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市販薬の年齢制限のはなし【高齢者と15歳以下】

こんばんわ、アラフォーなのでどんな薬でも飲めるケイタです。


医薬品もいろいろありますが、今日は年齢制限の話です。


貼り薬にも年齢制限?や、90歳だけど飲める?といった内容です。


ではいきましょう。


▼年齢による区分


幼児、成人、高齢者…と色々な呼び方がありますが、医薬品ではおおよそ次のように決まっています。

乳児…1歳未満

幼児…7歳未満

小児…15歳未満

高齢者…65歳以上


これ以外が「15歳以上」となります。


なお、体型は関係ありません。


よく「ウチの子、身体大きいから13歳だけど大丈夫よね?」などと言う人もいますが、体重ではなく内臓の成長で薬は選びます。


内臓の代謝や排出が大人と同じ働きをするようになるのが15歳頃なのです。


40kgでも80kgでも、13歳なら小児の薬を使ってください。


▼薬のカタチによる年齢制限


子どもは錠剤やカプセルを飲み込むのが苦手なので、5歳以下の子ども用市販薬の添付文書には注意書きが記されています。


ただ現状ではリスクがあるため、5歳以下の小児用市販薬はシロップか顆粒タイプがほとんどです。


なおトローチ剤がドーナツのように穴があいているのは、誤って飲み込み気管支に引っかかって窒息する事があったため、それを防止するために現在の形になっています。


▼成分による年齢制限


そもそも子どもは大人と比べて身体の大きさに対して腸が長いため、薬の吸収率が高くなります。


先にも書きましたが、年齢制限を守らないと内臓の発達や個人差で思いもよらない副作用が発生する場合もあります。


各成分で作用の仕組みは異なるため、年齢制限は厳守してください。


内服薬だけではありません。


例えばシップ薬では「フェルビナク」は15歳以上、「インドメタシン」は7歳以上の使用となります。


▼病院の薬と市販薬の違い


また、医療用医薬品と市販薬では同じ成分でも年齢制限が違う場合も多々あります。


例えば解熱鎮痛剤の「イブプロフェン(イブやリングルアイビーなどの主成分)」は、医療用では5歳から使用可能ですが、市販薬は15歳以上となります。


これは小児に対する安全性を医師の責任のもと処方するから可能なので、市販薬では小児は使用不可です。


病院で処方された事があるから子どもにも…なんて事はしないでください。


▼最近あった年齢制限の変更


社会情勢や法律の変更、新たな副作用の確認等で年齢制限が変更される事もあります。


最近あった例では、以前は幼児でも使用可能だった咳止め成分の「コデイン系」が12歳以上に変更になりました。


これはコデイン系は麻薬物質なので、小児への危険性が指摘されたためです。


このためパブロンやルルなどの総合かぜ薬の年齢制限が一斉に変更となり、12歳以下が使用可能なかぜ薬は激減しました。



▼高齢者の薬の使用について


最も難しいのが高齢者(65歳以上)が市販薬を使用するパターンです。


そもそも市販薬は65歳未満を想定して作られているものが多いんです。


高齢者は身体的な問題として


・内臓機能が衰えている
・(自覚の有無は別として)持病がある


と、ハードルが高くなります。


更に心理的に


・昔から使っている…という慢心
・薬への理解不足
・話を聞かなくなる


という問題も出てきます。


薬は服用し、吸収され、臓器で代謝される事により効き目が出てきます。


このため、高齢者が市販薬を使用すると想定より強い作用や副作用が出ることがあります。


今まで使ってきたから大丈夫…などと思わず、身体や持病と合わせて考えて市販薬を使用する必要があります。


今はメーカーHPで添付文書を見ることができるので、市販薬を予め調べてから購入することをお勧めします。


自ら調べられない高齢のご家族がいる場合は、ぜひ助けてあげてください。


どうしても分からなかったら、店舗にいる薬剤師や登録販売者に質問してくださいね。



以前も言いましたが、市販薬とは言え一歩間違えば毒になり得ます。


よく添付文書を読み、年齢制限等を守って服用してください。



ではまた。



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