鎮痛剤、解熱剤の効くしくみ【鎮痛剤の基本解説】
こんばんは、絶賛四十肩で鎮痛剤使用中のケイタです。
今日からは鎮痛剤のシリーズ解説を行います。
イブシリーズ、バファリンシリーズ…等の違いとオススメですね。
その前に「鎮痛剤がどうして効くか」「鎮痛剤でどうして熱まで下がるのか」のカンタン解説です。
▼痛み、とは
腕をつねってみましょう。
痛いですよね。
何で痛いんでしょう。
脳に信号が行く…のはみなさん分かっているはず。
実は熱が上がったり下がったり、鎮痛剤を飲むと胃が荒れたりするのも全部繋がっているんです。
▼痛みの原因物質「PG」
腕をつねると、患部から脳にある物質が伝わります。
「プロスタグランジン」という物質です。
カタカナ難しいので「PG」としましょう。
このPGをつくる元に、鎮痛剤は働くんです。
鎮痛剤は、ある酵素からPGが作られるのを阻害する成分なんですね。
「痛い」という信号を脳に送らせないようにする、これが解熱鎮痛剤のチカラです。
ん? 解熱鎮痛剤?
そういえば、熱も下げるんですよね。
何で熱も下げるんでしょう。
▼熱が上がるしくみ
人間には「平熱」というものがあります。
あなたの「平熱」は何℃ですか?
人によっては35.5℃だったり37.0℃だったり様々でしょう。
これは脳の中枢に体温を司る部分があるんですが、ここで体温の「セットポイント」が設定されているんです。
何もない時は「平熱」の体温でセットポイントが設定されています。
体内にウイルスが侵入し、いわゆる「風邪」になるなどして体温を上げる必要が出てくると、中枢のセットポイントが上がるんですね。
このセットポイントを上げる物質が「PG」なのです。
例えば平熱が36.5℃の他人が風邪をひき、セットポイントが38.0℃に成分されると、「1.5℃」上げるだけの「PG」が分泌されます。
痛みを感じるしくみと、熱を上げるしくみ、どちらも同じ物質が関与しているんですね。
だから解熱剤、鎮痛剤と別々でなくて「解熱鎮痛剤」なのです。
▼鎮痛剤で胃がもたれる理由
この「PG」にはまだ働きがあります。
それが「胃粘膜保護」と「胃液分泌抑制」です。
つまり胃壁を守り、胃酸が出すぎないようにしているんですね。
鎮痛剤を使って「PG」を止める=胃酸が出て胃壁が荒れてしまう…という訳です。
▼主な市販の鎮痛成分
これで鎮痛剤の働きは大体理解できたと思います。
次に成分ですね。
市販されている鎮痛剤は山ほどありますが、成分的には以下の5種類くらいです。
・ロキソプロフェン(第1類医薬品)
言わずと知れたロキソニンです。
鎮痛効果は最も高いのですが、弱点は胃への負担と持続時間が短いこと。
どうしても辛い症状にオススメです。
・イブプロフェン
記念すべきスイッチOTC第1号の成分(次回解説します)。
ロキソプロフェンの弟分のような成分で、ロキソプロフェンより鎮痛効果は弱いですが持続時間は長め。
イブ、ナロンエース、リングルアイビーなど。
・アセトアミノフェン
小児にも使える成分です。
鎮痛効果は最も弱いですが、胃に負担がかからないためいつでも服用できる成分です。
小児向け解熱鎮痛剤、タイレノール、セデス、ノーシンなど。
医療用医薬品の「カロナール」がいちばん有名でしょうか。
・アセチルサリチル酸
「アスピリン」とも言います。バファリン、バイエルアスピリンなど。
ピリンと付きますがピリン系ではありません。
いちばん古い鎮痛成分で、血液をサラサラにする働きもあるため血栓の治療にも使われます。
・イソプロピルアンチピリン(ピリン系)
今ではほとんど無くなりました。現状はセデスハイくらいです。
「アンチ」ピリンですが、これがピリン系です。ややこし。
▼アセトアミノフェンの謎
最後に小児にも使える成分であるアセトアミノフェンのトリビアを。
アセトアミノフェンは胃を荒らすことがないので、食前などの空腹時にも使うことができる解熱鎮痛剤です。
なぜ胃を荒らさないかというと、ほとんど「PG」の働きを阻害しないからなんです(ほんの少しだけだそうです)。
ならどうやって痛みを抑えているかというと…
まだ正確には解明されていません。
何ということでしょう。。。
ただ、ザックリとしたところまでは分かっているようです。
先生方、頑張って下さい。
今日はここまでとします。
明日は「イブ」シリーズを解剖していきます。
ではまた。
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