【2024新製品】"デンプシーロール120SF"について【MAGBITE】
DSKFGSのせんちょうです。
いよいよデンプシーロール120SFが発売となりました。
はじめに
岩国沖発祥のブレードジギングに特化したイワシジグマキスペが発売されてから早数年が経ち、昨年にはぶっ飛び系ブレードジグとしてイワシジグ"こつぶ"が発売され多くの方からいい魚を獲れたとのお声をいただきました。
しかしながら、2023シーズンは以前から危惧していた様に資源量の減少なのか回遊遅れなのかは不明ですがサワラサイズを釣るのは非常に厳しいという声を多く聞きました。
そんな中でも、毎朝のエクストリーム釣行だけでサワラサイズの釣果を連日あげていたのがこの"デンプシーロール120SF"なんです。
SNS等でご覧になった方も多くいらっしゃるかと思いますが、フラットサイドに厚みのあるボディが特徴のこのミノーはサワラのミノーキャスティングに特化して開発が進められました。
岩国沖のブレードジギングをする中で、ブレードジギングやブレードキャスティングでは獲れない魚がいるのは以前からわかってましたし、そういった魚はmegabassのX-80マグナムなどで獲ってきました。
よりサワラ専用に、よりユーザーに優しい、さらに幅広いゲーム展開が出来る、そんなミノーが欲しいとなったのは自然な事でした。
必要な要素
当初挙げたミノーに求める要素はこんな感じでした。
◆岩国沖サワラミノーキャスティング用ミノー
【必要な要素】
・飛距離
・ただ巻きでは大きく動かない
・高速巻きでも破綻しない
・ジャークしても動きが破綻しない
・ストップ時にしっかり止まる
・縦ジャークでも水面から飛び出さない
・アクションはウォブリングはほぼなし、フラッシングが出来る程度の浅い角度のローリングのナチュラルアクション
・水面下100cm前後(50〜150cm)
【スペック】
・115〜140mm
・20g前後
・スローシンキング(後にスローフローティングに変更)
・フラットな面もしくはそれに類する形で高いフラッシング効果
形状などの希望も伝えて出来た1stプロトは、泳ぎも弱く、ギラギラ感も低く、かなり改良が必要な感じでした。
1stプロトから大幅な改良を経た2ndプロトを使った印象はかなり良くなったなという感じでその時MAGBITEにフィードバックした内容がこちら。
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飛距離
重心移動もスムーズで思ったより飛ぶ印象でした。
向かい風でも追い風でも飛行姿勢は良く投げやすいです。もう少しウエイトあるとさらに飛びそうです。
一方で着水から最初のアクションでの重心移動が若干タイムラグがある気がします。
ジャーク時
ロッドアクションに対してレスポンス良くダートしてキッチリストップしてます。
ダート幅が少し広く、前後距離も割と進んでしまっているので、レスポンスはそのままに幅は狭め、進行距離ももう少し抑えたいです。
レンジも少し入りすぎている気がしますが、マグナムでいうところのオリジナルと+1を兼ねれるのでこれはこれでアリです。
ダート時のフラット面の明滅はかなり良く少しローライトでもしっかりアピール出来そうです。
リトリーブ
速度域によって印象がまるで変わっていて、低速はロールが出ていい感じです。
中速になると少しバランスを崩しかけつつも耐えてます。
高速になると完全に動きが破綻し水面に飛び出します。
高速巻きからのジャークで止めて食わせるパターンもあるので高速巻きでの安定性は改善の必要があります。
その他
テール部分が割と細いのでバイト時の強度が気になります。
スナップをつけるアイの位置的問題か少し付けづらい感じがします。
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大幅にアップデートしたものの更なるアップデートが必要なのは明白で想定出来る操作からくる改良点をMAGBITEにフィードバックしました。
かなり早いタイミングで改良された次のプロトはかなり改良されてきたものの理想にはもう少し調整が必要な印象です。
------↓以下フィードバック内容↓-------
飛距離→◎
まったく問題ありません。ぶっ飛び感もありマグナムユーザーやショアユーザーからも評価してもらえそうな感じです。
向かい風での安定性もいいように感じます。
タイムラグ
若干タイムラグがありますが、ぶっ飛び感とのトレードオフならぶっ飛び感優先でいいと思います。
ジャーク時
ダート幅は前回同様広めですが、レスポンスがいいのと、前後距離が割と抑えられているのでアクションして誘いやすいです。
レンジ
前回同様マグナムオリジナルより深いレンジも探れ、全方向のジャークでもレンジに問題ありません。
リトリーブ
低速、中速は安定しています。
高速は、もう少し安定感は欲しいですが、前回のプロトであった"完全に動きが破綻し水面に飛び出す点は改善されているので許容範囲内だと思います。
テール部手前からボリュームも増してるので強度的な安心感は出ました。
ロッドホルダーから手にとってとっさのキャストでもミスなく安定して飛び、初回のジャークからレスポンスいいダートが出来るのでサワラ用として完成度の高いミノーになっています。
-----ここまで------
さらに改良の方向性を探る為に2つのプロトが手元に届きました。
-----↓フィードバック内容↓-----
ミノーのテストしてきました。
F1改の方が高速巻きでの安定性もジャーク抵抗感もいい感じです。
T2は、いいんですがジャーク時が軽いというか抜けてる感じがします。
あと高速巻きは何回かに1回破綻する時があります。
-----ここまで-----
ジャークした際のミノーの適度な抵抗感はすごく大事で、アングラーが操作したことに対して、ミノーからのわかりやすいレスポンスがある事で、ミノーを正確に操作しやすくなります。
こうした細かな点を1つづつ潰していきました。
そうしてボディは完成し、量産金型作成となり、カラーを施したプロトでの実釣テストへと進んで行きました。
そうして量産金型&カラーを施したミノーで獲ったのがこのサワラです。
フックサークルを見てもらっても分かる通り、かなり投げ込んで操作感を掴んでいきました。
そして、シャローのブラインドでも獲ることができ、この辺りからSNSでも情報解禁となったので目にすることが増えてきたと思います。
正直、一足先にめちゃくちゃいい思いさせてもらいました。サワラが厳しいと言われる状況の中で朝の1〜2時間だけの釣行でほぼ毎回サワラを手にすることが出来、中にはトリプルヒットに近い場面もあったりとデンプシーロール120SFの強さを感じる事が出来ました。
使用感
この頃から同船したミノーキャスティングに長けているコアアングラーの方々にも使用していただき、率直なフィードバックをもらっていました。
デンプシーロールも使ってもらった使用感は、こんな感じでした。
飛距離に関して
・移動重心でぶっ飛び系なので使いやすい
・十分飛んでいる。
・飛距離は十分で飛行姿勢は多少揺れるけど気にはならない。
ダートについて
・ダート幅があるのは凄くいい、ジャークする方向で破綻しないのも使いやすい。
・このダート幅はベスト。
巻きについて
・ただ巻きも安定して泳いでる
・低速から超高速まで破綻しない
・巻きとダートの連動もいい
抵抗感について
・アクション時に適度な引き重り感が返ってくる事で正確に操作出来る
・ダートも巻きも重すぎず軽すぎずちょうどいい抵抗感
レンジについて
・フローティングなのにここまでレンジが入るのも凄くいい
・ちょうどいい深さまで入るので狙いやすい
バイト時について
・きっちり止まるのでミスバイトが少なく切られにくい
・バイト時にミスバイトが少なく動かしたタイミングにはきっちりリアとセンターの2本掛かっててラインが口にいってないのはいい
フローティングの良さについて
・フローティングなので切れても回収出来るのは本当にいい。普段はマグナムを使って切れたらシマノのジャークベイトのフローティングにしていた。
・フローティングとサスペンドの両方の良さを併せ持つ様な使用感
いろいろなフィードバックをまとめると、飛距離が出て、ダートも巻きも使いやすく、ミスバイトが少ないので切られにくく、切られても回収出来るというサワラに理想的なミノーに仕上がっていることが確認出来ました。
カラーラインナップについて
カラーラインナップとしては当初は8色候補にありましたが最終的にはこちらの6色展開となりました。
01:UVフラッシュイワシ
ケイムラ加工のミラーホロ+ブルピンというフラッシング優位なカラーです。まずめ時から日中まで場面を問わずアピール出来るカラーです。
02:UV爆シラス
ケイムラ加工のクリアホロカラーです。
ベイトが小さい時やあまり動かしすぎると反応がない時に使いたいカラーです。光量が少ない場面だとステルスカラー的にも使えます。
03:チャートバックシルバー
サイドフラット面はマグマホロで背中がチャートとなったみんな大好きなカラーです。
実釣テストサンプルがこのカラーだったこともあり、思い入れも深いですし、釣果も上がったカラーです。
04:ブラッディゴールド
クリアレッドのボディにサイドフラット面が縦ホロにゴールド塗装という珍しいカラー。アカキンと言えば馴染みが深いかと思いますが岩国沖のブレードジグでも愛用している方も多いカラーをミノーにアレンジして落とし込みました。
05:セクシーピンク
クリアピンクボディにハーフホロという東京湾などでぜひ使ってもらいたいピンク仕様。
ピンク?って思われるかもしれませんがアピールとナチュラルの両面から効果的なこのカラーは新たな定番となりそうです。
06:ゴールドバサラ
マグマホロのゴールドにチャートバックというフラットフィッシュなんかでも使われることの多いカラー。
チャートバックシルバーと合わせてど真ん中の基本カラーとして使って欲し1色です。
カラー別の使うべき場面については別途ご紹介していきますが、この6色があれば必要なシーンはほぼカバー出来ると思います!
スローフローティングにした経緯
サワラのミノーキャスティングにつきものなのがラインブレイクかと思いますが、開発に関わった船長の立場として、アングラーの皆さんが目の前で何本ものミノーを切られ、バイトがあった嬉しさ以上にミノーを失った悲しさが際立つ場面は正直なんとも言えない気持ちになります。
そんな悲しむ姿を見たくないという思いもあり、当初のスローシンキングからアクションに影響を与えない事が確認出来るならスローフローティングにしたいという風に仕様を変更しました。
安くはないミノーを1日に何本も切られるのは経済的ではないですし、環境にも良くない。
実際にずっと使っているこのプロトのミノーは何本ものサワラを獲りながらも、何度か切られたものの、いまだにMAGBITEの手元にあります。
サワラミノーキャスティングでのアクションについて
1つの事例として、サワラをミノーで釣る時には大きく分けて、2つのアクションがあります。
1つはジャーキングによるダート
もう1つは、巻きによるもの
この2つのアクションではサワラのバイトする位置が明確に違います。
ジャーキングによるダートの場合は、止まった時にバイトがある場合はフロントフックもしくはセンターフックがメインでフッキングします。
これはサワラが止まっているベイトに対しては、お腹を含むボディ中央部を狙って捕食する性質があることによります。
つまりこの時にしっかりと止まっていないとミスバイトを誘発してラインブレイクを生んでしまうのです。
となるとシンキングでもフローティングでもバイトまでのタイミング調整が非常に重要になります。
デンプシーロール120SFはこのタイミングを調整し、きっちりとフックのある位置にバイトするようにしています。
話を元に戻すと、ダートで止まっている時にはフロントフックもしくはセンターフックがメインでフッキングということですが、ダートしている最中や巻きの最中にバイトしてくる時はリアフックにフッキングします。
これは、ブレードジグ同様に逃げるベイトに対しては尻尾の位置にまずはバイトし、動きを封じてから捕食する習性がある為です。
ラインブレイクが多いので、サワラは捕食が下手と思われがちですが、実はかなりうまいですし、状況によって確実に仕留める方法でアタックしているのがよくわかります。
デンプシーロール120SFでは、どちらのシーンにおいても確実にフッキングできる様にしています。
こうした1つの事例に対しても何度も検証し、様々なミノーを使用してきた経験値をデンプシーロール120SFに注ぎ込みました。
最後に
ブレードアシスト、イワシジグマキスペから始まり、こつぶ、デンプシーロール120SFへとつながっていったサワラゲームをさらに楽しくするアイテムを開発し提供し続けるMAGBITEにこれからの期待を込めて、デンプシーロール120SFを手にとっていただけると嬉しいです。
良いサワラに出会えますように。
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