見出し画像

室栄高生26グループが研究発表【室工大協力 理数科の視点で身近なテーマ探究】

2025-01-30
室蘭栄高等学校(荻島勝幸校長、629人)で1月30日、理数科2年生による課題研究発表会が開かれました。昨年春から26グループに分かれてそれぞれテーマを掘り下げ、1枚のポスターにまとめた研究成果をいきいきと発表していました。
 
各グループは昨年4月から毎週、理数探究の時間で課題研究を進めてきました。同校と室工大は2022年に「高大連携に関する協定」を結んでおり、だてプロリーダーの山中真也さんら同大の教職員や学生が研究をサポートしました。
 
発表会場の体育館には、各グループが実験や考察を重ねてきた内容が詰まったポスターが貼られました。

テーマは理数科らしい「ダヴィンチの橋について」「超伝導現象が起きる過程」などのほか、土砂災害の考察、津波浸水シミュレーションに基づく避難対策、Pythonを用いた最短経路探索といった地域課題に視点を置いたものとさまざま。
 
「日焼け止め非使用者に対するアプローチ」がテーマの神野花さんは、悩みながら探究を深めた過程を発表。

当初は平和をテーマにしたものの広過ぎると感じ、身近な幸せに目を向けました。日焼け止めが服についても白くならない製品に気づき、成分を調べる過程でメーカーに問い合わせ。開発者の回答を得たものの技術的な探究は難しく、日焼け止めを使わない人にどう使ってもらえるかを考察することに。
 
同大の山中さんらと議論し、校内や他校、室工大の教職員や学生5000人対象のWebアンケートを実施。600人の回答を得ました。日焼け止めを使わない人の性別や活動場所などの特徴を分析すると、使ってもらう方法が導き出せるのではないか、という仮説を立てました。結果は、データに相関関係は見られませんでしたが、新たな課題へとつながりました。
 
自然状態で放射性物質を含むコンクリートに着目したのは「霜箱を用いた放射性物質の特定」のグループ。コンクリートで密閉された部屋で、掃除機の先に不織布を取り付けて吸い込むことで線源を作り、霧箱の中に入れて放射線の数を調べるなどして物質を特定。「ウラン系の割合が高い」と報告しました。
 
「アロニアの活用法」はハンドクリームを作成する方法を模索。アロニア抽出液を得る方法のうち、アロニアとオリーブオイルを煮詰めた抽出法が有力と導き出したそうです。
 
「ロスフラワーの可能性」を調べたグループは、咲いているのに規格外や売れ残りで廃棄される花に注目。乾燥したバラにクエン酸を加えることで色が変化することを見つけ、pHで色を増やし絵の具として活用できないか考察。地域のごみ削減に向けたチャレンジでした。

発表は1、2年生や保護者らも参加。制作した模型を示しての実演を交えたプレゼンテーションもあり、そのテーマの世界に引きつけられた様子。質疑応答では、質問にしっかりと答える生徒たちの姿や、入念にデータを取って分析した成果に驚く参加者の表情が印象的でした。
(粟島暁浩)

いいなと思ったら応援しよう!