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宗山塁選手をカープ1位指名公言を受けて〜すべてのジャンルはマニアが潰すのか?

「すべてのジャンルはマニアが潰す」

新日本プロレスをグループ化した際に、ブシロードの木谷高明会長が会見で発言した言葉だ。

木谷会長の上記のインタビュー記事によれば、「一部の熱狂的なファンの要望を受け入れ続けると、新規ユーザーが入りづらくなり、その結果ジャンルは衰退してしまう」ということであり、「前向きに大きく変化させなければいけませんでした。そのために外野の声をいったんシャットアウトしたかった」ためだという。

同時にこれは「商品を買ったりサービスを受ける側だけではなく、商品やサービスを提供する側にも言えること」でもあるという発言を聞くに、改めて首肯するところも大きい。

「何かを大きく改革したいときには、いろんな声があると邪魔になります。声を聞いているうちに角が取れてしまって、「それは改革ではなく多少の改善でしょ」といった結果になってしまうことはよくあ」るからというのもよくわかる。同時のこのさじ加減も難しい。

ふとこのことを思い出したのが、広島東洋カープが12球団最速で、今年のドラフトの1位指名を、明治大学の宗山塁内野手にすることを公言したという記事を読んだときだった。

ドラフトは全く詳しくないけれど、この時期になるとYouTubeでカープを追っている人たちの動画をいくつかつまみ食いしてみている。いや、特にカープだけではなく、12球団のドラフト指名予想の動画のカープ部分だけを抜粋して見たりもする。

それらを見るとほとんど全てで、今年のカープの歴史的大失速を象徴に、強打者、できれば右打者を求め、大阪商業大学の渡部聖弥外野手だとか、青山学院大学の西川史礁外野手になるだろう、いやすべきだというものが多かった。今後10年ショートは安泰とも言われ、広陵高校出身の宗山選手ではなく。

なるほど、確かに菊池・矢野・小園という現在のカープの内野陣の安定感を持つ今だからこそ、右の強打者、大きな打球が打てる選手を熱望するファンの気持ちはよくわかる。大卒選手にすぐさま結果を求めるのは酷であっても、それを求めるのはファンの「危機感」でもある。

しかし、宗山選手の1位指名公言。さぞかし、ヤフコメ界隈では荒れているのだろうなぁと思っていたら、やはりそうだった(とは言え、思ったほどではなかった感じもある)。それらを眺めながら、先の木谷会長の言葉をふと思い出したのだ。

ヤフコメを真面目に論じても仕方がないけれど、ひとつの世論ではある。まぁ、個人的にはプロレスリング・ノアに対する偏ったバイアスのかかったプロレスファンのコメントに辟易しているし、政治や経済に関わる報道に対しての「この人たちはさぞかし経済的・社会的地位の高い人たちなんだろうな」と思わずにはいられないコメントを見て、回れ右したくなるのは変わらないが、それでも、だ。

あそこにはこの国のここ20年ほどの閉鎖的で鬱屈した人たちの思いが燻り、悪臭を時として漂わせていて、ある意味向かい合わなければならない場所ではあると思うけれど、通常の人は見なくても良い場所でもある。なので、動物園に行ったかのように「ほうほう」と遠くから眺めて楽しむものであるとは思うのだけれど、にしても、今回の件のコメントもまた香ばしい物が多く、こんな感じで野球見て楽しいのかなぁと思うのも事実だ。

個人的には、宗山選手が取れれば、上述の通り、菊池・矢野・小園各選手らとの競争が楽しみで仕方ないし、強打者問題は「もしかしたら、FAだとかトレードだとか外国人だとか、秘策があるのかもしれない、ないだろうけど」だとか、沖縄尚学出身の仲田侑仁だとか、利根商出身の内田湘大の覚醒が見えているのなら嬉しいなと思ったりするほうが幸せだなぁと思うのだ。

ドラフトでも、絶対的競合間違いなしな宗山選手に行く以上、ハズレ1位は誰を想定しているのかだとか、ウェーバーが幸いにも(不幸にも?)早い今年は2位も興味深いし、大体カープは4位が大事じゃない?とかさらなる楽しみもある。

さて、この公言はどういう未来を作るのか、是非いろいろと想像しながら前向きに楽しみたい。それが「ファン」なのだと思うから。

そうそう。公言された今日、広島の中国放送(RCC)でこんな記事が上がっていた。

こういうの楽しいよね。

同じRCCで次の記事も面白かった。

元カープの天谷(RCC野球解説者)は「広島で一番ドラフトに詳しい解説者」を目指してるのか。わはは。

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