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【小説】希望の光

はじめに

海辺のカリスマ教会が夕日でオレンジ色に染まる頃、ピリポは静かに祈っていた。かつて多くの信者で賑わっていたこの教会も、今では信徒の数が減ってきていた。彼の心には不安が広がっていた。信仰を持つ者として、この教会を復活させたいという気持ちはあったが、どうすればいいのか全く分からなかった。

そんなある日、幼馴染のエミリーから手紙が届いた。彼女は海外でキリスト伝道を行っていて、そこで出会った人々のことを綴っていた。エミリーの言葉には、彼らが直面している苦しみと、それでも希望を抱いている姿が溢れていた。

「ピリポ先生、私たち、何かできることを考えてるんだ。こっちの人たち、希望をすごく求めてるんだよね。だから、一緒に来て、イエスさまの愛を伝えようよ!」

手紙を読みながら、ピリポの胸は熱くなってきた。教会で感じていた無力感が少しずつ消え、新たな使命感が芽生えてきた。数日後、彼はエミリーのもとへ行くことを決意した。

現地に到着すると、エミリーがキリスト伝道を行っているコミュニティを訪れた。そこには、多くの人々が集まり、希望を求めていた。最初は言葉が通じるか不安だったが、彼らの目に宿る輝きが、言葉を超えたコミュニケーションを生み出していた。

ピリポは彼らの話を聞き、苦しみを理解することから始めた。ある日、一人の少女と出会った。彼女は家族を失い、孤独を抱えていたが、その目には希望が宿っていた。ピリポはその希望を見逃さず、彼女に寄り添うことを決意した。

「あなたは一人じゃないよ。イエスさまはいつもあなたのそばにいるから」とピリポは言った。少女は微笑み、彼の言葉を信じるようになった。その瞬間、ピリポは自分がイエスさまの弟子であることを実感した。

~つづく~