Illustratorのバージョン番号を取得してアレコレする

以前の記事で、バージョン番号の判定ついて取り上げました。

この記事では、リリースのタイミングで判定したのですが、リリース時期にかかわらず、最新のバージョン番号を取得できるように考えてみました。

バージョン番号の取得（1）

次のJavaScriptを実行します。

// Illustratorのバージョンを取得
var illustratorVersion = app.version;

// アラートで表示
alert("現在のIllustratorのバージョンは: " + illustratorVersion);

すると、次のようなアラートが表示されます。

バージョン番号の取得（2）数値化

次のJavaScriptを実行します。

// Illustratorのバージョンを取得
var illustratorVersion = parseFloat(app.version);

// アラートで表示
alert("現在のIllustratorのバージョンは: " + illustratorVersion);

すると、次のようなアラートが表示されます。

parseFloatによって「29.2.1」が「29.2」になり、数値として扱われるようになります。

バージョン番号の取得（3）西暦

次のJavaScriptを実行します。

// Illustratorのバージョンを取得
var illustratorVersion = parseFloat(app.version);

// バージョンチェック
if (illustratorVersion >= 28.0) {
    alert("Illustrator 2024以降のバージョンです。");
} else {
    alert("Illustrator 2024未満のバージョンです。");
}

すると、次のようなアラートが表示されます。

バージョン番号の取得（4）汎用的な西暦の算出

次のJavaScriptを実行します。

// Illustratorのバージョンを取得
var illustratorVersion = parseFloat(app.version);

// Illustratorバージョンに対応する年を取得する関数
function getIllustratorYear(version) {
    var baseVersion = 28; // Illustrator 2024に対応するバージョン
    var baseYear = 2024;  // Illustrator 2024の年

    if (!isNaN(version) && version >= baseVersion) {
        return baseYear + Math.floor(version - baseVersion);
    } else if (!isNaN(version)) {
        return "2024未満のバージョン";
    } else {
        return "バージョン情報が取得できませんでした";
    }
}

// デバッグ用にバージョン情報を表示
if (!isNaN(illustratorVersion)) {
    $.writeln("バージョンが正常に取得されました: " + illustratorVersion);
} else {
    $.writeln("バージョンが取得できませんでした。");
}

// 対応する年を取得
var illustratorYear = getIllustratorYear(illustratorVersion);

// 結果を表示
alert("Illustratorのバージョン: " + illustratorVersion + "\\n対応する年: " + illustratorYear);

すると、次のようなアラートが表示されます。

バージョン番号の取得（5）AppleScript

ここまでやってきて、「Ai Execute Jsx Text」アクションの値をKeyboard Maestroの変数に受け渡すことが難しいことに気づきます。

AppleScriptでは次のように書きます。

tell application "Adobe Illustrator"
	return version
end tell

Keyboard Maestroなら［Save to variable］でKeyboard Maestroに受け渡せます。

一方、JavaScriptの「parseFloat」のような処理がAppleScriptだと「as real」でできそうなのですが理想通りに動きません。

なお、次のように書いてAppleScript内でKeyboard Maestroの変数に渡すことも可能です。

tell application "Adobe Illustrator"
	set aiVersion to version
end tell

-- Keyboard Maestro へバージョン情報を送る
do shell script "osascript -e 'tell application \"Keyboard Maestro Engine\" to setvariable \"IllustratorVersion\" to \"" & aiVersion & "\"'"

全体像

AppleScript版の全体像です。

次のような値が表示されます。

ダウンロード

Ai-version-detect.kmmacros

39.4 KB

ファイルダウンロードについて

ダウンロード

InDesign版

InDesignの場合、Adobeを付けずに実行します。

tell application "InDesign"
	return version
end tell

スプラッシュスクリーンでは「20.1」と表示されていても、⌘ + クリックで表示される「コンポーネント情報」で表示される「20.1.0.71」が取得されます。

一度、実行すると、「InDesign」が「Adobe InDesign 2025」に変更されてしまいます。

全体像

マクロを「tell application "InDesign"」が「tell application "Adobe InDesign 2025"」に変更されます。

ダウンロード