アメリカ競馬ニュース 1/1~1/5
【レース】
厩舎のエース?GⅡサンヴィセンテSはBarnesが完勝しバファート厩舎のワンツー
レースレビュー
GⅢラスフローレスSはチリからの移籍馬Richiが北米移籍後初勝利、こちらもバファート厩舎のワンツー、鞍上は木村和士騎手
レースレビュー
Richiは次走、米GⅠビホルダーマイル(4歳以上牝・ダート1600m)へ向かう予定
72歳のシンデレラストーリー、米LスマーティージョーンズSは、Coal Battleが勝利しステークス3連勝
米LスマーティージョーンズS(3歳・ダート1700m)は、Coal Front産駒のCoal Battleが4馬身差でステークス3連勝を決めた。リステッドは2連勝。父のCoal FrontはA.P. Indyの同系配合3×3で、GⅠ勝ちこそなかったものの重賞5勝の活躍馬。Coal Battleはこれでロードトゥザケンタッキーダービーのランキング2位に浮上した。
管理するブライリー師は72歳で、いまだ管理馬が重賞を制したことはない。Coal Battleは次走は2月22日のGⅡレベルSへ向かう。「72歳のシンデレラストーリー」が生まれるのか、注目だ。
Coal Battle
プロフィール(Equibase)
血統表(equineline)
米LムーチョマッチョマンS(3歳・ダート1600m)は、Gun Runner産駒のGuns Loadedが逃げ切り2連勝
米LムーチョマッチョマンSは、Gun Runner産駒のGuns Loadedが接戦を制し、連勝となった。Guns Loadedはこれでデビューから3戦2勝2着1回。同馬は一昨年のキーンランドセプテンバーセールで80万ドルで落札された。次走は2月1日のGⅢホーリーブルS(3歳・ダート1700m)へ向かう。
Guns Loaded
プロフィール(Equibase)
血統表(equineline)
米LサンタイネスSは、故ベン・セシル師の忘れ形見Look Forwardが勝利し、いざケンタッキーオークスへ
2024年はGⅢに、そして2025年からリステッドへとダウングレード(降格)となった米LサンタイネスS(3歳牝・ダート1400m)は、11月にベン・セシル師の元でデビュー勝ちを収めた直後にセシル師が急逝したことに伴い、マッカーシー厩舎に転厩したLook Forwardが移籍後初勝利となった。前走のGⅡスターレットSで2着に入っていることから、再度の距離延長にそこまで不安はないと師は語っており、今後はケンタッキーオークスへの出走を目指す。
米ジェロームSは、アイオワ州産馬でMcKinzie産駒のCyclone Stateが3連勝、招待されればサウジダービー出走も視野に
米ジェロームS(3歳・ダート1600m)は、ここまで2連勝中だったMcKinzie産駒のCyclone Stateが途中からハナを奪うと、直線ではやや早仕掛けに見えたものの2着馬に3馬身半差で完勝した。
次走についてはケンタッキーダービーポイント競走のGⅢゴッサムステークス(3歳・ダート1600m)も視野にあるが、招待されればサウジダービーに遠征するプランもある。
Cyclone State
プロフィール(Equibase)
血統表(equineline)
【競走馬】
BCジュヴェナイル勝ち馬Citizen Bullは、2月1日のGⅢロバート・B・ルイスSで始動
BCジュヴェナイルなど2歳時にGⅠを2勝したCitizen Bullは、2月1日のGⅢロバート・B・ルイスS(3歳・ダート1600m)で始動することを、管理するバファート師が明らかにした。同厩の他の何頭かも、同レースに出走予定となる。
BCジュヴェナイル1番人気のEast Avenueは、GⅡリズンスターSへ
米GⅠブリーダーズフューチュリティを勝ち、BCジュヴェナイルは1番人気に支持されるも、出遅れなどもあり9着に敗れたEast Avenue(父Medaglia d'Oro)が調教を再開。次走はGⅡリズンスターS(3歳・ダート1800m)で復帰予定。
2020年から1800mに距離が延長されたリズンスターSの勝ち馬からは、Mandaloun、Epicenter、Sierra Leoneなど世代トップクラスが続々と出ており、今年も注目の一戦となりそうだ。
ウォルシュ師「前走のBCジュヴェナイルでは出遅れたことで打つ手がなくなってしまった。完勝だったGⅠブリーダーズフューチュリティでは、押してハナへ行かせた(あれが本来のこの馬の姿だ)。残念だったが、やり直しはきかない。これが競馬。これがスポーツです」
バファート厩舎と”アベンジャーズ”から、Authentic産駒が初勝利
GⅠ馬のCitizen BullやNewgateらを共有する通称「アベンジャーズ」として知られるオーナーシップのAuthentic産駒Rodriguezが、2戦目のダート1600m戦を7馬身差で逃げ切り、自身の初勝利を飾った。Rodriguezは米GⅠウッディースティーヴンスS3着馬Provocateurとは3/4同血の半弟である。
2024年の新種牡馬レビューでも書いたように、Authenticは供用するスペンドスリフトファームは元々「一周競馬向きの種牡馬」としていたが、実際にワンターンの設定が多い短距離戦では、産駒の勝ち上がりにやや苦労していた。しかしマイル以上のレースが増えてから、産駒は続々と勝ち上がっている。
Rodriguezは4角から鞍上の手が動き始めるも直線でも脚を伸ばしたように、距離が延びてさらに良さが出そうだ。次走以降でケンタッキーダービーへの出走を目指すことになる。
新星Sand Devil、2戦目は12馬身半差で勝利
ニューヨーク産馬でViolence産駒Sand Devilは、12月のニューヨーク産馬限定のダート6Fのデビュー戦を4馬身差で勝利。
2戦目となった同じくニューヨーク産馬限定のクレーミング(AOC)では、マイルへの距離延長をものともせず、4コーナーから軽く促されると、直線に入ってすぐに騎手は勝利を確信し、持ったままで12馬身半差の楽勝となった。
今後は州産馬限定レース以外に出走していくこともありそうだが、同じニューヨーク産馬であったTiz The Law、同じViolence産駒のForteのように、米三冠路線に旋風を巻き起こしていけるだろうか。
血統表(equinline)
【生産】
2024新種牡馬リーディングのVekoma、勢い衰えず
1位から3位までの差が僅か約200万円と、歴史的大接戦を制し2024年の北米新種牡馬リーディングサイアーとなったVekomaは、早速1月1日に2頭のステークス勝ち馬を出すロケットスタートを見せた。
中でも米キャッシュランS(3歳牝・ダート1600m)を勝ったニューヨーク産馬のFive Gは、9馬身差で逃げ切りの大楽勝。次走は2月のGⅢフォワードギャルS(3歳牝・ダート1400m)に向かう予定で、ケンタッキーオークス路線でも注目される存在となれるか。
またVekoma産駒は日本でもマリブオレンジが勝ち上がったようにアメリカ以外でも好調で、1月3日にドバイで行われたUAE2000ギニートライアルをGolden Vekomaが勝利。Vekomaは昨年パナマのローカルGⅡ馬も出しており、産駒が世界中で活躍し始めている。
ケンタッキーダービー馬Rich Strike、2度目の現役引退発表、種牡馬入りへ
2022年のケンタッキーダービーを現地最低人気で制したRich Strikeが現役を引退、ペンシルベニア州のマウンテンスプリングスファームで種牡馬入りする。
Rich Strikeは4歳に入りGⅡアリシバSで6頭立ての5着と敗れ、その後に繋靭帯炎を患い休養に入った。秋には一度は復帰を断念し現役引退を発表。ケンタッキーダービー馬としては史上初の種牡馬候補(Stallion Prospect)としてキーンランドノヴェンバーセールに上場が予定されるも、セール上場前に欠場となり、再び現役復帰を目指した。5歳の6月には調教を再開し本数を乗り込み出すもペースアップができなかったようで、復帰は叶わず二度目の現役引退発表となった。
ケンタッキーダービー勝ち馬がアメリカ国内で種牡馬入りし、その種牡馬生活をケンタッキー州以外でスタートするのは、極めて稀なケースである。既に州外の生産者からも問い合わせがあるようで、種牡馬として順調なスタートが切れるであろうか。種付け料は後日発表される。