5年間語り続けてきた夢を前にして
このnoteに足を運んでいただきありがとうございます
NPO法人LES WORLDの志藤大地です
さて、文章を長く読む時間も暇もないけど見てやるよ!
という方、本当にありがとうございます
そんな方のために冒頭2章は簡潔に読んでいただきたい事を書きました
いやいや私はことの経緯やら、裏に込められてる想いまで知りたいし、文章を読むことがそこまで苦じゃないし、ここまで来たからには最後まで読んであげるよ
という殊勝なあなたのために、後半を書きたいと思います。
1.無人島100FESが台風で中止で-270万円
かれこれ4年間やってきた無人島100FESというイベント
3泊4日100人が無人島に集まるというものなんですが
5年目の今年ついに台風がぶち当たりました
というか正確に言うと当たりそうな感じになって、なんか当たらなかったです
嫌がらせのように進路を変えて、日本をくまなく巡る気でいる台風10号の影響で早々にに無人島の施設が閉まることが決まりました
僕らも最初はそれで諦めようと思っていたのですが
たった一度きり、今年限りの2泊3日無人島100FES!ただし
スタッフのみんなに払うお金も、出せる滞在費もない状態で30人だけでも来てくれたらやろうと決めました
そしたらなんと!!!
70人以上が参加を表明してくれました。一番泣けたのはスタッフのみんなが「依頼料も、交通費もいらない、宿泊費も自腹で出すから行くよ」と全員が言ってくれたことでした。ゲストの大策さんは「ばかやろう。家族みたいなもんなんだから、こんな時は頼ってくれよ」と言ってくれました。LES WORLDの3人で、この恩は絶対!来年返そう!と約束しました
そして、次の日台風は進路を変え、あっけなく無人島100FESの全日程中止が決まりました
年間収支-270万円だけじゃなく
毎年無人島100FESで繋がったみんなに助けられて成り立っていたLES WORLDにとって未来にも残る大きな痛手となりました。
2.生き残りをかけたTHE ONEクラファン
5年間語り続けていた夢
世界中の孤児院、スラムの子ども達を日本に招待して人種も、宗教も肌の色も違う子ども達と共にステージを創るプロジェクト「THE ONE」
創るのは世界が一つになる、たった一度きりのステージ
このTHE ONEには本当にたくさんの方が関わってくださっています
1年半前から動き出してくれていたパフォーマンスチーム「WORLD CARAVAN」
完全ボランティアなんて信じられない成果とやる気を見せてくれている「運営統括」のみんな
スタッフとして半年一緒に走ってくれている「THE ONE CREW」
子ども達とステージに立ってくれる「THE ONE CAST」
僕たちを信じて子ども達を送り出すために、とんでもなく大変なパスポートとビザの取得に動いてくださっている「孤児院のオーナーさん達」
「THE ONEを応援するよ」と、お金や物資をいただいている「協賛企業とスポンサーの方々」
本当にたくさんの方々の力を借りてこのプロジェクトは進んでいます
インドから来る子ども達は、カーストが低すぎて周りに海外どころか街を出たことのない人ばかりの中から来る2人
治安が悪化しているモザンビークのスラムから来る子のうちの1人は耳の聞こえないダンサー
ネパールから来る子は地震で親を亡くして、言葉も通じない状態から都会の孤児院に預けられたけど、そこから努力してその市で一番賢い学校のトップの成績を収めている
子ども達1人1人の人生が波乱万丈で決して簡単な人生ではありません
しかし、不幸だという顔で暮らしている子は一人もいなくて
「どんな逆境の中でも強く生きる」そんなメッセージが彼ら、彼女らの人生から伝わってきます
THE ONEはステージを通して「どんな逆境も超え強く生きる」というメッセージをパフォーマンスとして子ども達と共に作っていきたいと思っています
そんなTHE ONEですが、当然のようにとんでもないお金がかかります
子ども達のパスポート取得費用、VISA申請に行く交通費から宿泊費、航空券代、日本での滞在費、食費、移動費全てLES WORLDが負担させていただきます
企画当初よりも子ども達のVISA代やパスポートの申請費用が何倍にもなり、航空券もかなり高くつきました
なんと総経費約1200万円以上!!
ありとあらゆる手段を使い集まっているお金が今、450万円
例えクラウドファンディングが100%達成しても150万円の赤字となります
もし、このクラウドファンディングが50%を切ると
無人島で出た赤字も重ねてLES WORLDの6年間貯めてきたお金を遥かに超えてキャッシュアウトとなります
クラウドファンディング最初の3日間でみんなで手分けして、1000人にお願いLINEを送らせていただきました
それからみんなが必死に動いてくれて、たくさんの方が支援するよって声をかけてくれました。
しかし、
この記事を書いている現在、支援は今だに18%です
正直、かなり厳しい状況です
残り30日
生き残りをかけた勝負が始まります
僕から伝えさせていただきたいのは
必ず最高の舞台にします!
必ず子ども達にとって人生の変わる体験にします!
必ず観てくれたあなたの心に火を灯す時間にします!
どうか、9月27日横浜に「THE ONE」を観に来てください
お願いします!!
3.なんで「THE ONE」創ろうと思ったの?
ここからは、話しがやたら長くなるので裏の想いまで読んでやろう、という気概の方のための文章になります。
本当に貴重な時間を僕の一人語りみたいな文章を読んでくれてありがとうございます。
⚫︎気づけば叶っていた夢
THE ONEの事を語る前に、少しLES WORLDという団体のこれまでの歩みについて書かせてもらいます
LES WORLDの始まりは、ただ「国際協力を仕事にしたい」
国際協力でご飯を食べていきたい!そう思った無知な大学生4人が作った団体でした。
その時の僕らは、趣味程度に絵を書いてるやつと、趣味として音楽やってるやつと、やたら貧乏ですぐ騙されるダンサーと、何もできない僕の4人で構成されていました。
その時の僕らの無知さたるや、「世界中の孤児院にエンターテイメントのワークショップを届けたい!」
という夢だけ掲げて、ダンサーとアーティストとミュージシャンがいて、それ全部できるんミュージカルやん!
そしたら子ども達とミュージカル作ろう!と決めてから知り合いに
「演劇とミュージカルの違いって何?」と聞くようなありさまでした。
そして僕らは、演劇の途中に何か歌えばそれがミュージカルか!くらいの認識で活動を始めました。
それから、色んな珍道中だったのですが簡単に書くと
国内で活動し始めてお金がなくなり
海外の孤児院で活動し始めたら人が全然集まらなかったり
テロでワークショップがなくなって航空券代だけでめっちゃ赤字になったり
お金がないからって理由で3人で住んでたシェアハウスでは、電気代で喧
嘩したり
本当に右も左も分からず、失敗を塗り重ねに塗り重ねまくっていました
もう失敗のバームクーヘン状態です(?)
今でもたまに
あの時あなごんと、お金ないから一番安い自転車を買おうと
ドンキホーテで買った自転車で川辺を走りながらファンモンの「ちっぽけな勇気」を歌っていたことを思い出すし
飲みすぎたかずを、あなごんと一緒に迎えにいって、かずが駐車場でずっと「おえーー」って言ってるのを爆笑しながら聞いていたのも思い出します
失敗ばかりで前に進んでいるのか、後ろに下がってるのかも分からない毎日でしたが、その日々は辛いというより面白いという感じでした
実に最初の給料がLES WORLDとして払われるのにかかった年月は2年半
マクドナルドでバイトしたらすぐに稼げそうな給料でも、LES WORLDとして稼いだんだ!って3人で大喜びしたのを覚えています
そのど貧乏だった2年半
シェアハウスの壁には僕の汚い字で「笑ってればなんとかなる」と書いてありました
そして、走り続けて2年半海外ワークショップには全国からキャストが集まってくれて、孤児院の子ども達とミュージカルを作るワークショップは形になってきていました。
いつしか最初に僕らが描いた夢「世界中の孤児院にエンターテイメントのワークショップを届ける」は叶っていたのです
⚫︎今の地点から見える一番遠い目標を夢と呼ぼう
実は夢が叶っていたことに気づいたのは、プラスな感情からではありませんでした
ある時あなごん、かずの口からポロッと出た
「これ以上たくさんの孤児院にワークショップを届ける必要があるのか?」という言葉がでました
僕はその言葉を聞いてハッとしました
僕たちはがむしゃらに目標に向かって走ってきたけれど
今、自分達はその目標を見失っているのかもしれない
人は目標を見失うと今の行動自体に疑問を持つようになります
いわゆる「あれ?何のためにこんなことやってんだっけ?現象です」
はい、勝手に命名しました
そこで、僕は思い切って
LES WORLDの新しい夢を今ここで決めようと提案しました
忘れもしない、あの日近所の公園でLINE通話を繋いで何時間もあぁでもない、こうでもないと話しました
あの何も知らない無知な自分達が描いた精一杯の夢が「世界中の孤児院にエンターテイメントのワークショップを届ける」でした
そこから、たくさんの子ども達に出会い、たくさんのステキなキャストと旅をして、たくさんの経験をしてきた今の自分達の位置から一番遠い目標を決めよう
そして、それを夢と呼ぼうと決めました
話し合いの中で
いつか日本に行くのが夢って言ってくれたあの子達に、もっと広い世界を見てもらいたい
あの子とあの子が出逢ったらどうなるんだろう、似たような境遇の子達が国境を超えて出逢ったらどうなるんだろう
そんな話しから僕らは
いつか「世界中の孤児院、スラムの子ども達と世界的なパフォーマンスチームを創る」という目標を掲げました
このパフォーマンスチームがあれば、世界中をみんなで回れる!最高だー!というテンションでした
⚫︎COMMON BEATに提案「WORLD BEAT」
そんな夢を掲げて語り続けること1年半
人前に出る機会があれば、夢を語り
「また同じこと言ってんすか」って嫌味を言われても言い続け
言えば言うほど、聞いてもらえば聞いてもらうほど夢への想いは強くなりました
そんな時、あるご縁でNPO法人COMMON BEATというLES WORLDの大先輩のような市民ミュージカルを作っているNPOの代表と話す機会をいただきました
その時、作った提案資料がCOMMON BEAT✖️LES WORLD「WORLD BEAT」
世界中の孤児院の子ども達を日本に招待して一つのミュージカルを創るというプロジェクトでした
そう、これがTHE ONEの原型です
このWORLD BEATというプロジェクト自体はコロナが襲来し
それどころじゃなくなりプロジェクトは解体となりました
ちなみに、このプロジェクトを通して出会ったのが「もっぴー」で
僕はそのもっぴーとRaise your Flagというファシリテーション講座を作りました
そして、さらにちなむと
コロナが襲来し、海外に行けなくなった僕らLES WORLDが三密を避けすぎて予約したのが無人島で、ここから無人島100FESが始まっています
ここらへんの話しも様々なドラマがあるのですが、今は割愛します
⚫︎今ならやれるかも!「THE ONE」始動
なんとかコロナをという逆風を自分達のチャンスに変えて飛び上がったLES WORLD
気づけばコロナ前よりも、本当にたくさんのキャストがLES WORLDに関わってくれるようになっていました
僕は唐突に思いました「今ならやれる、自分達の手で」
とんでもない赤字になるかもしれないし、作った舞台に人が全然来ないこともありえる
でも、間違いなく子ども達にとっては人生最高の体験を作れるはず
その核心だけを胸にTHE ONEというプロジェクトは走り始めました
最初に始めたのは仲間集め
運営統括として動いてくれるメンバーを募集するところからでした
とんでもない責任と仕事量が乗っかる運営統括
THE ONEの成功はこの運営統括メンバーで決まると言っても過言ではありませんでした。
そんなめちゃくちゃ大事な運営統括には、最高なメンバーが集まってくれました。信じられないくらいの責任感を持っていて、仕事ができ、かつ人間力もある。こんな最高なメンバーとならTHE ONEを形にできることを核心しましたし、実際にこうしてここまで形にしてくれました。
次に集めたのはパフォーマンスチームでした
THE ONEはその形式上どうあがいても舞台パフォーマンスの技術的なクオリティを追うことはできません。
言葉が全く通じない子ども達が日本に来て1週間でパフォーマンスを完成させて公演まで持っていくのですから、まぁ厳しいと
そこで、舞台全体のクオリティを底上げするために集まったのが
パフォーマンスチーム「WORLD CARAVAN」でした
このWORLD CARAVANはもう動き出して1年半になるのですが
波瀾万丈で、方針展開やメンバーの入れ替え等々
本当にみんなには迷惑をかけたなと反省しています
それでも、今最後まで走り抜こうとしてくれているメンバーが9人
そして、その9人のためにずっとダンス指導をしてくれている、さくら
歌の指導にあたってくれているあなごんのおかげで
WORLD CARAVANのメンバーと本番を迎えられそうです
彼ら、彼女らは1年半という長い時間、THE ONEのたった1時間半の公演のためにここまで練習を続けてきてくれました
次に募集したのがスタッフ枠としての「THE ONE CREW」
実際に手を動かしてTHE ONEを形にしてくれるメンバーを募集しました
集まってくれて100人のメンバーは
これまでLES WORLDを支えてきてくれたメンバーや、初めましてのメンバー
大学1年生から社会人まで実に多様なメンバーが集まりました
もう、本当に最高なメンバーだらけで
孤児院の子ども達を日本に招待するために、大使館や領事館に何度も電話をかけて書類を作ってくれたり
協賛企業となってくれる企業を探すために必死に連絡送りまくってくれたり
寝る間も惜しんで演出を考え、大道具をつくりまくり
チーム全体を良くするためにできることを全部やってくれたり
ホームページから動画まで0から学んで作ってくれたり
この100人一人一人に感謝してもしきれないくらい頑張ってもらっています
そして、集まった40人のTHE ONE CAST
これから1週間で子ども達と心を通わせ、最高の舞台を創ることをミッションに彼らの挑戦が始まります
最初は僕らLES WORLD3人だけの夢だったTHE ONEが
今ではみんなの夢に変わってきています
そして、夢は目標となり、計画となり、今実現しようとしています
4.5年間語り続けてきた夢を前にして
さて、ここまで読んでいただいている方はかなりの物好きと見受けられるので、多くの人が興味のない、僕の心境を書き記して終わろうかと思います
読みたい方だけどうぞ
僕の知り合いには、尊敬しているすごい人がたくさんいます
毎週にように誰かはテレビに出ていて、誰かは有名雑誌に取り上げられていて、誰がどれくらい成功してるのかという話が耳に入ってきます
そのたびに、否が応でも自分と比べてしまいます
THE ONEの企画で出したビジネスプランコンテストで審査員に言われました
良いことやってるのはわかるけど、社会的なインパクトもないし、拡大可能性もないし、マラソン大会走ることが大事みたいな企画ですね
社会起業の大先輩の方からもらったアドバイス
今は自分達のやっている活動をどう数値かして、どれだけの効果があるのかを語れる人にお金が集まる時代で
自分達のやってることは良いことなんだー!と叫んでいるだけの人たちにはお金は集まりづらいです
全てありがたい助言です
本当にその通りだと分かっているからこそ、耳も胸も痛くなります
でも、その上で
ぜーーーーーーーーーんぶ分かった
そので上でLES WORLDをやっていて
ぜーーーーーーーーーんぶ痛感した
その上でTHE ONEを作っています
社会的な意義が薄いのも
拡大可能性がないのも
お金に全然ならないのも
なんなら大赤字になることが分かっていても
自己満足でしょ?って陰で言われていても
それでも、子ども達が初めて手に取るパスポートとその感動を想像して
それでも、子ども達がドキドキしながら乗る飛行機を想像して
それでも、子ども達と、舞台に立つみんながキラキラした表情で立っているのを想像して
それでも、ここまで一緒に作ってきてくれたみんなの顔を思い浮かべて
それでも、客席に足を運んでくれる心優しい人達の顔を想像して
それでも、前へ進んでいこうと決めてやっています
その先に見える
誰も見たことない景色をみんなで創れるこの
愛おしく、苦しく、楽しい日々を走り抜きたいと思います
「笑ってれば何とかなる」