風前の灯火… Type 1フォントが使えなくなります!
Illustrator 2022(26.5)がリリースされ、Type 1フォント(PostScript Type 1フォント)を使っているドキュメントを開くと「Type1 フォントは、 2023年1月以降サポートされません。」というアラートが表示されるようになっています。
InDesignでも同様のメッセージが出ていましたが、今回のIllustratorは本気。毎回出ますし、環境設定で消すことができません。
Type 1フォントの見分け方
Illustratorの場合、[文字]パネルでは右側にフォントの種類の記号が表示されます。“1階建ての”「a」がType 1フォントです。
Illustrator 2022(26.5)では、このaに黄色い▲アイコンが付くようになっています。
[書式]メニューの[フォント]では左に表示されます。
拡張子のないフォント
「入稿データを圧縮したら、フォントファイルはあるのに0バイトになってた」という経験を持つ方は少なくないでしょう。
Type 1フォントには拡張子がないため、起こるんです。
「OpenType Type 1」??
InDesignの[フォントの検索と置換]ダイアログボックスなどでは「OpenType Type 1」という表記が出てきます。
一方、上部には「Type 1フォント:0」と表示され、混乱します。
いつまで使える?
アドビのドキュメントに「2023年1月まで」と明記されています。
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/kb/postscript-type-1-fonts-end-of-support.html
アドビのドキュメントって、よく消えるのでページ全体をスクショしておきました。
でも、実際は使えるんでしょ?
2023年1月以降のアップデートでType 1フォントは認識されなくなるそうです。
なぜ、使えなくなるの?
アドビのページには、こう書いてあるのですが、ちょっと意味不明です…
IllustratorやInDesignだったらいいじゃん!とも思うのですが、もうちょっと説明が欲しい。
何が困るの?
ピンと来ない方もいると思います。
お仕事内容、クライアントの体質、業態などによって状況は異なります。
InDesignに貼り込んでいるIllustratorファイルは?
じゃ、どうする?
対策A
アプリケーションをアップデートしない。これが可能なら延命できます。
ただし、現実的ではありません。
対策B
OpenType版を用意し、ドキュメントを調整する。
購入費
調整費用
相当なコストが発生しますね…
フォントはどうする?
シナリオA
個別に購入する。
初期費用としては発生しますが、当面、追加費用なしに使えます。
シナリオB
TransType 4などを使ってType 1フォントを変換する。
TransType 4は97ドル → 14,369円
変換できるフォントは限られます。許諾条件を要チェック
シナリオC
Monotypeの新サブスクリプションプランを契約する。Adobe FontsでカバーしていないFutura、Helveticaなどの定番フォントや「たづがね」「Shorai Sans」などのバリアブル版も入っています。
Individual Pro:$199/年
Individual Standard:$99/年
Teams:$2,500/年(5ユーザー)
https://www.monotypefonts.com/a/content/plans-individuals
なお、HelveticaもFuturaもDINも現在、バリアブル化されており、Monotypeの新サブスクリプションプランに入っています。
Helvetica Now(2 fonts):76,175円
Futura® Now Variable(5 fonts):106,702円
FF DIN Paneuropean Variable(2 fonts):138,754円
Shorai™ Sans Variable:138,754円
Tazugane Gothic Variable:138,754円
…と改めて計算すると、Monotypeのサブスクリプション、むっちゃお得です(自分、ほぼすべて購入しているんですけど…)。
ネイティブデータ入稿の場合、添付できないのは…?というツッコミをいただきました。うーん、その視点、抜けていました。
シナリオD
フォント名にこだわらず、近いフォントに置換する。
まとめ
実質あと3ヶ月です。手すきのタイミングで進めていきましょう!
そこなんですよね… せめて費用が出るとよいのですが、なかなか理解されにくい。
「Y2K年問題」的な…は説明しやすいかも。
オマケ
https://www.meisho-do.co.jp/wp-content/uploads/2021/07/mcr_vol60.pdf
余談
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