小児用ジキニンの1本服用について【イッキ飲み】
こんばんは、身体は大人のケイタです。
今日から小児用の薬についての解説をしていきますが、その前振りとして「小児用ジキニン」等を大人が使うことについて解説します。
今日は結論から。
効果はないのでオススメしません。
万が一重大な副作用があった時の保証もありません。
むしろ普通のカゼ薬の方が効く上、かなり割高です。
効いたと感じるのは、ただのプラセボ効果です。
ではいきましょう。
▼小児用ジキニンとは
ドラッグストアに置いてあるコレ、使ったことある方もいるでしょうし見ただけの方もあるでしょう。
実際にお子さまに使ったことある方もいると思いますが、使いやすかったですか?
知らない方のために書くとコレ、9割は大人がイッキ飲みするために買っていくんです。
▼大人が飲んでいいの?
小児用ジキニンの前に、皆さんご存知の大人用ジキニンもあります。
大人用のジキニンの成分を見てみましょう(1回分)。
ジヒドロコデインリン酸塩 8mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 20mg
アセトアミノフェン 300mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.5mg
無水カフェイン 25mg
カンゾウ(甘草)エキス 150mg
続いて小児用ジキニンの成分です(1本全量)。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 20mg
アセトアミノフェン 300mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.5mg
無水カフェイン 25mg
カンゾウ(甘草)エキス 332mg
大人用のジキニンから「ジヒドロコデインリン酸塩」が抜けてカンゾウエキスが増量されています。
実は2019年に「12歳未満にジヒドロコデインリン酸塩は使わないように」という改正があったんです。
規制前の小児用ジキニン(昨年まで流通)の成分はコレです。
ジヒドロコデインリン酸塩 8mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 10mg
アセトアミノフェン 300mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.5mg
無水カフェイン 50mg
カンゾウ(甘草)エキス 332mg
現在の小児用ジキニンはここからジヒドロコデインリン酸塩を抜いただけ、というのが分かります。
成分的には問題はありません。
価格が小児用をイッキ飲みすると10倍以上するってだけです。
▼なぜこんな事をするのか
考えられる理由はいくつかあります。
・粉剤を飲むのが面倒
・人から良いと聞いた
ココらへんでしょうが、1番は「裏ワザ」と思っている人が多い事でしょうか。
元々、何十年も前はドリンクタイプのカゼ薬がありました。
ただドリンクタイプにすると、いわゆる栄養ドリンク感覚で服用し、カゼ薬に入っている麻薬性物質や現在禁止されている成分を過量摂取してしまうので各社撤退して今はありません。
ドリンクタイプだと漢方薬(葛根湯、麻黄湯、柴胡桂枝湯)くらいです。
▼昔あった「アンプル剤」
今だと60歳以上の方は「アンプル剤」というカゼ薬を覚えているはずです。
現在流通しているアンプル剤は眠気覚ましのオールPくらいです。
容器の先を折って、ストローで服用する形態ですね。
このカタチのカゼ薬が無くなり、どうしても液体のカゼ薬を求める方々が行きついたのが、小児用ジキニンです。
▼用法用量の認可
メーカーも製造したら、たまたま1本が大人用の1回分になってしまっただけです。
たまたまです。
たまたまなので大人用の認可は取っていません。
あくまで小児用の認可なので、薬剤師や登録販売者に聞いても「オススメできません」としか言えません(法令違反となるため)。
この小児用ジキニンを使って副作用が出た場合は、認可外の使用となるため完全に「自己責任」となります。
因みに僕が店頭に立って15年ほど経ちますが、明らかに子どもに飲ませるために購入したのは1人だけです。
▼まとめ
カンタンですが、まとめます。
・ジキニン粉剤と小児用ジキニン1本は、ほぼ同じ成分
・認可はあくまで子ども用、大人用1回分なのはたまたま
・コストとしては小児用ジキニンは大人用の「約10倍」
・大人が使用して重大な副作用が出た場合は、認可外の使用のため「自己責任」
・効いたと感じるのは、ただのプラセボ効果
大人は素直に大人用の薬を使って下さいね。
明日は「小児向けの解熱剤」について解説します。
ではまた。
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