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メンタームとメンソレータムの数奇な運命【歴史トリビア】
こんにちはこんばんは、スースーするのが苦手なケイタです。
さて皆さん、この商品の違い分かりますか?
メンターム
メンソレータム
今日はいきなり答え。
クリームの「色」です!
メンタームが白(白色ワセリン)
メンソレータムが若干の黄色(黄色ワセリン)
なんですね。
どうせメンタームがメンソレータムのパクりなんでしょ?という声が聞こえてきますが、ちょーっと違います。
実はちょっと複雑な歴史が、この2つの商品にはあるんです。
では今日は『メンタームとメンソレータムの数奇な運命』と題してお話しします。
そもそも何に使う商品?
この2つの商品は共通点があります。
上に出したクリームタイプの他にリップタイプがありますね。
成分はどちらも「l-メントール」と「dl-カンフル」。
まあ、スーッとしたりカーッとしたりする刺激感で血行促進させて早く治す商品なんですね。
ほぼ同じですが、販売価格はメンタームの方が安い。
メンタームがメンソレータムパクった?
いやいや、違うんです。
製造メーカーは?
メンタームは 近江兄弟社
メンソレータムは ロート製薬
この2社が販売しています。
歴史は古く、最初に販売したのは今から100年前の1920年。
アメリカの『メンソレータム社』から輸入販売する形で近江兄弟社が「メンソレータム」を発売しました。
…って、あれ? ロート製薬じゃないの?
逆????
製造メーカー入れ替わりの歴史
そう、当初は現在メンタームを販売している近江兄弟社がメンソレータムを販売していたんです。
しかし1974年、近江兄弟社は倒産してしまいます。
そして販売権を米国メンソレータム社に返上する事に。
そして同時にロート製薬が販売権を取得し、「ロート製薬のメンソレータム」が誕生します(その後、ロート製薬は米メンソレータム社を吸収します。
そして近江兄弟社は大鵬薬品(チオビタのメーカーですね)の力を借り、再建します。
そして発売したのが、そう、『メンターム』なんです。
なので、メンソレータムは元々、今のメンターム…というわけですね。
うーん、ややこしい!
他の事例
最近似たような事がありましたね。
イソジンブランドが明治からシオノギに移ったり(これは処方の権利のややこしい話がありました)
お菓子でもナビスコブランドが移りましたね。
こういったブランドの移り変わりの背景を調べるのも、また楽しいですよ。
今回は全く薬の知識はゼロのトリビア的な話でした。
ではまた。