Citizen Bull シチズンブル (2025年3歳牡馬)

Citizen Bull シティズンブル (2024年12月31日更新)


【プロフィール】

Citizen Bull  牡  4月2日生まれ
父 Into Mischief
母 No Joke
母父 Distorted Humor
生産 Robert Low & Lawana Low
馬主  SF Racing LLC, Starlight Racing, Madaket Stables LLC, Stonestreet Stables LLC, Bashor, Dianne, Determined Stables, Masterson, Robert E., Ryan, Tom J., Waves Edge Capital LLC and Donovan, Catherine
厩舎 Bob Baffert

プロフィール(Equibase)


【主な成績とレース映像】

米GⅠブリーダーズカップジュヴェナイル(2歳・ダート1700m) 1着

米GⅠアメリカンファラオステークス(2歳・ダート1700m) 1着


【血統表と血統背景】

血統表(JBIS)

母のNo Jokeは不出走。母の半姉Moonshine MemoriesはGⅠ2勝の活躍馬で、その産駒にはCitizen Bullと同い年のいとこになる3/4同血のサディークがいる。
一族からは、2歳馬にしてアメリカの年度代表馬となったことでも有名なFavorite Trickや、JGⅢ京都ジャンプS勝ち馬エコロデュエル、新種牡馬として初年度産駒の現2歳世代が活躍中のTiz the Lawなどが出ている。

【これまでのレースの振り返り】

Citizen Bullは2歳8月にデルマーのダート1100mでデビュー。2番手から我慢する競馬で、直線は逃げた馬との叩き合いになるも3/4馬身差捻じ伏せた。

2戦目ではGⅠデルマーフューチュリティに出走し1番人気に支持され、前半から控える競馬を試し4コーナーで外から捲り上げるも、直線では失速し同厩のGamingから離された3着と敗れた。

3戦目はGⅠアメリカンファラオSに出走。ここでは好発から先手を奪い初めて逃げたことが良い方に出て、GⅠ勝ち馬らを抑え重賞初勝利をGⅠで飾る。

4戦目はBCジュヴェナイルに出走。前走はペースを落としたことで展開に恵まれたと見る向きもありややフロック視されたが、ここでも逃げの手に出る。1番人気の本命East Avenueがスタート後に躓いたことで前にプレッシャーを掛けられなかったことや、2番手に収まったのが同厩のGamingで、バックストレッチでは3番手までバファート厩舎勢が占めるという展開もあり、Citizen Bullは2F24秒台のペースを精密に刻み続け、直線でもしっかりと反応し、Gamingにデルマーフューチュリティでの雪辱を果たす勝利となった。

ガルシア騎手「前半から楽なペースでハナを切れ、追い出すとすぐに反応しくれました」
バファート師「自厩舎の馬の騎手には、それぞれ思うように乗ってほしいと伝えた。Citizen Bullは(テンの)スピードがあるのでハナへ行きました。私の厩舎に来年のケンタッキーダービー馬がいるかどうかは、1月や2月になってみないとわかりません。今は先のことはあまり考えすぎないようにしています」

【展望】

Citizen Bullの父Into Mischief×母父Distorted Humorは、GⅠ4勝のLife Is Good、種牡馬としても成功しているPractical Jokeを出しているパターン。
母は不出走だが牝系はしっかりとしており、大レースにも強い血統。
Into Mischiefの産駒は2020年にAuthentic、翌年にMandalounが勝利(繰り上がり)と連覇しており、2024年はInto Mischief直仔Goldencents産駒のMystik Danが勝利するなど、過去5年ではこのサイアーラインが3勝しており、近年のケンタッキーダービーで最も信頼できる父系である。
Citizen Bullの牝系は活躍馬でも早期に完成する馬が多く、またCitizen Bull自身の競走馬としての完成度も高いので、ケンタッキーダービーまでにどれほど成長、あるいは能力を維持できるだろうか。実際に、管理するバファート師は期待馬に対してJustifyやAmerican Pharoahの名前を引き合いに出し称賛するケースはこれまで多々見られたが、「来年の厩舎のエースはCitizen Bullである」といった趣旨のコメントは残していない。それだけ自厩舎に素質馬が多いということの裏返しでもありそうだ。

Citizen Bullの先頭に立ちながら淡々としたラップを刻める能力は、特にアメリカのダート一周競馬において有利と言えるが、連勝したG1ではともに同厩の馬が2番手につけていて、勝負所に差し掛かる前から激しく突かれるような経験をしていないのが、ケンタッキーダービーへ向けての大きな課題となるだろう。デルマーフューチュリティの結果と、その後の2戦で逃げの手に出て連勝にしたことからも、2歳のキャンペーンを終えた現状では、今後控えて味のある競馬ができるだろうかと言ったらやや疑問符がつく。ケンタッキーダービー本番で内枠を引き、揉まれ込むような競馬になった時の対応力をいかに培って行けるかが、今後の大きなポイントとなりそうだ。
これまでで唯一の敗戦には明確な敗因があるだけに、今後のケンタッキーダービーへ向けたプレップレースの中である程度厳しい展開を経験し、それを克服できれば、大本命ということになってくるだろう。


【次走予定】

・未定
BCジュヴェナイル後は既にサンタアニタで時計を出し始めており、やはりバファート厩舎王道の2月26日GⅡレベルS(3歳・ダート1700m)での復帰が有力か。過去にバファート厩舎勢はサウジダービーに遠征したことがあるものの、これはケンタッキーダービーが行われるチャーチルダウンズ競馬場出禁時のもので、現在のケンタッキーダービーポイント40Pでは出走ボーダーライン近辺になる可能性が高いことからも、軽度の頓挫があった時のことを考慮し、ポイント競走ではないサウジへの遠征というリスクのある選択肢は取らないのではないだろうか。


【小ネタ】

Citizen Bullは実質的には馬主、厩舎とも2020年のケンタッキーダービー馬Authenticと同じチームの所有馬。共有馬主に名を連ねるMadaket Stables LLCには、MLBニューヨークメッツの現オーナーで、資産家としても知られるスティーブ・コーエン氏が参加しており、コーエン氏は複数のパートナーシップを通じて、三冠馬Justify、晴れてサウジカップ初代勝ち馬と認定されたミッドナイトビズー、Monomoy Girlなどを共有していたことでも知られている。2024年のベルモントS勝ち馬Dornochの共有馬主Two Eight Racingは、元メジャーリーガーのジェイソン・ワース氏の法人名義ということでも有名となったが、二年連続で米三冠のレースをメジャーリーグ関係者が制覇となるだろうか。


【セール落札歴とブラックタイプ】

2023年 キーンランドセプテンバーイヤリングセール 67.5万ドル
落札者 Donato Lanni, for SF Bloodstock/Starlight Racing/Madaket Stables
カタログ




いいなと思ったら応援しよう!