市販薬をよく見てみると…?【トラネキサム酸のはなし】
こんばんは、CMには一切踊らされないケイタです。
僕のnoteを読んで頂いている方なら、何回か「トラネキサム酸」って成分が出てきたのを覚えていると思います。
今日はトラネキサム酸の上手な使い方の解説です。
おっと、「上手な使い方」って言っても僕らじゃないですよ。
製薬会社のはなしです、フフフ…
▼トラネキサム酸とは
トラネキサム酸は人工合成されたアミノ酸であり、止血剤・抗炎症剤として出血の予防・治療に用いられる。重度外傷、分娩後出血、外科手術、抜歯、鼻出血、重度月経などに投与される。遺伝性血管浮腫にも使用される。
とのwiki先生の解説がありますが、要は炎症を鎮めたり止血に使われる成分ですね。
ハミガキに配合される事もある身近な成分でもあります。
この成分、第一三共が得意なんですよ。
ちょっと見ていきましょう。
▼トラフル錠
口内炎の記事でも紹介したトラフル錠。
成分を見てみましょうか。
トラネキサム酸 …750mg
カンゾウ乾燥エキス …198mg
ビタミンB6 …50mg
ビタミンB2 …12mg
ビタミンC …500mg
となっています。
炎症を抑えるトラネキサム酸と、肌や粘膜に良いビタミンがバランス良く配合されている薬です。
▼ペラックT錠
続いてペラックT錠。
これはのどが痛い時に使う、腫れを鎮める薬です。
これも成分を見てみましょう。
トラネキサム酸 …750mg
カンゾウ乾燥エキス …198mg
ビタミンB6 …50mg
ビタミンB2 …12mg
ビタミンC …500mg
となっていま…
あれ? おなじ????
▼同じ薬で違う効能
そう、第一三共から発売されいてる「トラフル錠」と「ペラックT錠」は同じ薬なんです。
実際錠剤を見ると分かりますが、錠剤も同じでパッケージが違うだけなんです。
ほえーそんなのアリかwwwって言われそうですが、薬の世界はこんなの多いんですよ。
Amazonだとトラフル錠が1錠10円、ペラックT錠が1錠30円くらいです。
パッケージ変えるだけでこんな価格差なんですね。
▼パッケージを変えるだけで価格が違う理由
薬は「臨床試験」を行い、厚生労働省(品目によっては都道府県知事)が承認を行う事によって発売する事ができます。
形が同じでもこの手続きを取らないと効能は変更できないんですね。
上の2つの薬だと、昔からあるのはペラック。
この処方だと口内炎にも使えるので、口内炎の効能で再度臨床試験を行い、承認を得る必要があります。
この費用が全部商品に乗ってくるんですね。
今回の例は後から出たトラフル錠の方が安いですが、これはペラックT錠が去年リニューアルしたばかりで値崩れしていないだけです。
小売店への納入価格はトラフルの方が高いはずです。
▼トランシーノⅡ
それを踏まえてもう1種類、紹介します。
第1類医薬品のトランシーノⅡです。
成分を見てみましょうか。
トラネキサム酸 …750mg
L-システイン …240mg
ビタミンC …300mg
ビタミンB6 …6mg
パントテン酸カルシウム …24mg
よかった、違う…w
とは言え、半分は同じです。
追加された成分もハイチオールCの主成分であるL-システインと軽いビタミンだけ。
これで第1類に格上げ(?)となります。
なんで?ですよね。
これはトラネキサム酸の効能で、肝斑(シミの1種)への効能が新たに認められ、日本で初めて肝斑の効能を持つ市販薬として承認されたから第1類に分類されているんです。
しばらくしたら2類ではなく、3類に変更となるはずです。
ここらへんは承認のマジックですね。
高いから効く、1類だから効く…ではなく、成分をよく見ると実は安い薬で代用可能なのが薬の世界です。
コマーシャルに煽られると…?
ではまた。
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