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『文藝賞』短編部門に応募した話。

 ぼくは どくでんぱで うごく。(挨拶)

 と、いうわけで、フジカワです。10月も下旬の声だというのに、昼間はまだまだ暑い今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて。タイトルの話なんですが、昨日、河出書房新社主催の『文藝賞』の短編部門に応募しました。

 が。そこに至るまでの過程がいかにも僕らしかったので、いっちょおさらいしてみます。

 まず、大前提として、僕はこの季節(秋から冬)が大変苦手です。

 理由は、寒くなることももちろんなんですが「夜が長くなること」が精神的にかなり堪えるんですよ。

 なので、今月初旬頃までは、全っ然ピリッとせずに、抜け殻のような日々を過ごしておりました。

 そりゃもう、出来ることといえば、自前のブログに駄文を書くぐらいで。

 が。今月の15日のことです。そもそもの発端は、先月応募した『文學界新人賞』の結果発表がいつなのか? を正確に知りたく、ちょっと調べたんですね。

 それ自体は「2023年の2月頃」という検索結果を得たのですが、情報ソースが『公募ガイド』のウェブサイトでした。

 『公募ガイド』ですから、当然、他の文学賞に関する情報もたくさん載ってます。

 画面の右を見ると「人気アクセスランキング」がありました。そこでふと目に留まったのが、『文藝賞』の短編部門だったというわけです。

 早速、クリックして詳細を見ました。なんでも、90周年(だったはず)記念で、今年だけの公募とのこと。

 募集規定は、原稿用紙換算20~50枚。締め切りは、今年の大晦日。

 そこで、『メッギャァーーーン!!!』と、荒木飛呂彦ばりの擬音と共に、電波を受信しました。

 分かりやすく言えば、カーッと頭にすごい勢いで血が上ったんですよ。

 ほほう? これは僕に対する挑戦だな? 受けて立つ!

 その時、僕の手元には、持ち弾が4つありました。うち3つはラノベ系。1つは一般文芸系です。

 この一般文芸向けの、書きかけの分。当初の僕の中では100~120枚前後を目安に、プロットを組んでいた物でした。

 でも、なーんかうまく書けない。経験上、こういう場合ってのは、プロットの詰め(構築)が甘いか、あるいは冗長であるかのどちらかです。

 タイムスタンプを見ると、ネタを考え始めたのが2年前。事実上の塩漬けでした。

 OK。ぢゃあ、どうせ言いたいこと(話の核)は一点だけなので、短編用にプロットを再構築すればいいんでね? と思いました。

 ってことで、早速その日から作業開始。自慢にも何にもなりませんが、いったんスイッチが入ったら、僕の集中力はすごい物があります。

 まあざっくりと、寝食を忘れるレベルだと思っていただければ。

 半徹を繰り返し、初稿が上がったのが、2日後の10月17日でした。

 当然初稿ですから、そこからがスタートラインです。

 しかし、これが僕が自分を「しつけのなっていない駄犬」だと自認している所以なんですが、寝かせる間もなく、すぐさま推敲作業に入りました。

 またしても寝食を忘れ、あたかもキツネに取り憑かれたかのようにバリバリやりました。

 結果、そうあるべきなのですが、初稿とは半分以上違った内容になっていき、「そろそろかな?」と思ったのが、20日の木曜日のことでした。

 翌金曜日、21日(これを書いている時点での昨日)のことです。しつこいぐらいに頭から読み返していて、大変細かい言い回しの修正を終えた段階で、「ふっ」と肩が軽くなりました。

 この感覚。大変表現がしづらいのですが、一番近いのは「ストンと腑に落ちる」感覚です。

 これ以上手を加えれば、絶対gdgdになる。そういう確信を伴った感覚ですよ。

 僕は別に今まで何の賞も受賞してない、ただの下手の横好きではあるんですが、仮にも元プロのライターであり、アマチュア時代から数えれば『文字』と付き合って26年の男です。

 選考委員(あるいは下読み)がどう判断するかなんかは知りません。ただ、「僕は」もうこれでいいなといました。

 ちなみに枚数は、上限の50枚ジャスト。そりゃもう『了』の字が50枚目のラスト1行に来る程度。(多分)もう手を入れられない。

 加えて、僕の性格上、一度「よし」と思った物を下手にホールドし続けていると、作品自体への自信がなくなってきます。

 本来は、もっと時間をかけるつもりでした。初稿が上がった時点では、締め切りギリギリまで推敲する予定でした。

 しかしながら「今!」というこのテンションを逃すと、またグズグズしてしまって、ヘタすりゃ締め切りを逃す可能性だってある。

 どうせと言っては何ですが、ハナっから期待なんかしてません。

 と申しますか、万事においてそうですけども、ヘタなスケベ心を持つと、まず滑る。無欲が一番です。

 とにかく、原稿はこれでフィックスドとして、応募原稿の体裁を整え、オンライン応募フォームから送信完了。

応募完了画面の記念キャプチャ

 明らかに肩の力が抜けました。と申しますか、やっとこれで元通りの生活サイクルに戻れると思うと、ただでさえ睡眠障害の身ですから、そりゃ安心しますよ。

 しかし、これは何らかの懸賞小説に応募された事がある方なら分かると思うんですが、一晩経つと「あー!」と思うんですよね。つまり「まだ直せるところがあったかも!」と。

 が。一度応募したからには、差し替えはもはや不可能。諦めろと。

 発表は、2023年の10月7日(だったかな?)発売の『文藝』誌上にて、という話でした。

 気の長い話ではあるんですが、ま、それまでは好きな物を書きつつ、忘れるぐらいでちょうどいいんじゃないかと。

 一仕事終えた感がバリバリです。疲労感が時間差で。少しぐらいくたばってても、バチは当たらないはず。メイビー。パハップス。

 んじゃまた。

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不二川巴人
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