その表現、掲載できないかも!? エビデンスがあるのに掲載できないワケは?【 薬機・薬事法/景品法ライティング】
最上位、最大級などの表現は可能?
他社よりも優位性を示す言葉、使いたいですよね。
例えば、どんな言葉があるでしょうか?
■「世界一」「日本一」「ナンバー1」「第1位」「一番」「ピカイチ」
■「トップ」「最初」「最大」「最大規模」「最小」「最安値」「最高」「最強」「最優秀」「最高峰」「首位」「ベスト」「チャンピオン」「ダントツ」「最も」「至高」など
■「初めて」「最初に」「日本初」「世界初」「第一号の」「第一人者」「元祖」「これまでにない」など
■1つしかないことを表す言葉
「唯一」「当社だけ(のみ)」「よそにはない」「独占」など
このような他社よりも優れているという表現を掲載する際、注意が必要です。
特に「初」に関しては自社では「初めてのもの」と捉えていても、
実際には先行販売されているケースもあるため、積極的な使用を勧めていません。
そして、最上級等の優位性を意味する用語を表示する場合は、それらについて客観的事実に基づく具体的な根拠がデータとしてなければなりません。
さらに、表示をすることにより実際のものと一般消費者の認識に誤認が生じないよう、必要に応じてその表示や根拠となるデータの領域や調査範囲を明確にし、併せてデータの出典・調査機関名および調査年を近接する適切な場所に表示することが必要です。
バナーやテキスト等のクリエイティブ上で最上級表示をする場合は、リンク先ページ上ではなく、クリエイティブ内に出典・調査機関名および調査年を表示してください。
なお、根拠内容が表示されていても画像内の文字が視認できない場合は掲載できないのです。
調査データが最新の1 年以内のデータであることが必至
調査データは、直近1年以内の最新のデータを根拠として使用する必要があります。
最上級表示をしたいために、最新のデータを使用せず、自社にとって都合の良い過去のデータを根拠とはできません。
大学研究所などの臨床データについては掲載が可能か?
景表法の観点から、2021年度は臨床データの結果を広告表現に使用したが、実際に行政がチェックをしたところ、正しい結果出なかったため、根拠不十分として行政の指摘が入ったケースが非常に多いです。
第4(基準)3(5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止
<共通>
(3)臨床データ等の例示について
一般向けの広告にあっては、臨床データや実験例等を例示することは消費者に対して説明不足となり、かえって効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがあるため原則として行わないこと。
実は、私自身、メーカー様からのご依頼で、除菌ケアの商材を大学で検査をした結果、優位なデータがあるので掲載したいというご相談を受けました。
具体的にコロナウィルスやインフルエンザウィルスにも優位な結果を生んだ(除菌率99%)というデータがあったので、掲載をするため進めておりました。
しかし、都庁の薬務課に問い合わせられるチャンスを得て、相談したところ、例え、根拠データがあっても掲載はできない、との結果が。
裏技としては、広告媒体への掲載をしなければ、掲載は可能です。
例えば一般論として、成分がウィルスに働いたと記載することが可能。
しかし、商品の販促を目的としていいた場合は、NGとなります。 リンク先として記載してもNGです。
最後に。こんな事例が2021年6月3日。
まつ毛美容液とダイエット商材が行政からの指摘を受けました。
「飲むだけで無理せず10kg痩せた」、「カロリーブロック」など記載があり、あたかも飲むだけでダイエットに成功するかのような表示でしたが、これらも根拠なしとされています。
また、「2週間でまつ毛が伸びる」と謳われていた広告表現も、「個人差があります」と打ち消し表示がありましたが、これもまた、指摘を受けています。
2021年8月1日より薬機法による指摘が入った場合、景表法よりも厳しい課徴金(計表での違反の1.5倍の金額)が課せれます。
「売りたい」「結果を出したい」と思うメーカーサイドの気持ちもわかりますが、十分に注意をして広告制作をしましょう。
【 コラム監修:CRMコンサルタント 瓦田美千代 】
大手から老舗通販企業までリピート通販企業のCRMコンサルティングで、顧客との長期的な関係性作りを行う。特に定期顧客の定着や解約復活に定評があり、実績多数。