アメリカ競馬ニュース 1/6~1/12



【競走馬】

KYダービー馬Mystik Dan、ペガサスワールドカップ出走への判断は今週末に

2024年のケンタッキーダービー馬Mystik Danは、11日にガルフストリームパークで調教を行い、5Fで59.48秒の軽快な動きを見せた。今週もう一本強めを追い切り、その追い切り後にペガサスワールドカップへの出否を判断する。


4戦無敗(GⅠ3勝)のImmersive、春は全休でケンタッキーオークス出走ならず

昨年は4戦4勝でBCジュヴェナイルフィリーズなどGⅠを3連勝したImmersiveは、骨挫傷により春を全休することがオーナーブリーダーのゴドルフィンから発表された。これにより、ケンタッキーオークスへの出走は絶望的となった。
ゴドルフィンのディレクター・バナハン氏「コックス師が彼女の動きに納得できなかったので詳しく検査したところ、問題が確認されました。大変残念ではありますが、彼女は完璧な2歳シーズンを過ごしましたし、まずは休養させ、夏に復帰することを心待ちにしています」


米GⅠシューメーカーマイルS勝ち馬Johannesも休養へ

昨年の米GⅠシューメーカーマイルSを勝ち、BCマイル2着後にはGⅡサンガブリエルSを快勝するなど、昨年は重賞4連勝を含む6戦5勝2着1回だったJohannesは、こちらも骨挫傷により戦線離脱となった。現役引退はせず、2025年中の復帰を目指す。

またまたレポール氏から大物登場?ナダルの近親でCurlin産駒Grandeがデビュー勝ち

ガルフストリームパークで行われた3歳未勝利戦(ダート1600m)で、レポール氏の所有シュルCurlin産駒Grandeが2馬身半差でデビュー勝ちを収めた。同馬は母のJourney Homeの甥が、日本で種牡馬として大ブレイク中のナダルになる。
レースでは既走馬で1番人気だったCamp HaleをGrandeが見る形でレースを進め、Camp Haleとの叩き合いを制し捻じ伏せる形となった。
これまで2戦して連続で2着だったCamp Haleの前走の勝ち馬は、次走でリステッドのムーチョマッチョマンSを勝っており、ここがデビュー戦だったGrandeは、いきなりステークス級の能力があることを示したと言えるだろう。
Grandeを所有するレポール氏はVino Rosso、Nest、Bright Futurerなど数多くのCurlin産駒のGⅠ馬を所有しており、それらに続く大物となれるか、次走に注目だ。


【生産】

ゴドルフィンが四年連続で北米リーディングブリーダーに輝く

2024年の北米リーディングブリーダー(単独所有名義)では、ゴドルフィンが四年連続でのリーディングとなった。共有での繁殖牝馬の所有を含めても、ゴドルフィンが首位となっている。
ゴドルフィンの生産馬はBC競走で2勝するなど北米で10のGⅠを勝っており、オーナーブリーディングホースのImmersiveは、BCジュヴェナイルフィリーズなど無敗で2歳牝馬戦線を席捲した。2位はカルメットファーム。

【その他トピックス】

南カリフォルニアで発生した山火事により、サンタアニタ競馬場で予定されたレースは中止、16日(木)にレースを再開予定

国際的にも大きなニュースとなっている南カリフォルニアで多数発生した山火事は、サンタアニタ競馬場にも大きな影響を与えている。
中でもサンタアニタ競馬場の北およそ10kmの地点で発生した山火事は、1月12日時点では競馬場への延焼のおそれはないものの、先週9日、11日、12日に予定されていたレースはキャンセルとなった。ただしGⅢラスシーニガスSと、カリフォルニアカップステークスは、日を改めて開催される見込みとなっている。

懸念された大気汚染については、1月12日現在ではHISAとカリフォルニア州競馬委員会が定めたガイドライン内に収まっており、競馬場での調教は続けられている。

競馬関係では、カリフォルニアに居を構えるバファート師が自宅から避難し、カリフォルニアにあるブリンカーホフ厩舎の屋根が、火災の影響により発生したと思われる突風で吹き飛ばされるなどの影響が出ている。

現在のサンタアニタパークの一部施設には寄付サイトが設置され、他にも様々な支援活動が行われるなど、市民やボランティアによる避難者支援などの為のスペースとしても提供されている。元々は別の場所で中心となって行われていた支援活動が、その施設が州兵の拠点となったことで、サンタアニタ競馬場が代替のスペースとして利用されている形だ。
また電力会社がパークの北側駐車場を仮設電源の設置スペースとして利用するなど、重要な災害支援拠点としても機能している。
なお場外馬券発売等の競馬事業の運営には、公的機関からの人員の提供が必要ないことから、現状ではレース開催以外の業務については支障がない見込みだ。

ベルモント競馬場、2026年9月リニューアルオープンへまた一歩前進

ニューヨーク州の納税者によって起こされた、ベルモント競馬場のリニューアルのためにニューヨーク州がNYRAへ資金を融資するのは違法だとし、工事の中止と緊急差し止めを求めた訴えは、控訴裁判所により棄却された。
控訴裁判所は、この工事は必要な承認が全て得られた合法的なものであるとし、また州の融資も違法性があるものではないと認定をした。これにより、ベルモント競馬場はリニューアルオープンへまた一歩前進した。


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