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美濃加茂市長汚職事件の真実 20

とうとうvol.20まで来ました。
ここまで読んで頂いた方皆様に本当に感謝しています。
初めは「書籍化する為の下書き」程度で始めたのですが、皆様の反響やご意見で思わぬ流れになって行きました。
本来ならまだ確信に触れるところではなかったのですが、時系列をすっ飛ばして確信に入ってしまい少しとっ散らかってしまっていますが、徐々に本来のペースに。
また書籍化する時は文体や大幅な加筆もする予定ですので、もう一度楽しめる物にできると思います。
この事件をモチーフにしたフィクションの企画も進行中です。
私が1人で書くかはまだ未定ですが、事実確認が曖昧な事も多々ありますので、その辺りもお話し出来るものとなりますのでご期待ください。

同時に色々なアクションの準備もしています。
皆様のご協力も必要な事もありますのでその際はまたご案内いたします。

Twitter タカミネヒロシで情報発信して行きますので、フォローして頂ければ幸いです。


では本題

最初にヒルトンホテルで郷原弁護士と初めて会った時に戻る。

簡単にここに記しているが、この郷原弁護士との出会いから「取り調べ」と「裁判に向けてのプランニング」の「ふたつのセカイ線」が同時進行していたと考えてほしい。
今日はこの「ふたつのセカイ線」の話。

初めてヒルトンホテルで会った時の郷原弁護士は何も事件を掴めていなかった。
それもそのはず、私の知人からいきなり依頼され、N氏が逮捕された事件すら調査できていない状態だった。
ただこの時点で私は事件の全容を理解し、早くも唯一の証拠まで掴んでいた為「裁判の進め方」まである程度プランを持っていた。
後はプロの弁護士がそんな「素人考え」のプランに乗るかどうかだった。

過去に色々な裁判に関わった経験がある。
自分に関わること、人に助けを求められた事様々あった。
その際毎度起きるのは「弁護士のプライド」だ。
実際、司法試験を突破し弁護士バッヂを付けているのだから、数少ない「先生」と呼ばれてもおかしくない存在だ。
しかし、私の印象はどの弁護士も「裁判のフィールドのみで戦ってしまう」傾向があった。
過去の裁判で予想を覆すような結果がでた裁判は得てして「裁判のフィールドを逸脱したプラン」が功を奏したものが多い印象がある。
民事はもとより、刑事事件などは概ね裁判になった時点で殆どが有罪確定しており、俗にいう「99.9%」ってやつだ。
本来ならこの事件もそういう事件だった。
警察はしっかり捜査をしており、また何よりも既に贈賄側の証言を取っていた。
そもそも「贈賄側」が証言するという事は「既に罪を認めている」ということでその時点で事件は確定している。
わざわざ自分が罪に問われるのに、やってもいない事件を自白する事はあり得ない。

私は初日の家宅捜索後、テレビ局からの電話で「藤井が逮捕された」と聞いた時点で「クロ」という事はなんとなく受け入れていた。
そんなあやふやな事件で「首長を逮捕」などするわけないし、後に考えれば証拠も充分だった。

だからこそだ。

だからこそ私はこの事件をなんとかひっくり返せないか、全ての感覚を研ぎ澄ませて情報を取った。
それが初日に見つけた「95000円の入金」だった。

正直「贈賄側の供述」だけでも充分な証拠で、さらにその金の動き、渡された封筒まで出ていれば「まっクロ」な事件だ。

私はダメもとで「藤井を守る術はないか」と模索しただけで、本来なら「席を外したかもしれない」とこれで終わりだった。

「席を外したかどうか?」が事件の鍵となる事に気づき、「95000円」の証拠を潰す事に成功したのは奇跡だった。

いや、奇跡ではないな「私の洞察力」の賜物だ。

ここで謙遜すると話がおかしくなる。

私が見つけ、うまく立ち回り「一審無罪」に導いたのは紛れもない事実で、奇跡などというあやふやな表現はこの事件を「わかりにくくする」だけの話だ。

「材料が見つからなければ」「うまく立ち回ることができなければ」という偶発的な要因はあったが、それ以上でもそれ以下でもない「一審無罪」だった。

実際藤井、郷原が私を切らなければ確実に「完全無罪」に持ち込めたと思っている。
実際今から「再審請求をして無罪」に持ち込める自信はある。
この話は(一部の信用できる人間以外)誰にもしていないし、今後も誰にも話すことはないだろう。
(藤井や郷原の耳に入って悪用されたもダメなので)

ある法律関係者は「ああ、それなら無罪にしかならないね。そもそも事件自体ないですね」という意見もある。

なぜここまで自信があるのか。
それはここにも私の思考(哲学)が関係している。

とその前に郷原弁護士との最初の会談に戻る。

過去の記事でも書いたように「どこにも報道されていない、N氏の余罪」を知っていた私は、これを「『ヤミ司法取引』的な、嘘の罪を供述した」というストーリーに組み立てた。
そんな事あるわけがないし、なぜ余罪が立件されないのかも普通の弁護士なら理解している話だ。

ここが郷原弁護士は凄かった。
そんな法律関係者ならバカにされてもおかしくないような私のプランに前のめりで乗ってきた。

実際私が過去に関わった裁判も「私のいう通りにしていれば勝てた」物もあり、また見事に勝った物もあった。

それらは法律論からあえて逸脱し「論理的に否定ができない」という状況を生み出した物だった。

正に前回の記事で説明した「絶対とは言えない記憶を、論理的にトイレに行ってない事を証明した」という話だ。

N氏の「贈賄の自白」は単純に罪の意識から自白しただけの話で、もしそれが作られた事件なら「95000円」や「居酒屋で私が見た光景」など出てくるわけがない。
何より無罪になった時点で「タカミネさんありがとうございます」と感謝されていたはずだ。

命の恩人とも言えるような私から逃げていくという時点で自ら罪を認めているような物だと思う。

無罪判決が出るまで郷原弁護士は毎日のように私に連絡をし、相談をしていた。
メールや着信記録、通話記録、会話内容まで残っているものもあるが、先日の私への反論での「タカミネは何も事件の事は知らなかった」とはどの口が言うのだろうと思った。

ここに来ての彼のプライドだろうか。
それならば自らの失態で有罪にしてしまった事が表に出ないようにすべきだっただろう。

少なくとも郷原弁護士が「私に行われている取り調べ」の内容を知るには私からの情報以外は不可能であり、その「席を立ったかどうか」を事件の核に据えている時点で「タカミネは何も事件の事は知らなかった」はどう考えても説明がつかない。

と言う前提で、「N氏の余罪」「事件の証拠」「警察、検察が描こうとしているストーリー」は私が郷原弁護士に教えたもので、さらにはその使い方まで私がアドバイスした事ははっきり記しておく。

それは、私が離れて簡単に有罪になり、それがそのまま結審した事実が物語っている。

とそれを踏まえた上でここから郷原弁護士とプランを練った。
流石に「法律的な話」「裁判の手続き、流れ」は「刑事事件が初めてであった」郷原弁護士の方がわかっており、私のプランを裁判に当てはめる作業をした。

「闇司法取引」などと言う話は裁判で使えないので、メディアやこちら側の発信の際強くアピールした。
ちょうど「取調べの可視化」が話題になっていたこともあり、多くの人はその話に乗っていたと思う。

もう一度言うが、実際当時は「司法取引」など存在せず、それなのにやってもいない罪を告白して収監されるバカがどこにいるだろうか。
N氏はそんなバカではないし、さらにはそうやって「人を貶める」人間でもない。

とにかく裁判では「タカミネがトイレに行ってない事を論理的に証明する」というプランが全てだった。

後は私がメディアをコントロールして「不思議な事件」という報道をさせ盛り上げたのも大きかった。

私が各地元メディアに出演し、さらにはニコニコ動画、東京のキー局のテレビ、大手写真週刊誌の取材まで受けた。

これらのメディア露出は私に取っては「リスクとデメリット」しかなく、「藤井を守る為」だけの行為だった。

「別件で逮捕をするぞ!」と脅されたこと「意識を失うほどの体調不良」も全て「藤井を守る為」だけの「リスクとデメリット」だった。

うまく警察の調べを逃れ検事調べのみになった。(詳細はこちら

検事調べは私のペースで進み「ニコニコ動画」への出演でさらにその関係性は強固なものとなった。

私への感謝の言葉から始まった調べは「まず県警から訳のわからない話が出てるのでそこ潰しましょう」と警察が私を逮捕しようと「逮捕状請求」をしている事について「潰す」作業から始まった。
実際ありもしない事件の為、記憶も状況も何もわからない話ばかりであったが、検事が誘導し「これはこの話を潰す為の調書なので安心してください」と警察の非道なやり口を潰すと共に、複数の逮捕状請求が出されている事がわかった。

さらには私が記憶にない話など、検事がヒントを出し私の記憶を喚起するという異例の調べになっていった。
その記憶、調書は「藤井に取って有利な証言」で、なぜこんな調書を取るのか不思議だった。

私は郷原弁護士からのアドバイスで「検事は手を変え品を変え誘導して不利な証言を取ろうとするので気をつけて」と言われていたので「ておには」に至るまで慎重に調書作成をしていた。

それに対し検事は「タカミネさん、今日はタカミネさんの主張したい事をしっかり作成しようと思っています。ですからそんなに警戒せずに好きなように話してください」と言ってきた。
その表情に嘘はなく、言葉の端々に検事も「正直この事件私にもわかりません。でももしタカミネさんのいう通りお金が渡ってないとするなら、私は立場を超えてしっかりそれを証明したいと思います」
とまで言い出した。
「検事さん、ちょっと待ってください。僕は『お金が渡ってない』とは言ってませんよ。『お金を渡した所を見ていない』と言ってるだけで」
と嗜めたくらいだった。

後に郷原弁護士は「検察は途中からタカミネ供述を素直に取り、あたかも『藤井寄り』に仕立てようとした」とか言っていたが、そんな穿った話ではなく、純粋に私と検事の関係性でできた調書だった。
だからこそ「一審無罪」になった物で、郷原弁護士は「敵だから全部憎い」という愚かな主張をしていた。

実際検察はそのような流れの話もしてきたが、それすらも通らないような明確で論理的な調書を作成していた。

しかし・・・である。

検事調べはスムーズに納得のいく調書と私の雑談で楽しく進み毎回気持ち良く終わった。
しかし、次の日毎回、担当検事は憂鬱な表情で現れた。

「タカミネさん昨日の調書なんですが・・」
と申し訳なさそうに話し始める。
「ちょっと内容が色々と断言しすぎていて、あまりにも強い表現になっているので少し修正してもいいですか?」

明らかに上司にやられたのだろう。
「こんな調書取ってきたら有罪にならないだろう」くらいの事を言われてそうな表情だった。

それに対し私は当然の事ながらまた「てをには」に至るまで、細心の注意を払い調書を作成して行った。

こんな事が数日続いたある日、検事に異変が起きた。

例の如く私が「そこの表現はダメ。違う取り方ができる」
と調書の修正を求めると
「タカミネさん流石にここは大丈夫です。散々繰り返し主張してる事なので」
と疲れ切り顔を上げた検事の顔は蕁麻疹で酷いことになっていた。

きっと上司と私の板挟みでストレスがあったのだろう。
さらには私の「一文字までチェックする神経質さ」に参っているのは明らかだった。

検事は椅子に座っているのも辛いのか、立ち上がり少し頭を抱え「大変申し訳ないんですけど、今日はここまででいいですか・・。少し体調がすぐれないので明日も休みで明後日仕切り直してもらってもいいですか?」と懇願された。

根を上げた検事に「情けねーな」という感情と共に「流石に今回の俺の神経質さは頭おかしくなるだろうな」と少し同情もした。

そんな検事の混乱はありつつも結果的には検事調べは概ね私のプラン通り進んだ。

しかし、郷原弁護士はまたここで失態を犯したのである。


この話は・・・きっと明日(笑)

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