若い方たちに学ばせてもらっています
「人間は人生の最後まで学ぶのが仕事だ」と言われます。
自分がどのライフステージにいても、どんな環境でも学ぶことはたくさんありますし、学ぶための素材や機会はあちこちに転がっています。自分が興味を持って、少しだけ能動的に行動すれば、それらを見つけて学び始めることができるのだと思います。
私も学ぶことは大好きで、いつまでも学び続けていたいと思います。学ぶことに疲れたり、関心が無くなった自分の姿は想像したくないですね。ただ歳を重ねるうちに、自分の持っている考えや価値観はどんどん硬直化し、集められる情報も狭いものになっていると感じます。
同じやり方で学んで得るモノは、今まで積み上げてきた知識や経験の上に重ね塗りするだけで、さらに硬直化した価値観のカタマリを作るだけです。
それではいけないと思い、私が心がけているのは、自分より若い方たちから学ばせてもらうという意識を持つことです。柔軟で新しい、自分の凝り固まった思考を砕いてくれる刺激的な発想は、若い世代の方たちの考え方やカルチャーの中に埋まっていると考えています。
もちろんそれは若者だけが持つものではないですし、世代という区分で意識すること自体が硬直的な発想なのかもしれませんが・・・。
また、世代が若くなるほど物質、情報、文化、常識、価値観、彼らを取り巻くあらゆるものの変化のスピードが速く、そのライフサイクルは短いと感じます。
二回りほど若い友人に「松山さん、それいつの時代の話(言葉)ですか?もう誰も言いませんよw」とからかい交じりに諭されることがあります。
自宅にTVもなく、ネットの海にも必要以上には潜らない自分なので、流行語みたいなものにはとても疎いのですが、さすがに「仙人ですか?」と言われてしまうと少し世間からズレているのかなと思い反省です。
特にサブカル分野については、常にアンテナを立てる努力をしないとキャッチアップしていくことは難しいですね。この分野はITと結びついて生まれるトレンドも多く、技術進歩に合わせて新たな文化が誕生しているのだと思います。例えばVtuberがネットイベントで、若い世代に野球の面白さを伝えているといった現象には※、かなり驚かされました。
自分が仕事をいただいているコンサルティングの分野でも、日々新しい専門用語、考え方が登場し、情報がアップデートされています。有名な理論でも組み合わせを変えたり、新しい要素を加えてリファインしたり、場合によっては言語が変わったり略語が使われたりと、がんばって身に着けた知識や経験もあっという間に陳腐化してしまいます。
「サブスク」を「所詮、レンタルの類だろ?」と軽んじるのではなく、仕組みや中身、目的をきちんと咀嚼すると、全く違うサービスであることがわかります。先入観で物事を解釈してしまうことは自分もよくやる失敗なのですが、所謂老害の行動なのかもしれません。
あと、今までに得た知識や経験で物事を語り、時には若い方たちにマウントを取るのも「老害」行為なので気をつけなければなりませんね。学ばせてもらっているのですから。
先日、親族の子供たちが参加する球技大会に応援に行きました。地区大会を勝ち抜いた上手いプレイヤーたちが競いあう決勝トーナメントだったので、どの試合も白熱した内容で自分も手に汗握りながら観戦しました。
私は基本的に文系人間です。運動は苦手ではありませんが、子供の頃、体育の授業だと水泳以外は気が進みませんでした。子供たちは私と違ってスポーツ万能、球技は何でもすぐ上達するし、短距離走も持久走も得意。始めてわずか1年足らずで参加したこの大会(県大会レベルと考えてください)では、結局入賞してしまいました。
そんな子供たちが活き活きとフィールドを走りまわり、一発勝負に全力で挑み、喜怒哀楽を爆発させる姿に感動と感謝の気持ちで一杯になりました。
物事に打ち込むことの素晴らしさにも、あらためて気づかされました。
また、子供たちにはメンタル面でも学ばせてもらっています。
「おじさんが試合観に来てくれたら燃える。絶対勝つよ!」
人に観られるコト、目の前で応援されるコトが燃料になるって、私のような陰キャには想像もつかないポジティブな性格。なんたるメンタルつよつよな子供たち。
コンサルティングの仕事では、人前に立つ場面が必ずあります。しかも多くの視線を浴びながら、時にはネガティブな場面にも遭遇します。何度経験しても「みんなにみられてる、燃えるぜ!」と思ったことは一度もありません。一瞬でもそう思えるようなメンタル、心構えを持てるならどんなに楽なことか・・・子供たちの力強い言葉を聞くたびに、その秘訣について考えています。性格は仕方がないので、せめてコツでもないかなと。
いずれにせよ社会の中心はもう自分の世代、領域にはない。長い年月を掛けて築いた自分の世界、価値観から少しでも抜け出して、新しく学ばなければならない。世の中の中心、学ぶべきことは若い方たちの中にあるんだ。そう想いながら、毎日恥をかいて、感動して、学ばせてもらっています。
※甲子園大会が開幕する時期にネット上で開催される「にじさんじ甲子園」。人気のVtuberたちが監督になってチームを鍛えて優勝を競うネット上の甲子園大会。リアルタイム視聴者数は数十万人に及び、大手会社も協賛するなど大きなイベントとなっている。このイベントを視聴して野球の面白さを知ったり、リアルの高校野球やプロ野球に関心を持つ新しいファン層が生まれているという事実に驚かされる。