『ガス圧を制するものは、ビールを制する』
どうも、こんにちは。
神戸三宮にあるビアパブPUBLIC BAL PACINOというお店で、店長兼、ビール注ぎをやらせてもらったり、神戸ビアクラブの代表を務めさせてもらってます。日本のビール界の担い手、前田大作です。
このビアノートでは、ビールの基礎知識から少しマニアックな内容まで淡々と書いていきます。
最後までお付き合い宜しくお願いします。
🍺BeerNote〜29杯目〜
今回は、『ガス圧を制するものは、ビールを制する』というテーマでお話ししたいと思います。
この言葉、個人的に超大好きなんですよね〜
さて、お店でビールを注いでる方はとても重要な事なので、最後まで読んで頂ければ嬉しいです!
樽内のビールには、ほどよく炭酸ガスが溶け込んでいます。
この炭酸ガス、温度が高いとビール内のガスは液体から逃げ出そうとし、温度が低いとビール内のガスは液体に溶け込もうとする性質があります。
↑こことても大事です!
基本的にビールは3日以内で出してくださいと言われるのはご存知でしょうか?
それは樽内の炭酸ガスのバランスが関係しているからです。
もう少しわかりやすく下手くそな絵と一緒に説明いたします。
【圧力が適正の場合】
液中の炭酸ガスが逃げもせず、夜分な炭酸ガスが溶け込みもせず、爽快な味が保たれる
【圧力不足の場合(高温)】
液中の炭酸ガスが逃げてしまい、時間の経過とともに気抜けした味わいになってしまう
【圧力過剰の場合(低温)】
余分な炭酸ガスが液中に溶け込み、時間の経過とともにピリピリした味わいになってしまう
以上の事が樽内でおこります。
樽内の空間にある炭酸ガスとビールに溶け込んでいる炭酸ガスが、開栓後も同じバランスを保てる日数が、だいたい3日とされているのです。
『ガス圧を制するものは、ビールを制する』
何事もバランスが大事ですね。
空冷式だと、同じ温度で管理されているので、かけるガス圧の変化はないですが、瞬冷式(ディスペンサー)だとその都度ガス圧を測って調整しなければいけません。
特に真夏や真冬は、室内の温度変化は営業中と閉店後でかなり変わってしまうので注意が必要です。
この時、樽内の炭酸ガスが出たり、ビールに溶け込んでしまったりという現象がおき、
気抜けしたり、香りが飛んだり、味わいが無くなったり、ピリピリしたビールになったりします。
最悪、うまくビールを注げずに泡だらけになるって事態にもつながります。
↑これはちょこちょこ相談されます。
だいたいはガス圧の問題が多いので、しっかりチェックシート確認し、適正な圧力をかけましょう!
あと、酒屋さんから届いたビールは最低でも1日は必ず寝かせてくださいね!
3日で出なさそうであれば、リットル数を減らすのも一つの方法です。
最後までお付き合いありがとうございました。
また次回も乾杯しましょう🍻