矢印に白フチを付けるアピアランスと矢印のカスタマイズ(Illustrator)
Illustratorで描いたパスに対して[線]パネルで矢印を付けている場合、これに白フチを付けるのが面倒です。
失敗例:単純にアピアランス
線アピアランスを追加すればいいよね、と思いきや、先端の形状は線幅に比例するため、次のようになってしまいます。
考え方
このような場合、「アピアランスを使わなかったら…」を、まず考えます。
1. [オブジェクト]メニューの[パスのアウトライン]を実行(塗りのオブジェクトになり、グループ化された状態になる)
2. 線を追加し、背面に送る
パスのアウトラインを取れば済む話ですが、後から線幅や矢印の形状・大きさなどを変更できるようにしておきたいもの。そこで、アピアランスで解決しましょう。
アピアランスで解決
1. 線を複製し、白に設定(=線幅は同じ)。
[パスのアウトライン]効果を適用(これは“パスのアウトライン”をかけたことにする”という意味合いです)。この時点では、見た目は変わりません。
2. さらに[パスのオフセット]効果で太らせます。
アピアランスの仕上げ
このままでは、アピアランスを分割するとBのようにパスが美しくありません。
C
「合流」をかけることで“毛抜き”になってしまうため、スミのオーバープリントを想定している場合には好ましくない
前面の線にも[パスのアウトライン]効果をかける
全体(一番下)で[パスファインダー(合流)]効果をかける
D
印刷用のデータとしては線ごとに[パスファインダー(追加)]効果を適用するのが望ましいです。
ダウンロード(Illustrator 2020形式)
矢印のカスタマイズ
用意されている矢印の形状以外のものを使いたい場合には、カスタマイズします。
「/Applications/Adobe Illustrator 2021/Support Files/Resources/ja_JP/」内に入っている「矢印.ai」というIllustratorファイルを開きます。
それぞれの形状はシンボル化されていることがわかります。
新しいシンボルを追加し、次のように設定します。
• 線幅が1ptなので、それにならって線端を作成する
• 線端の形状部分のみ、パスのアウトラインを実行しておく
保存しようと思っても保存できないので、いったん、デスクトップなどに別名で保存し、追って「/Applications/Adobe Illustrator 2021/Support Files/Resources/ja_JP/」内のものと置き換えます。
すると、次のような矢印を設定できるようになります。