「たたかい」の魅せ方
プロレスは戦い/闘いである一方で、ショーでもあるわけで、見に来てくれた人や映像や記事を通じて見る人たちに、伝わり方は差があれど、ある種の「見世物」的な性格もある。個人的には、「戦い/闘い」を見せるプロレスを好むけれど、それでもショートして素晴らしいものはいいなぁと思う。
DDTプロレスリングは、日本で一番ショーたるプロレスを意識しつつ、観客を楽しませる団体だろう。その上で、「たたかい」が見られると更に満足度が上がる。
当日早朝飛行機or20数時間かけてバスで福岡入した選手たち、翌14日の熊本大会ありきでこの大会が決まったのかなぁと思うところもあるけれど、とにかく選手・スタッフの皆さんは本当にお疲れさまでした。
さて試合の詳細は団体のウェブサイト(内容が表示されていないけれど、下記リンクでたどり着けるはず)を参照してもらうとして、いくつか気になった事柄や試合について。
第1試合はもはやDDTにおいて安定感抜群の平田とクリスが両コーナーに分かれてのタッグマッチ。いつものように、けれど見に来ている僕たちは、「これが見たいから来てるんです」という安定・安心の試合。初めて目の前でシャーデンフロイデのゴムパッチン(平田が被弾)を見たけど、あれはすごい。シュルルルルル〜と音を響かせながら飛んでいくのは臨場感ありすぎ。ただ、あれは正直シャーデンの攻撃というよりももはや、松井レフェリーの攻撃(笑)。
同じく「待ってました!」なのが、第3試合のO-40選手権試合。王者アズール・ドラゴンvs大鷲透vs男色ディーノ。最近、家では「ナイトメア〜」というのが流行っているわけですがw、ディーノのおしりがどんな具合で試合に関わるのかを楽しみにしていると、試合開始前にリングアナを(初めて?)務めた福岡出身の今林GM劇場でひとヤマあっての試合だった。もう普通に面白かったし、堪能できた。
この2つの試合を代表的に、僕のスマホの写真があとはほとんど試合前の入場や、試合後のものばかりとなる。2つ例外があって、ひとつはDDTで最も好きなHARASHIMAの蒼魔刀のドンピシャ写真が取りたかったのでチャレンジていたこと(やはり無理だった)と、セミのKO-Dタッグ選手権試合のラダーからの場外に於いた机の上に寝かせた選手へのダイブの連続写真をとったこと。
あと娘のために飯野の写真を試合中一部撮ったけど、それくらい。つまり、試合に結構集中していたということなのかな、と。もちろんあまり興味のない試合もあったけれど、基本的に休憩後3試合は「たたかい」をストーリーの中に組み込んで魅せる試合だったと思う。
セミ前の試合はまさにKO-D無差別の前哨戦としてのピリピリ感がしっかりあったし(負けた側のHARASHIMAが最後マイクで個人的には「なんで〜」と叫ぶことができたのは嬉しかったな)、セミはエニウェアフォールマッチで(このルールはハードコアでもあるのかな?ノータッチルールでもあったし、今ひとつきちんとしたルールは分からなかった)、ハードコア要素が入ってショー感もあったけれど、両チームの間の緊張感は伝わる試合だった。
ファイナルはKO-Dユニバーサル選手権で、飯野雄貴vsTo-y。レッスルユニバースで飯野と納谷の同タイトルの試合が良かったと相方が言っていたけれど(僕は見てない)、飯野は一皮むけたというか、本来の「強さ」の見えるレスラーになったというか。個人的には、プロレスリング・ノアの『リミットブレイク』興行に出るようになった頃から(このことが原因かどうかはわからない)それらがより強く見えるようになった気がする。
「アイ・アム・バーニング」くだりも上手く試合の中に当てはめていて、もちろん見た目の強さも相まって、チャンピオンらしさが出ている。ノアのGHCナショナル王者の征矢学が似たような位置づけだけれど、両者とも今両団体のファンはもちろん、多くのファンから愛されそうなレスラーだと思う。
一方チャレンジャーのTo-yは、個人的にはどこかのタイミングで殻が敗れるといいなぁと思って見ている。僕の期待が大きすぎたのかもしれないけど、あまりに一方的な試合だった。もうちょっとできるはず、と思う反面、今のままだと器用貧乏にもなりそう。大仁田とファイヤーやっている場合じゃない(今はしていないか)。なにかきっかけがあるといいな。
福岡大会、休憩時間を挟んでガラッと団体が変わったのではないかと思う構成になっていて、個人的にはとても良い大会だった。時間的にきちんと追うのは難しいかもしれないけれど、相方が見ているのを横目に見つつ、次に福岡に来るのを楽しみにしている。
あ、あとひとつ思ったことがあるのだけど、また日を改めて。
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