愛もまたテーマの一つだとは思う。)(あと、霧の原因は地震とか異常気象って最初の方に伏線あるよね?)

父が死んだ頃同じく、娘と友達ももうシェルターの酸素が足りずに死んでいたと考えたら、逆に2人は自由になれたのでこの2人に関してはメリバと言えるのかな…などと考えた。

ていうのが自分の解釈だった。

んだけど、他の人は父も娘もその友達も死んでいないという解釈だった。シェルター生活を強いられていた子供たちは、実は霧の中ではマスクなしで生活できたのだ…。霧の中では生きられない父と、娘の生活がひっくり返ったのである。

こっちの方が実はしっくり来た。そうすれば、何故か霧の中で死なない犬の説明もつくし…。(霧の中で生きられる個体がいるという伏線)
あと、自分の解釈だとマシューがバイクで避けた子が謎の存在になる(その子は死んでるはずなので、父は見えないはず→バイク運転する前に死んでることになると思えばいいけど…)という矛盾がない。

しかしこっち(後者)の解釈だと、かなり夫婦の行動がアホらしくなるんだよね。肩透かしくらった感じになる。最初から娘をシェルターに閉じ込めてるのが間違いだし、娘のために霧の中歩き回る必要ないし、妻がシェルターの酸素取り替えに行って倒れる必要もなかったわけだし…。そして、途中で凶暴な犬に襲われずに娘の友達のところに行けてたら、その友達がその時点で霧の中で生活できるとわかってたはずなのでその後研究室に行って火傷することもなかったし…。
てことで後者の解釈だと途端に拍子抜けしてしまうので(どんでん返しではあると思うけど)、多少謎はあるけど自分の解釈を推すかな…

結論
私は面白かった。ラストもまさかの皮肉で面白かった。

本当はミストと間違えて見たので、ミストの方も見たいな〜

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