石川昂弥が心配

 ドラゴンズの石川昂弥選手が14日の巨人戦、「4番・三塁」で今季初めてスタメンに名を連ねた。期待の長距離砲。力感のない柔らかい打撃でバンテリンドームのスタンドに放り込めるのは、もう天性としかいいようがない。昨年のひざの故障から復帰し、誰もが待ち望んだ1軍でのスタメン出場だった。第4打席では左翼線二塁打も放ち、走塁面も問題ないように見えた。

 ただ、忘れてはいけないことがある。石川選手は沖縄キャンプをほぼリハビリに費やした。私が見た2月20日前後は読谷のグラウンドの端で別メニュー。孤独にノックを受けたり、走ったりしていた。いわゆる鍛えるキャンプ生活は送っていない。

 その後、順調に快復し、首脳陣も慎重に見極めているとは思うが、長いシーズン、このまま無事に乗り切れるとは思えない。そうでなければ、きついキャンプは不要ということになるし、何より、石川選手は1軍でシーズンを通してプレーし続けた経験もない。

 こんなことは考えたくないが、起用され続ければ、どこかで故障をしてしまう確率は高いし、故障まで至らなくても、疲れがたまれば、成績は一気に落ちるだろう。

 少なくとも夏場までは負荷をかけた練習に取り組み、様子を見る必要があったと思う。それを許さない極貧のチーム状況だったことが、「運の尽き」とならないことを願う。

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