キーボードショートカットを“秘伝のタレ”として育てていく(Illustrator、Photoshop)
キーボードショートカットをカスタマイズしても、バージョンアップや再インストールで設定がクリアされてしまうと心が折れます。
“秘伝のタレ”として育てていくために、キーボードショートカットの設定ファイルをクラウド管理していきましょう。
キーボードショートカットの原本をクラウドに置く
キーボードショートカットの原本を、DropboxやCreative Cloud Fliesなどのクラウドに置き、それをIllustratorに認識させると、次のようなメリットを得られます。
常にクラウドに最新版がアップデートされる
クラウドの履歴機能で遡ることができる
複数のPCから参照できる
ほかの人も参照できる(チームで揃えたい場合など)
設定手順
[編集]メニューの[キーボードショートカット]をクリックして、[キーボードショートカット]ダイアログボックスを開き、「キーセットファイル」(=キーボードショートカットの設定ファイルのこと)を作成します。
いったん、Illustratorは終了しましょう。
optionキーを押しながら[移動]メニューをクリックして、「ライブラリ」フォルダーを開きます。
「/Library/Preferences/Adobe Illustrator 27 Settings/ja_JP/」の中にあるキーセットファイルを(拡張子は「.kys」)探します。
キーセットファイルをDropboxやCreative Cloud Filesなど、クラウドに移動します。
エイリアスを作成し、元の場所に戻します。
Illustratorを再起動すると、[キーボードショートカット]ダイアログボックスでキーセットファイルが認識されていることを確認してください。
これ以降、キーボードショートカットの変更は、クラウド上の原本に対して行われるようになります。
Illustratorの再インストールやバージョンアップ時には、「キーセットのエイリアスを所定の場所に置く」作業のみ行ってください。
スウォッチ
スウォッチの場合にも考え方は同様です。
まず、[スウォッチ]パネル左下のライブラリアイコンをクリックして、[スウォッチを保存…]をクリックします。
[スウォッチをライブラリとして保存]ダイアログボックスが開きます。保存先は「~/Library/Application Support/Adobe/Adobe Illustrator 27/ja_JP/スウォッチ/スウォッチ名.ai」です。
同様に、Illustratorを終了してからクラウドに待避させ、そのエイリアスを戻します。
読み込みをスマートに行いたい
できることはわかっても、実際は面倒です。
次のようなShell Scriptで「原本のシンボリックリンクを所定の場所に作成」できます。
ln -s -f -n ~/Dropbox/sync-setting/ai/キーボードショートカット/sw-2020.kys ~/'Library/Preferences/Adobe Illustrator 27 Settings/ja_JP/
ドキュメントプロファイルも同様です。
オプション
-s
--symbolic
ハードリンクの代わりにシンボリックリンクを作成する
-f
--force
リンクファイルと同じ名前のファイルがあっても強制的に上書きする
Keyboard Maestroユーザー向け
次のようにマクロを組んでおけば、Illustratorのメジャーアップデート時にも番号を変更するだけで済みます。
Shell Script、および、変数の使い方では〈したたか企画〉さんにアドバイスいただきました。
Photoshop
やもさんから「Photoshopも同様だよ」とコメントいただきました!
注意点
環境設定を変更したり、新しいキーボードショートカットを設定すると、慣れるまでの間、生産性が落ちます。
一度にたくさんではなく、少しずつ
慣れるまでの期間が必要(定着のためには愚直な繰り返しが不可欠)
既存のやり方とのコンフリクト(干渉)が起きる
「少しずつ」がポイントです。
ダウンロード
キーセットファイルのシンボリックリンクを所定の場所に置くKeyboard Maestroマクロです。
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