Illustratorのグラデーションについて
先日のセミナー(イラストを演出するAfter Effectsの“ちょっと使い”)にて、Illustratorのグラデーションの質についての話題が出ました。
私(鷹野)は、Illustratorのグラデーションはそんなによいものではないと考えていたのですが、それについて掘りさげてみます。
間違っていることがあれば、ご指摘くださいますと助かります。
Illustratorのグラデーションは256階調
Illustratorのグラデーションは256階調で構成されます。たとえば、横1m、白から黒のグラデーションを作成すると、およそ4mmごとの縞模様が出ます。
極端にいうと、次の図のようになっているということです。
(これを「バンディング」と呼びます)
Photoshopも同様ですが、次のような逃げ方があります。
A:[ぼかし(ガウス)]フィルターをかけたり、ノイズを入れてバンディングが目立たないように処理する
B:16ビットにする(65,536階調になる??)
AをIllustratorでやろうとすると、かなり重くなるほか、色味が変わってしまったり、オブジェクトのエッジが白くなってしまうなど、使いどころは慎重に選ぶ必要がありそうです。
グラデーションの中間色
いろいろな方が、さまざまなアプローチで語ってくださっていますが、そもそも問題として、Illustratorのグラデーションはデフォルトの中間色の扱いがうまくありません。
カラーにもよりますが、HSBから中間色を入れるとよいというもの。
ただし、これは画面上だけの話で、印刷向けとなると注意が必要です。
フリーグラデーション
2019年から「フリーグラデーション」が搭載されました。いかにも…なのですぐに飽きられるのかな〜と思いつつ、人気のある機能です。
#朝までイラレ のバナーでも利用しています。
〈フリーグラデーション〉には「ポイント」と「ライン」がありますが、ポイントでは、そこから円状に広がりつつ、よい感じにブレンドされます。
一見、気づきにくいのですが、バンディングは発生します。
よい機会なので試してみたのですが、フリーグラデーションを使っても単純な組み合わせだとバンディングは生じますね。
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